バートレット大統領の任期が終わり、サントス新大統領の就任式の日がとうとう訪れた。
去る者はホワイトハウスからの退去の準備に追われ、新たにスタッフとなる者たちは期待に胸を膨らませていた。
バートレットの最後の仕事は恩赦リストへのサインだったが、CJはそこに新しく追加された名前を見て驚く。しかし、フィダラーに急かされてもバートレットはなかなかサインしようとしない。
そんな中、レオの娘マロリーが荷物を整理していて見つけたというものを、「大統領にお返しすべきかと」とCJに持ってくる・・・
-------------------------------------------------------------
とうとう最終話。
NHKでの放送が打ち切りになった時、「絶対に最後まで見たい」と思ったものだが・・・まさか本当に最後まで見られるとは思わなかった。ほとんど諦めそうになったこともあったが、ここまでたどり着くことができて本当によかった。
スパドラさんありがとう。心から感謝しています。
ドラマ自体のすばらしさもあるけれど、レオの死というショッキングな引き金による終了であったことと、日本での放送の紆余曲折があったことで、特に思い入れが深い一本になってしまった。
ことに、この最終話については一つ一つ語りたいことが多すぎて・・・
行く人来る人・・・行く人からの置き土産の本当の意味に気づくのは、自分がそこを去る時なのかもしれない。
緊張をほぐすためにジョークを飛ばしあう若き新大統領夫妻、それに対して去っていく老いたバートレット夫妻の対比・・・
「ジェド、やり遂げたわね、最後まで・・・」
アビーのその言葉に、バートレットの8年間が実に命がけのぎりぎりのものだったことに気づかされる。暗殺あり、持病隠しあり、暗殺あり、娘の誘拐あり、一度はその座を辞すという事態まで発生した。
自力で歩くこともできないような状態になっても、それでもバートレットは大統領として全力で国のために尽くしてきた8年間だった。
だからこその達成感。
そして、その原点となったレオの走り書きの文字・・・
バートレットにとってこれは終わりではなく、再びの「始まり」なのだ。
サントスは、去っていくバートレットからどんな言葉を受けたのだろう。
彼が4年後か8年後にホワイトハウスを去る時、それはバートレットがホワイトハウスに入ったときよりもずっと若くしての引退になるのだな。
本当にサントスは若い。先輩面してあれこれアドバイスと薀蓄を語るバートレットに対して、「ケネディには負けます」と言ってのけるくらいに若い。「大統領には負けます」とお世辞を言うのではなく、ライバルはケネディですからと切って捨てたにも等しい大胆発言。しかもそれ2回言うし。その若さがこの先政権にどう影響してくるのか。ホワイトハウスに入ったスタッフたちは誰も皆若い。レオが重しとなるはずだったが・・・
トビーの恩赦に肩の荷を降ろしたCJ。最後は古巣のプレスルームで長年の勤めを振り返るところがいい。やはり報道官はCJが一番さまになっていた。「CJ!CJ!CJ!」という、あのプレスの叫び声が懐かしい。
一歩外に出たら、もう表情がやわらかくなっていた・・・今シーズン1話目の幸せそうな笑顔へとつながる一歩だ。
ほかのメンバーも、やめたら何をしていいかわからず、とりあえず映画でもというあたりがちょっぴり切ない。忙しくしていないと自分じゃない状態なのだろう。そしてウィルもチャーリーも物好きだからまたホワイトハウスを目指そうとするのだろう。
チャーリーは、以前にもバートレットからプレゼントをもらっていたが・・・ますます「息子」として、バートレットの思いを受け継いでいくことになりそうだ。
それぞれが「次」へ向かっての始まりだ。
そう、終わらない。新しく次へと続いていく。
「次は何だ」なのだ。それを言うのがサントスになって、変わらない、でも変わっていく。
レオなら、その言葉を言うバートレットをとろけそうな笑顔で見ほれてみせたものを、ジョシュは・・・なんでしょうあの何考えてるんだかわからない表情は。
でもそれがジョシュなのだ。そして新しい物語が始まる。
ロナがフィダラーさんの場所に、チャーリーの部屋にはブラムが。アナベスはどうなるかと思ったが、ファーストレディの広報担当としてホワイトハウスに復帰した。
そして・・・ドナは念願の自分のオフィスを手に入れた。この7年間、ドナの成長物語を見守ってきた人たちにはできすぎの感すらあるラストだろう。ジョシュのもとに飛び込んで保護されて守られていたところから、羽ばたこうとして傷つき、それでも自分の力で飛んだドナ。
本当にこれからのドナが楽しみなところだったのになぁ。(ちょうど今、これを書いているところで、ドナがDr.HOUSEに出ている再放送が)
それにしても、討論会の時も「まるで本物」だったのだが、就任式もまた再現力がすごかった。サントスの演説を聞きたったが、通常相当長いらしいのでそれは無理だったのだろう。
大統領執務室のセットは、今「Heroes」で使われているそうなのだが・・・今回出てきたファーストレディのオフィス周辺なんて、今まで出てきたことがないのに、今回だけのためにあんなにきっちり再現したのだろうか。
「ファーストレディの補佐官のオフィス」なんて、この先ドラマで使われそうもないシチュエーションなのに。なんて贅沢な。
本当に中身が詰まった贅沢なドラマだった。この先、こんなドラマにまた出会えるだろうか・・・
「次は何だ?」
(余談:さっきIMDbを開いたら、トップページにレオが微笑んでいた。12月20日はJohn Spencerの誕生日だった。命日より誕生日を祝い続けたい名優だった。素晴らしい作品をありがとう)
【 ト リ ビ ア 】
★ レオの遺品
マロリーがCJに持ってきて、バートレットに渡されたものは、レオが自筆で「バートレットを大統領に(Bartlet for America)」としたためたナプキン。
第3シーズン9話「苦い過ち」(原題「Bartlet for America」)で、バートレットの多発性硬化症隠蔽について行政監視委員会の聴聞会が行われ、バートレットの出馬の経緯についてレオに聴取した中の回想シーンで、レオがバートレットに出馬を促した最初がこのナプキン。
★ 就任式典の音楽
歌っているのは、ブルースシンガーのKeb"Mo"。曲は、アメリカ愛国歌「America The Beautiful」。
★ アーロン・ソーキン
この最終話、ソーキンがゲスト出演しているというので、探してみた。Keb"Mo"の歌の時、人々の顔が順番に出てくるが、アナベスが映った後にワンショットアップで映っているのが多分そうだと思う。
★ 最高裁長官
就任の宣誓は最高裁長官が行うのが慣例だが、現時点でのドラマの中の長官は、第5シーズン17話「最高裁長官」でバートレットが指名したグレン・クローズ演じるエヴリン・ベイカー・ラングだ。しかし、映っていたのは後ろ姿だけだったが、あれはグレン・クローズではない別の女優さん(Ann Ryerson)だ。
最後に出てくれてもいいのに。ザ・シールドの出演は終わってた時期みたいだけど、当時は映画撮ってたのかな。
【 脇俳優チェック 】
◆ホワイトハウススタッフのナンシー .... Renee Estevez
オフィシャルサイトあり
最後にスタッフにバートレットがひとりひとり言葉を掛けるシーンで、「お母さんはどうかね」と聞かれていた女性スタッフ。
第1シーズンからずっと長くアシスタント役で時々登場していた彼女だが、実はマーティン・シーンの実娘で、チャーリー・シーン、エミリオ・エステベスらの妹。
◆記者のスティーブ .... Charles Noland
プレスルームでCJにトビーの恩赦についての感想を求めた記者。ホワイトハウス番記者として第1シーズンからずっと出演している。
「ER」では第2シーズンから第3シーズンまで雑用のイーレイ役で、その多才さで笑いを取っていた。
「コールドケース」第1シーズン14話「箱」では、被害者の遺体が入っている箱を発見した大学生ウォルター・ラファティの現在版を演じている。
◆ホワイトハウススタッフのエド .... Peter James Smith
ラリーとのコンビ芸で1話目からずっと出演していた。
「CSI:マイアミ」第6シーズン17話「ティファニーのお仕置き」では、「ネットで子供を狙う男たち」という番組で小児性愛者をおびき出すため、架空の少女ティファニーになりすましてチャットしていた番組スタッフのルー役。
「名探偵モンク」第4シーズン14話(NHK放送順による 実際は第5シーズン15話)「予告殺人」では、ハイテク捜査でモンクたちを圧倒したFBI捜査官のひとりで登場している。
「フレンズ」第7シーズン23、24話「ベスト“フレンズ”ウエディングPart1,2」では、ジョーイが出演する戦争映画の助監督役。ゲイリー・オールドマン演じる酔っぱらい俳優リチャードをジョーイに紹介する。
去る者はホワイトハウスからの退去の準備に追われ、新たにスタッフとなる者たちは期待に胸を膨らませていた。
バートレットの最後の仕事は恩赦リストへのサインだったが、CJはそこに新しく追加された名前を見て驚く。しかし、フィダラーに急かされてもバートレットはなかなかサインしようとしない。
そんな中、レオの娘マロリーが荷物を整理していて見つけたというものを、「大統領にお返しすべきかと」とCJに持ってくる・・・
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とうとう最終話。
NHKでの放送が打ち切りになった時、「絶対に最後まで見たい」と思ったものだが・・・まさか本当に最後まで見られるとは思わなかった。ほとんど諦めそうになったこともあったが、ここまでたどり着くことができて本当によかった。
スパドラさんありがとう。心から感謝しています。
ドラマ自体のすばらしさもあるけれど、レオの死というショッキングな引き金による終了であったことと、日本での放送の紆余曲折があったことで、特に思い入れが深い一本になってしまった。
ことに、この最終話については一つ一つ語りたいことが多すぎて・・・
行く人来る人・・・行く人からの置き土産の本当の意味に気づくのは、自分がそこを去る時なのかもしれない。
緊張をほぐすためにジョークを飛ばしあう若き新大統領夫妻、それに対して去っていく老いたバートレット夫妻の対比・・・
「ジェド、やり遂げたわね、最後まで・・・」
アビーのその言葉に、バートレットの8年間が実に命がけのぎりぎりのものだったことに気づかされる。暗殺あり、持病隠しあり、暗殺あり、娘の誘拐あり、一度はその座を辞すという事態まで発生した。
自力で歩くこともできないような状態になっても、それでもバートレットは大統領として全力で国のために尽くしてきた8年間だった。
だからこその達成感。
そして、その原点となったレオの走り書きの文字・・・
バートレットにとってこれは終わりではなく、再びの「始まり」なのだ。
サントスは、去っていくバートレットからどんな言葉を受けたのだろう。
彼が4年後か8年後にホワイトハウスを去る時、それはバートレットがホワイトハウスに入ったときよりもずっと若くしての引退になるのだな。
本当にサントスは若い。先輩面してあれこれアドバイスと薀蓄を語るバートレットに対して、「ケネディには負けます」と言ってのけるくらいに若い。「大統領には負けます」とお世辞を言うのではなく、ライバルはケネディですからと切って捨てたにも等しい大胆発言。しかもそれ2回言うし。その若さがこの先政権にどう影響してくるのか。ホワイトハウスに入ったスタッフたちは誰も皆若い。レオが重しとなるはずだったが・・・
トビーの恩赦に肩の荷を降ろしたCJ。最後は古巣のプレスルームで長年の勤めを振り返るところがいい。やはり報道官はCJが一番さまになっていた。「CJ!CJ!CJ!」という、あのプレスの叫び声が懐かしい。
一歩外に出たら、もう表情がやわらかくなっていた・・・今シーズン1話目の幸せそうな笑顔へとつながる一歩だ。
ほかのメンバーも、やめたら何をしていいかわからず、とりあえず映画でもというあたりがちょっぴり切ない。忙しくしていないと自分じゃない状態なのだろう。そしてウィルもチャーリーも物好きだからまたホワイトハウスを目指そうとするのだろう。
チャーリーは、以前にもバートレットからプレゼントをもらっていたが・・・ますます「息子」として、バートレットの思いを受け継いでいくことになりそうだ。
それぞれが「次」へ向かっての始まりだ。
そう、終わらない。新しく次へと続いていく。
「次は何だ」なのだ。それを言うのがサントスになって、変わらない、でも変わっていく。
レオなら、その言葉を言うバートレットをとろけそうな笑顔で見ほれてみせたものを、ジョシュは・・・なんでしょうあの何考えてるんだかわからない表情は。
でもそれがジョシュなのだ。そして新しい物語が始まる。
ロナがフィダラーさんの場所に、チャーリーの部屋にはブラムが。アナベスはどうなるかと思ったが、ファーストレディの広報担当としてホワイトハウスに復帰した。
そして・・・ドナは念願の自分のオフィスを手に入れた。この7年間、ドナの成長物語を見守ってきた人たちにはできすぎの感すらあるラストだろう。ジョシュのもとに飛び込んで保護されて守られていたところから、羽ばたこうとして傷つき、それでも自分の力で飛んだドナ。
本当にこれからのドナが楽しみなところだったのになぁ。(ちょうど今、これを書いているところで、ドナがDr.HOUSEに出ている再放送が)
それにしても、討論会の時も「まるで本物」だったのだが、就任式もまた再現力がすごかった。サントスの演説を聞きたったが、通常相当長いらしいのでそれは無理だったのだろう。
大統領執務室のセットは、今「Heroes」で使われているそうなのだが・・・今回出てきたファーストレディのオフィス周辺なんて、今まで出てきたことがないのに、今回だけのためにあんなにきっちり再現したのだろうか。
「ファーストレディの補佐官のオフィス」なんて、この先ドラマで使われそうもないシチュエーションなのに。なんて贅沢な。
本当に中身が詰まった贅沢なドラマだった。この先、こんなドラマにまた出会えるだろうか・・・
「次は何だ?」
(余談:さっきIMDbを開いたら、トップページにレオが微笑んでいた。12月20日はJohn Spencerの誕生日だった。命日より誕生日を祝い続けたい名優だった。素晴らしい作品をありがとう)
【 ト リ ビ ア 】
★ レオの遺品
マロリーがCJに持ってきて、バートレットに渡されたものは、レオが自筆で「バートレットを大統領に(Bartlet for America)」としたためたナプキン。
第3シーズン9話「苦い過ち」(原題「Bartlet for America」)で、バートレットの多発性硬化症隠蔽について行政監視委員会の聴聞会が行われ、バートレットの出馬の経緯についてレオに聴取した中の回想シーンで、レオがバートレットに出馬を促した最初がこのナプキン。
★ 就任式典の音楽
歌っているのは、ブルースシンガーのKeb"Mo"。曲は、アメリカ愛国歌「America The Beautiful」。
★ アーロン・ソーキン
この最終話、ソーキンがゲスト出演しているというので、探してみた。Keb"Mo"の歌の時、人々の顔が順番に出てくるが、アナベスが映った後にワンショットアップで映っているのが多分そうだと思う。
★ 最高裁長官
就任の宣誓は最高裁長官が行うのが慣例だが、現時点でのドラマの中の長官は、第5シーズン17話「最高裁長官」でバートレットが指名したグレン・クローズ演じるエヴリン・ベイカー・ラングだ。しかし、映っていたのは後ろ姿だけだったが、あれはグレン・クローズではない別の女優さん(Ann Ryerson)だ。
最後に出てくれてもいいのに。ザ・シールドの出演は終わってた時期みたいだけど、当時は映画撮ってたのかな。
【 脇俳優チェック 】
◆ホワイトハウススタッフのナンシー .... Renee Estevez
オフィシャルサイトあり
最後にスタッフにバートレットがひとりひとり言葉を掛けるシーンで、「お母さんはどうかね」と聞かれていた女性スタッフ。
第1シーズンからずっと長くアシスタント役で時々登場していた彼女だが、実はマーティン・シーンの実娘で、チャーリー・シーン、エミリオ・エステベスらの妹。
◆記者のスティーブ .... Charles Noland
プレスルームでCJにトビーの恩赦についての感想を求めた記者。ホワイトハウス番記者として第1シーズンからずっと出演している。
「ER」では第2シーズンから第3シーズンまで雑用のイーレイ役で、その多才さで笑いを取っていた。
「コールドケース」第1シーズン14話「箱」では、被害者の遺体が入っている箱を発見した大学生ウォルター・ラファティの現在版を演じている。
◆ホワイトハウススタッフのエド .... Peter James Smith
ラリーとのコンビ芸で1話目からずっと出演していた。
「CSI:マイアミ」第6シーズン17話「ティファニーのお仕置き」では、「ネットで子供を狙う男たち」という番組で小児性愛者をおびき出すため、架空の少女ティファニーになりすましてチャットしていた番組スタッフのルー役。
「名探偵モンク」第4シーズン14話(NHK放送順による 実際は第5シーズン15話)「予告殺人」では、ハイテク捜査でモンクたちを圧倒したFBI捜査官のひとりで登場している。
「フレンズ」第7シーズン23、24話「ベスト“フレンズ”ウエディングPart1,2」では、ジョーイが出演する戦争映画の助監督役。ゲイリー・オールドマン演じる酔っぱらい俳優リチャードをジョーイに紹介する。