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バンダジェフスキー『放射性セシウムが人体に与える医学的生物学的影響』短評

2012年10月18日 | 東日本大震災・原発事故
以下の文章は、ユーリ・バンダジェフスキー『放射性セシウムが人体に与える医学的生物学的影響: チェルノブイリ・原発事故被曝の病理データ』について「読書メーター」に載せた感想です。

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扱いが難しくわかりにくい本だが、これを読んでも「チェルノブイリでは甲状腺がんしか増加せず、セシウムでは何の健康障害も生じなかった」という公式の説をそのまま信じていられるなら、よほど楽天的か、よほど疑い深いか、あるいは疑いを知らないかのいずれかであろう。

確かにn数もエラーバーもないし、有意差があるのか傾向なのかも記載がないことが多く、ときに断定的であり、万人にお勧めの本とは言えない。

しかし、おおまかな傾向としては数十ベクレル/kgの蓄積があれば何らかの臓器や機能の異常が出てくると推測できそうだ(何ベクレルなら大丈夫かはわからない)。

1日1Bq摂取すると200Bq(20kgの子で10Bq/kg)まで蓄積されて平衡に達するとされているので、新基準値などは問題外で可能な限りベクレルフリーを目指すべきだろう。

(7/10)

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