ＣＳＩ：５ 第２３話「死体たちの運命」 データ編

【CASE　トリップ＆ポーラ】
　現　場　：大学寮の一室
　被害者　：トリップ・ウィルモットとポーラ・レヴァイン　共に大学１年
　関連人物：ザック・カポーラ、スーザン・ヘミントン、ポーラの母
　　　　　　トリップの両親
　担　当　：グリッソム、サラ、グレッグ、ブラス
　背　景　：
　　遺体は二人とも肌がピンク色だったため、一酸化炭素中毒ではと見られた。
　　発見者は寮長のスーザンとトリップの隣室のザック。
　　現場と隣室のドアノブに精液が付着。（トロフィーコンドーム＝女の子を
　　ものにした時、隣の部屋のドアノブにコンドームをつける遊び）
　　捜査の最中に便器が爆発する現象が起こる。関連性がわからないので一緒に
　　分析することに。

肌がピンクになるのは一酸化炭素中毒か、シアン化合物の摂取だったが、一酸化炭素中毒ではなく胃の内容物にもシアン化合物は含まれず（ホッジスが嗅ぎ分けた）、死因は特定できなかった。
ポーラの母は暴行されたのではないかと疑い、トリップの両親と言い争いになるが、遺体に暴行の形跡はなかった。

便器を調べたが、起爆装置もなく爆発の要因になるものはなにも見つからなかった。ドアノブの精液は二部屋ともトリップのものだった。トリップが隣室にトロフィーコンドームをした後に、指についた精液が自室のノブに付着したのだ。
隣室のザック・カポーラはトリップに関する苦情を何件も挙げていて、トリップに対して好感は持っていなかった。
二人の血中アルコール濃度は基準値を大幅に超えて泥酔状態にあり、また嘔吐物に含まれていた血液の二酸化炭素濃度が通常より非常に高い濃度になっていた。二人は細胞レベルで窒息したのだった。
しかし二酸化炭素で中毒になるには大量の二酸化炭素が必要で、しかも二酸化炭素では肌はピンク色にならないのだった。

どうすると寮の部屋で二酸化炭素中毒が起こるのかを分析するためにトリップの部屋を捜索すると、トリップが女の子との関係を記録した手帳を発見。そしてベッドの陰に、隣室からドリルで開けたと思われる壁の穴が。
しかし隣室のザックは穴については知らないといい、４日間ＬＡに言っていたとアリバイを主張。部屋には誰でもこじ開けて入れるという。ザックの指には火傷があり、帰ってきたときに部屋に何か落ちていたので、拾い上げたらそうなった、と供述。原因となるものはゴミ箱に捨てたというが、ゴミ箱には何も入っていなかった。

サラとグレッグは、「ザックの指にやけどを負わせ、ゴミ箱から消えてなくなる上に二酸化炭素中毒を引き起こす化合物」は、ドライアイスだと気づく。そこで隣室から致死量レベルの二酸化炭素を発生させるためにどのくいらのドライアイスが必要か、実際に実験してみる。すると、１４キロのドライアイスが必要だったとわかった。酸素に対して二酸化炭素の比重は重いので、ベッドに寝ていれば死は防げたかもしれないが、二人は床に寝袋で寝ていたために命を落としたのだった。また急激に室温が下がったので、肌がピンク色になったのだということがわかった。
そして余ったドライアイスはトイレに捨てたため、途中の配管で大量のガスが発生して便器が爆発したのだった。これも再現実験で確認された。
ザックのアリバイは証明され、他に容疑者を見つけなければいけなくなった。

寮の生徒たちのクレジットカードでは大量のドライアイスを買った形跡はなく、近くの店でも買ったものはいなかった。しかし実験用に大学で大量に調達した生徒を調べると、寮長のスーザンが浮上する。彼女はトリップの手帳にも交際していたと記録が残っていた。
スーザンは本気だと思っていたが、トリップは遊びで捨てられてしまったため復讐を試みたのだった。
彼女は部屋の広さなどから計算して、気分を悪くさせる程度のつもりでやったのだが、ポーラがいて二人が床で寝ることは想定外だったのだ・・・


【CASE　ジェームス・ビルマイヤー】
　現　場　：タンジェールの駐車場
　被害者　：ニュージャージー在住ジェームス・ビルマイヤー
　関連人物：ビボルディー夫人、ジャシンダ・エンドレール、
　　　　　　チャーリー・ジャクソン、プレストン・ヘイバーン
　担　当　：エクリー、ヴァルタン
　背　景　：
　　タンジェールの駐車場で倒れて死んでいる男性が発見された。
　　ＣＳＩに出動が依頼されるが、みんな出払っていたため、エクリーが担当。
　　財布にレンタカーの契約書が入っていた。
　　血痕に靴跡があったが、それは第一発見者のビボルディー夫人のものだった。
　　右頭部に擦過傷あり。モルグで司法解剖しようとしたところ、遺体が解剖前
　　に紛失する。

エクリーはデヴィッドに落ち度があったのではないかと責め立てたが、デヴィッドは通常通りに問題なく処置を行っただけだった。そうすると誰かが死体を盗んだと見られ、しかも「あの死体」が必要な人間の仕業ではないかと考えられた。
被害者の持ち物を調べたところ、航空会社のナプキンにジャシンダ・エンドレールという女性の電話番号が書かれたメモを持っていた。その女性によると、ビルマイヤーとは飛行機で出会ったがそれっきりだったらしい。ビルマイヤーはセブンヒルズで高校時代の仲間とパーティをするためにベガスにやってきたと言っていたという。

ところがビルマイヤーの遺体は、ベンチに座って葉巻をくわえ、パーティ用の紙ハットをかぶってる状態で発見されたのだった。ロビンスはやっと解剖を行うことができた。
腐臭防止のために消毒薬が降りかけられて、全身松の木の匂いがしていた。高血圧症の心臓血管症が死因で、駐車場で倒れた際に頭を打ったのだった。
遺体はビールを何者かに無理やり流し込まれて、肺に泡が溢れていた。
紙ハットから検出した指紋は、プレストン・ヘイバーンという救急隊員と一致した。彼はモルグにも出入りが可能だった。
そして高級葉巻の購入者はチャーリー・ジャクソンという男だったが、彼の住所はビルマイヤーがパーティに行くと言っていたセブンヒルズにあり、ヘイバーンもビルマイヤーも彼の高校の同級生仲間だった。
ジャクソンが言うには、心臓で長くないビルマイヤーのために最後のパーティを開こうと呼び寄せたが、彼は死んでしまった。
そこで駐車場で死ぬなんてかわいそうだと、ヘイバーンに遺体を盗ませ、みんなでにぎやかにビルマイヤーを送ったのだという・・・

【CASE　ケビン・スタインランド】
　現　場　：元ビル・ベネット（ホテルオーナー）所有の草原
　被害者　：ケビン・スタインランド
　関連人物：モーガン・ウェンデル、リアリティショーホストのタッカー
　担　当　：キャサリン、ニック、ウォリック
　背　景　：
　　目隠しした状態の遺体がミステリーサークル上で発見される。
　　うっ血の状態から現場での死亡と判明。現場に足跡なし。
　　衣服には草のシミ、下着には尿が付着。
　　検死解剖中口からサナダムシが出てきたが、死因ではない。
　　擦過傷はあるが深いものではなく、毒物検査も陰性で死因特定不可。

米軍の監視システムにより、死亡推定時刻の現場を見たところ、ヘリがホバリングしていたことがわかる。そのヘリの回転翼の風圧により、ミステリーサークルが出来たのではないかと見られた。
そのヘリの持ち主は、ヘリコプターツアーのモーガン・ウェンデルだった。彼はすべて供述するからと訴追の免除を申し出てきた。モーガンとケビン、そしてリアリティショーのホストのタッカーらが番組の撮影をしていての事故だったというのだ。
撮影していたカメラマンが提供したビデオに映っていたのは、タッカーがケビンに目隠しさせて「３００メートルの高さから落とす」と嘘をついて、ヘリを１メートルの高さにつけ、そこから落としたのだが、ケビンは恐怖で失禁し、落ちた瞬間に心臓発作を起こしたという一部始終だった。
しかし、タッカーらはケビンが動かないと見ると彼を置き去りにして逃げたのだった。それは第二級殺人に問われるに充分だった・・・

----------------------------------------------------------------------

【　ト　リ　ビ　ア　】

★　死体とパーティ
元ネタは「バーニーズ あぶない！？ ウィークエンド」かも。
以前一度見たことがあるのだが、まじめな人はどう笑っていいのか困るであろう微妙なこの作品、今はビデオのみで、日本語版のＤＶＤ化はされていないようだ。

Weekend at Bernie'sAndrew McCarthy Jonathan Silverman Ted Kotcheff Artisan Entertainment 1996-04-23by G-Tools

★　シアン化合物と劣性遺伝
まとまった説明がなくて諸説紛々な感じだったのだが、要するに、シアン化合物を嗅ぎ分ける嗅覚は伴性劣性遺伝によって遺伝するので、男性のみにその能力が発揮されるもの。
しかも２０～４０％がその能力を欠く、ということらしい。ホッジスはけっこうレアな能力の持ち主のようだ。よく刑事ものとかでは、アーモンド臭をさくっと嗅ぎ分けていたりするのだが・・・


【　脇俳優チェック　】

◆トリップの父　....　Casey Biggs
オフィシャルサイトあり。70年代から舞台に映画、テレビにと活躍しているベテラン俳優。
「ＣＳＩ：マイアミ」第1シーズン14話「目には目を」に、かつて妻をレイプした男（妻は自殺）が妻と同じ手口で暴行され死亡していたために、容疑者として名前が挙がったディーン・ジョンソン役で登場していた。
「スタートレック ＤＳ９」ではダマール役。

◆ジャシンダ・エンドレール　....　Jennifer Blanc
消えた遺体ビルマイヤーに電話番号をナプキンに書いてあげたブロンド女。オフィシャルサイトあり。
「ダークエンジェル」ではマックスのルームメイト、ケンドラ役でレギュラー。なぜか「日本語を教えている・通訳」という設定になっているため、突っ込みどころが多いキャラ。
「サンフランシスコの空の下」では第1シーズンにケイト役で8エピソードに出演している。

◆消えた遺体ジェームズ・ビルマイヤー　....　Regan Burns
俳優の傍らドッキリ番組などの司会をやっていたりする、マルチタレント。
「ＦＢＩ～失踪者を追え３」2話に登場予定。

◆トリップに遊ばれた大学寮の寮長スーザン　....　Alexandra Lydon
「２４」第3シーズンで、テロリストのスティーブン・サンダース（Paul Blackthorne：「ＥＲ」第10シーズンで、コーディに二股かけられたドクターローソン）がミシェルを人質にとったために、対抗策としてジャックが拘束したスティーブンの娘ジェイン・サンダース役を演じていた。
「ＣＳＩ：マイアミ４」6話と15話、「デスパレートな妻たち２」2話、「ＦＢＩ～失踪者を追え３」19話など、今後見かける機会が多い女優さん。

◆トリップの母　....　Katie Mitchell
「コールドケース２」6話「デビルズプール」では冒頭の教室のシーンに登場する、四人の少女の学校の先生役。
「アリーｍｙラブ」第1シーズン11話「銀の鐘」で、妻妾同居の3人の結婚を認めてほしいと訴えた弁護士のホートン夫妻の、第二夫人で弁護士のパティ・ホートン役。
「ＥＲ」では第11シーズン19話「10年前の悪夢」（8月7日放送予定）、21話「愛の決意」にシェリー役で登場予定。「ＢＯＥＮＳ」第1シーズン20話、「ＦＢＩ～失踪者を追え４」7話と、今後見かける機会が多い。
夫は「ＣＳＩ：マイアミ」でカリーにちょっかいを出して、第3シーズン後半少しいい雰囲気になったＦＢＩ捜査官エリオット役のMichael B. Silver。（私は密かに「でかっ鼻」と呼んでいる）

◆大学寮で死んでいた青年トリップ　....　Ross Thomas
オフィシャルサイトあり。「コールドケース２」13話「マシンガン」で、銃の試し撃ちで馬を殺した青年ピート役で登場していた。また同じ放送日のコールドケースとＣＳＩの二時間続きキャスト。
「ＣＳＩ：ＮＹ２」3話に登場予定。新しいところでは、６月から全米で放送されているハワイを舞台にした青春サーフィンドラマ「Beyond the Break」（テーマ曲が日本でも人気のウクレレ奏者ジェイク・シマブクロらしい。これは日本でも早晩放送されそうな予感）にレギュラー出演しており、ドラマのヒットいかんによってはブレイクも？

◆ポーラの母　....　Kim Johnston Ulrich
80年代からテレビメインで活躍している女優さんで、出演作多数。ソープオペラ「Passions」のレギュラーなので「お茶の間」的知名度が高いのだろう。
「新スーパーマン」のパイロットに、宇宙ステーション「プロメテウス」を失敗させようとしている科学者ベインズ博士役で登場している。

◆早番の男　....　Jon Wellner
サラに「早番じゃないの？」と言われていた、死因を二酸化炭素中毒だと解明した男。ラボのひとなのか、捜査官なのかは不明。
14話「もの言わぬ反逆者」では警官役？で登場していたが、このエピソードからは役名もヘンリー・アンドリューズに変わって登場。第6シーズンからは頻繁に出演するようになる。