踊る小児科医のblog

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都道府県別喫煙率(2016年):青森県は男性・女性・男女総合ともに銀メダル(2位)に

2018年05月31日 | 禁煙・防煙
昨年(2017年)公表された都道府県別喫煙率(2016年)。3年毎の国民生活基礎調査のデータですが、過去2回(2013、2010)はいずれも男性1位、女性2位、男女総合2位。
(銀、金、銀メダル)



今回、佐賀が停滞したため男性の連続金メダルの記録は途絶え、男・女・合計ともに銀メダル(2位)ということで覚えやすくなりました。

上位(ワースト)は、北海道、青森、佐賀の争いで、岩手・福島の東北勢がしぶとく実力を発揮。

下位(ベスト)の京都・奈良とは男性で依然として10%近くの大差。(わずかに縮まったとは言え)

都道府県別喫煙率(国民生活基礎調査)
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/smoking.html

都道府県別喫煙率をグラフ化してみる(国民生活基礎調査) 2017/07/10
http://www.garbagenews.net/archives/2185244.html
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都道府県別の健康寿命(2016年) 青森県男性は健康寿命34位、闘病期間1位(最短)

2018年05月30日 | 禁煙・防煙
2016年の都道府県別の健康寿命が発表になっています。
青森県
男性 健康寿命34位 制限期間1位(最短)
女性 健康寿命20位 制限期間4位
この結果は、発見時に手遅れで、見つかってから早期に亡くなってしまう人が多い結果だろうと予想したのですが、他の都道府県との比較が数字だけではわからないので、散布図にしてみました。




全体として、男女とも右肩下がりに分布している。
散布図の右上の方が平均寿命が長く、左下の方が短かい。
(わかりやすくするための赤の補助線を入れてみました=当初の図の補助線がいい加減だったので、正確なものに差し替えました)
そして、青森県、特に男性は左下の飛び地。
健康寿命ビリの秋田県は、闘病期間が少し長いので、全国の集団からさほど離されないで済んでいる。

この「健康寿命」「闘病期間」と「平均寿命」の関係については様々な要因がありそうなので、専門家の見解を知りたいところですが、これを見ると男女とも長野県は健康寿命は中位で、その中で闘病期間が比較的長めなので、平均寿命が長くなっていると読めます。
これが早期発見の結果なのか。

逆に青森県は男女とも闘病期間が短かいのは、手遅れが多いからなのか。
(このグラフからはそう推測されますが)

むしろ、長野県よりも、山梨県(男性)や愛知県・三重県(女性)などを参考にした方が良いのではないか。
とも思えます。
「長野県長寿神話」を過信していた可能性は?
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年代別喫煙率1965-2017(JT調査)と青森県の男女喫煙率(2016)

2018年05月29日 | 禁煙・防煙
2017年までの数字ですが、JT調査による年代別喫煙率のグラフです。
(2018年版は7月に発表される予定)


県民健康・栄養調査(2016年)によると、青森県の男性は33.6%、女性は11.5%となっていますが、実際にはそんなもんじゃない。
小中高生の親の喫煙率は父親が5割強、母親は約1/4となってます。グラフ右側の水色の丸(青という文字)がそれです。

男女合計(全国)では2015年から20%を切り、2017年には初めて2000万人を切っています。
(まだそんなにいるのかとうんざりしますが)
このトレンドに、加熱式タバコがどう絡んでくるかが問題です。

受動喫煙防止法・条例ばかり注目されますが、喫煙率ゼロのために最も効果的なのは価格政策(大幅増税)です。
なぜ自民党がタバコ税増税に反対しているか理由を知りたい方は、大島議長に聞いて下さい。
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「屋内スケート場での国際大会開催は困難か」(2018.4.3 地方紙投稿欄掲載)

2018年04月03日 | 禁煙・防煙
#掲載された文章は少しずつ削除・変更があるので、元の投稿文を掲載します。(3/18投稿、4/3掲載)



「屋内スケート場での国際大会開催は困難か」

 日本選手の活躍にわいた平昌五輪・パラリンピックも幕を閉じ、次は八戸市で建設中の屋内スケート場において、世界トップ選手の競技を間近に観戦したいと期待されている向きも多いかと思う。しかし、現状では国際大会の開催は困難ではないかと危惧している。

 近年の五輪開催国である韓国、ロシアなどでは法律により受動喫煙防止対策が徹底しているが、東京五輪開催に向けて閣議決定した健康増進法改正案では、半数以上の飲食店において喫煙が可能になると伝えられている。

 東京都では、国より厳しい条例の制定を準備しており、詳しい内容は未公表だが、国際条約で求められている「例外なき屋内全面禁煙」までは達成できない情勢のようだ。

 一方、八戸市や青森県では条例制定の動きはなく、その必要性も議論されていない。

 昨年、世界選手権の招致が不首尾に終わり、その次の世界ジュニア選手権招致に向けて、宿泊施設の禁煙室の確保が課題だと報じられた。しかし、問題は客室だけでなく、飲食店などを含めた屋内全面禁煙が、国際大会の開催に必要とされる水準ではないのか。

 おそらく、欧州のライバル都市は国際大会の開催経験があり、屋内全面禁煙も実施済みのはずだ。その中で、開催経験もなく、受動喫煙防止対策が世界最低レベルにある日本の都市が勝ち抜くことは想像しにくい。

 このまま楽観的に構えていたら、国内大会しか開催できない施設になりかねない。
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『風評』なるものは国・福島県・農家・メディアの合作「499ベクレルまで安全」「食べて応援」

2018年03月15日 | 東日本大震災・原発事故
タイトルが全てです。7年目の「3.11」は過ぎましたが、毎年この時期に「風評払拭」「デマ・偏見今もなお」などと書かれた特集記事を見るとげんなりとしてしまう。国民があの時のことを何も覚えていないとでも思っているのだろうか。

唯一の例外がETV特集「忘却にあらがう〜福島原発裁判・原告たちの記録」。
(再放送も終了してしまいましたが、再々放送のリクエストボタンを押しておきました。待てない方は、一時的にどこかに掲載されているかもしれないので、お勧めはしませんが自己責任で探してみてください。)

あの時に、検出限界以下(ND)のみ出荷し、そうでなければ補償と明確な方針を打ち出せば、その後の信用・信頼は全く変わっていたはず。
その反省も謝罪も何もなく、当時予想した通り、福島県内(だけでなく国内・メディア)では「ものを言えない空気」が醸成されてしまった。

私は当時いろいろと調べた結果「子どもは年齢と同じ数字まで」と主張し、ブログや院内報でもお知らせしました。
10歳なら10ベクレルまで、5歳なら5ベクレルまで。

当時書いた文章を探し出して引用しておきます。
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主食の米に500Bq/kgを適用してはいけません。
核実験時のセシウム濃度を見ても、ピークの1963年で平均4Bq/kgであり、最大で10Bq/kgは超えていません。
大潟村あきたこまち生産者協会は基準値を5Bq/kgにすると発表しています。
ウクライナはパン20Bq/kg、ドイツは全ての食品で大人8Bq/kg、子ども4Bq/kgが基準です。
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番組制作者のブログ
toriiyoshiki's Blog
ETV特集「忘却に抗(あらが)う」…今夜23時放送
日付: 3月 10, 2018
http://toriiyoshiki.blogspot.jp/2018/03/23.html
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『核燃サイクル後の未来』 「反核燃」から「ポスト核燃」の現実的議論へ <試論>

2018年03月01日 | 東日本大震災・原発事故
・もう「推進か反対か」という時代は終わった
・こちらから「勝利宣言」を出しても良いのでは

某所で行った議論への投稿が当面使い道のないものになったので、再構成して公開します。
あくまで頭の中をかき回してみた試論で、オリジナルの要素はほとんどないかと思いますが、議論のたたき台として活用してください。

「核燃サイクル後の未来」
「反核燃」から「ポスト核燃」へ

この2つは今回新たに考え出したキャッチフレーズです。
ご自由にお使いいください。

『核燃サイクル後の未来』 <要旨>

1.「反核燃」から「ポスト核燃」へ
 核燃サイクルは頓挫し、事実上勝利している(名目上は政策転換の見込みはないが)。過去の固定的な(人によってはマイナスの)イメージが染み付いた「反核燃」から脱却し、より前に進んで、「ポスト核燃」(あるいは「核燃サイクル後の未来」)といった新たなキャッチフレーズを提示し、現実的な政策について開かれた議論のテーブルに載せることを目標とすべき。

2.立地自治体への謝罪(国からの)、補償(賠償)や新たな補助金創設、産業転換への支援を
 「雇用と税収」が当面確保されることを保証し、新エネルギーと農業(ソーラーシェアリング)・酪農・漁業を中心に、廃炉・保管産業なども組み合わせて具体的な案を探る。

3.現在保管している核ゴミは中長期的に青森県内で乾式貯蔵を
 脱原発と新たな核ゴミは受け入れないことを条件に、最終処分場における直接処分まで、県内の中間貯蔵施設で保管し、それを立地自治体の収入源とする。(乾式貯蔵への移設が原発の延命手段とならないことを確実に保証する)

<目的>

日本の原子力政策は、青森県や立地自治体(特に六ヶ所村)が変わらないと転換できない。しかし、県や立地自治体は自ら政策転換することが不可能な状況にあり、事業者も含めてどこからも変えられない「三竦み構造」に陥っている。

現在では、地元の首長選(知事選や市町村長選)で、いわゆる「反対派」候補が当選する可能性はゼロに近い。

しかし、選挙を通した議論で、従来の枠組みから数歩進んだ新たなプレゼンテーションを行うことにより、誰が当選するにせよ、結果的に将来の政策に取り入れられていくという計略が考えられないか。

<論考>(順不動で雑駁な思考錯誤)

前回の青森県知事選の際に、大竹進氏は青森県保険医協会会長に在職のまま(←報道の後に辞職)、正式発表前に「反核燃統一候補」というレッテルを貼られて報道された。あの時点で結果は自明であり、初動戦略の失敗だった。

ただし、同氏は「なくそう原発・核燃、あおもりネットワーク」共同代表(※)であり、共闘形態から判断しても「レッテル」は何ら間違っていなかったのだが。。
(医療・福祉・介護の専門家という、県民に最もアピールすべき部分が吹き飛んでしまった)

※このネットワークは、従来の反核燃団体だけでなく、一般の県民なども含めたネットワークを目指して、その結節点となりうる団体として、医師・歯科医師の団体である青森県保険医協会が参画し、共同代表の一翼を担ったはずなのだが、結果的に「ネットワーク」だけでなく、保険医協会まで反核燃団体であるかのように扱われてしまった。

最初の情報の出し方、プレゼンテーションに問題があり、慎重かつ効果的な戦略が必要だった。
私は同氏の立候補情報を知らなかったのだが、残念という気持ちを通り越して、その時点で数歩引いてしまった。結果的には、それでも健闘したと言えるのかもしれないが。

言葉やイメージは大事で、良くも悪くもメディアを利用しないと舞台に登ることすらできない。小池百合子の成功と失敗に学ぶべき。
「反核燃」イコール「雇用や税収を奪う」「非現実的」と認識されているのだから。

少なくとも、立地自治体の外から来る「反対派」は、地元の方たちから嫌われているという現状認識からスタートしないと、議論のテーブルに着くことすらできない。

新しいキャッチフレーズを考えてみた。
「反核燃」から「ポスト核燃」へ
…今さら反対しなくても動かないのは明らかなのだから。

もう一つ、同じ意味ですが、
「核燃サイクル後の未来」

「反核燃」ではなく「ポスト核燃」に変えたと言えば、反対をやめたのか(負けを認めたのか)と言われるかもしれないが、その正反対で、向こうが負けを認めなくても、実質的にもう動く見込みがないのだから、今更20年前と同じ構図で争う意味はなく、現実を認めて前に進むべきという意味。

こちらから「勝利宣言」を出しても良いかもしれない。
(核燃サイクルが頓挫していることの論証は省略)

「核燃反対」ではなく「推進か反対かの時代は終わった」と言えば、メディアや一般の県民も「何だろう?」と耳を傾けるし、「核燃サイクル後にお金も雇用も確保される、むしろそちらの方が得だ」という現実的な「未来」を提示すれば、内心では核燃サイクルは動かないのではないかと危惧している地元の方たちの理解も得られるはず。

要は「お金と雇用」の問題。地元の首長や議員が推進の堅持を主張しているのも、それしか生きて行く道がないと思っているから。しかし、このままだと「核燃サイクルは中止しないが再処理工場は動かず、核ゴミは貯まったままプールで冷やし続ける」というディストピア的な近未来像が現実的。

具体的には、
・中間貯蔵施設の建設と核ゴミの移設(場合によってはむつ市などと折半)
・核ゴミ保管による核燃料税の確保
・国からの中止に伴う補償措置と新産業転換(地元資本による再エネ産業)
・日本原燃の存続(あるいは改組)と雇用を保証すること

場合によっては、中レベル廃棄物(廃炉廃棄物)を実証施設として<一部>受け入れることも「生き残り策として」考慮すべきかと。

いま、原発・核燃推進派が2割、反対派が2割、残りの6割は中間派だと言われています(選挙における自民支持、野党支持、無党派層の割合も同様)。
推進・反対の論争に距離を置いている中間派(その多くは穏健で現実的な保守派)の理解を得られなければ何も変わらない。
(立地自治体では明らかな反対派はおそらく1割もいない)

なので、「6割」の普通の住民の一人でも二人でも、(こちらの話を聞いてもらうのではなく)対話してお話を伺っていくことが必要になってくる。

例えば、自然エネ100%以上という政策を掲げたとしても、六ヶ所村などでは既に実現しているはずだが、地元資本ではないのが問題。
地元住民と企業が出資した市民エネルギー会社(飯舘村などを参照)も考えらえるが、地元企業の動向・意向などが把握できていなければ、机上で考えても実のあるものにはならない。

極端な話、再処理工場がずっと稼働しなくても、安全対策の工事や維持管理などで地元の企業が成り立っていき、自治体の政策に不満がないのであれば、外から考えたり口を出したりしても意味がない。
(それは永遠には続かないのだから、その間に転換が必要なのだが)

この提言で重要な部分は、再処理せず直接処分を前提とした乾式中間貯蔵施設の建設と移設、つまり、最終処分場が出来るまで(多分私たちが生きてる間には出来ない)、県内に核のゴミを置き続けるという点です。

場合によっては再処理中止の明言がなくても、新たな核ゴミ搬入は中止するという条件で、「安全のため」という名目で中間貯蔵施設への移設を進めることも想定している。

「最終処分場を県外にする」という線は当面譲らないで、核ゴミの中間貯蔵施設にするということで考えていかないと、原発ゼロは実現しません。

日本原燃の存続または改組の意味は、核ゴミ管理および廃炉産業としての道です。

上記の2点(反核燃の言葉を取り下げる/核ゴミ当面存置)について、従来の「反核燃派」の方々に受け入れられるとは思っていませんが、2014年末の講演会で、先月急逝した吉岡先生に質問したところ、そのレベルの議論は既に済んでいるという印象でした。立憲民主党や原子力市民委員会との連携には、現実路線が必須です。

立憲民主党、小泉氏の原自連、原子力市民委員会が1月から協議しているので、その三者と連携して、整合性のある政策を立てる。その上で候補の出馬表明をするなら、注目を集めるかと思います。

『原発ゼロ社会への道』(原子力市民委員会)と、
鈴木達治郎先生の『核兵器と原発 日本のジレンマ』も必読です。

(参考=当ブログ内)
電力切替えで原発推進の東北電力から脱却を(青森県保険医新聞掲載) 2018年02月02日
https://blog.goo.ne.jp/kuba_clinic/e/1b6f2fd231985dc6d677fbe469837f58
(鈴木氏講演要旨、著作、市民委員会、原自連、立民党などへのリンクも掲載)

いわゆる「再処理永続法(2016年)」の附帯決議も読み直してみる。
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_rchome.nsf/html/rchome/Futai/keizaiA434A071B3E18FCE49257F9C00271C6D.htm
法的拘束力はないが、この文面をみてみると、原子力委員会の判断が再処理稼働を制限(あるいは凍結)するかどうか、決め手になってくるように思える。

日米原子力協定自動延長が報じられているが、米国中間選挙後に、民主・共和両党の勢力図の変化や、各党の議員の動向によって、再処理に厳しい制限が課される可能性がないかどうか、探っていきたい。

立憲民主党のタウンミーティングは、東北では2月11日(日)郡山市だけでした。可能なら出席して意見交換できれば良かったのですが。
(県内には立憲民主党の組織も人材もゼロですから)
立憲民主党 | 「原発ゼロ基本法タウンミーティング」のお知らせ
https://cdp-japan.jp/news/929


立憲民主党の原発ゼロ法案(上記ページに掲載)に対する原子力市民委員会の意見は、こちらに掲載されています。
「立憲民主党エネルギー調査会・原子力市民委員会 対話集会」(2018/1/23)
・原子力市民委員会の基本認識
・立憲民主党「通称:原発ゼロ基本法案(骨子案)」についての意見
http://www.ccnejapan.com/?p=8424

もし県内立地自治体での首長選を考えるなら、
1)「政策」
2)「戦略・戦術」
3)「実務」
のそれぞれについて、最初から最後まで徹底的に動けるブレインが必要ではないか。

具体的には、
・地元自治体出身者、できれば在住者(様々な立場)
・自治体の予算・決算や政策を読んで解析できる人
・自治体の実務経験者、地元自治体の職員・元職員(匿名協力者)
・イベント、広告関係者など
・大学やNPOなどで地方自治や地域起こしの活動に携わっている人
・地方議員・元議員
・選挙実務経験者※
などの方たちの協力・参画を考えていかないと。

地元自治体の財政・予算・政策課題などを把握した上で、例えば二十項目くらいの実現可能な政策を提案できるなら別ですが、それなしに小泉元首相一人を呼んだとしても、大勢には影響しないでしょう。

無論、ここに書いたような戦略や人材を集積することができて、安部自民党が泡吹いて(息子である)小泉進次郎を送りつけてくるような状況をつくらないと意味がありません。

※例えば立憲民主党の東北3議員(うち2名は比例議員)およびその秘書などはどうか
山崎 誠(横浜市在住)
http://www.yamazakimakoto.jp/profile
岡本あき子(宮城1区)
http://okamotoakiko.net/
https://www.facebook.com/okamotoakikoofficial/
阿久津 幸彦
https://ameblo.jp/akutsu0626

従来の、反核燃団体、共産・社民・労組といった「反核燃」の枠組みを否定するわけではないが、それだけだと「1割以下」を「2割」に近づけるだけ。(実際、大竹先生は25%程度で「健闘」したと言える)

「6割」の一般住民の方に自分自身のリアルな将来を考える選択肢に残るためには、上記のような内外の幅広い勢力と協力者の参画が絶対的に必要。

青森県内の民進党に対して、何らかの期待をいだくことはできない。民進党の原子力政策が一貫したものでないのは、そういう党だし、だからこそ分裂して迷走している。

田名部匡代氏(参院民進党)は、内心まで核燃推進か現状維持なのかはわかりませんが、独自に反対またはポスト核燃といった意見を表明して活動していただける人ではないと思う。

父の匡省氏は核燃サイクル招致の際に地元に強力に働きかけた張本人ですから、匡代氏が「核燃サイクル後の未来」への政策転換について主体的に取り組んでもらえる可能性は非常に低い。

一昨年の参院選と昨秋の衆院選の経緯は以下の通り。
参院選で田名部氏が野党4党統一候補になったのは、他の野党や市民団体が安倍政権打倒のため「脱原発・反核燃」を封印して応援するという苦渋の選択だったはず。

その結果として当選したのに、多くの有権者の投票行動(主権の行使)を裏切って、衆院選で「希望」に寝返った。(だから衆院選で共産に対立候補を立てられて全敗した)
その際に、メールで一度やりとりしましたが、公的には他の野党なり県民に謝罪や仁義はなかったはず。

田名部氏については、本人がこれらの根本的な問題について解決しようという気がないことは明らかであり、政治家としては今回の選択ミスが命取りではないか。

万が一、田名部氏がこの問題に主体的に取り組んでもらったとしても、結果として「田名部vs大島・三村」の旧来の構図にされてしまったら、かえって有害無益となる。

民進党ではなく民主党政権の時に馬淵氏が主宰した原子力バックエンド問題勉強会(2011年秋〜2012年春)の提言が消滅しているので、Dropboxに掲載しておきました。核燃サイクル凍結というごく常識的な結論でした。
https://www.dropbox.com/sh/683pdcmsmcgd5is/AADjf5zY0BeIyUM7SIEZSZYHa?dl=0

この勉強会の調査会長だった馬淵氏は道をあやまって希望で立候補し、比例復活もなく落選、浪人中だが、立憲民主党でこの問題に再度取り組んでもらえないだろうか。

この勉強会に参加していた中野渡という青森2区の元議員(何してた人だか今何してるのか全然知らない)は、最後の結論がヤバくなりそうになって逃げ出したという笑い話もありました。

新たな提言(↓) 安倍首相および経産省支配の官邸への宣戦布告か?

外務省:気候変動に関する有識者会合
エネルギーに関する提言
平成30年2月19日
http://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ch/page22_002958.html

こちらも必読書
 ↓
当代一線の論者が原発問題群の「今」を一望(書評)
飯田 哲也 /2017年10月10日
「決定版 原発の教科書」津田大介・小嶋裕一編/新曜社
http://www.energy-democracy.jp/2109
「かつて原子力委員長代理も務めた鈴木達治郎氏が本書で提言する「対立を越えた根本的改革」は傾聴に値するが、それでも原子力ムラや安倍政権には通じないだろう。もはや「推進か脱原発か」ではなく「妄想か現実的か」の対立となっているのではないか。」

「推進か脱原発か」ではなく「妄想か現実的か」

これが、ここで長々と書いてきた意味そのもの。

<各市町村における具体論>

六ヶ所村
 再処理中止あるいは凍結の判断のあるなしに関わらず、乾式貯蔵施設の建設、核ゴミの移設・保管を続ける。農業・酪農・漁業+新エネルギーに加えて、廃炉・保管産業、核燃料税で成り立つようにする。廃炉は時間と費用がかかるはずで、将来世代への先送りになる(産業にはなるが)。

東通村
 東北電力1号機の再稼働はあり得ない。残りの広大な土地(東電・東北電)に、同様に新エネ+農業などを進め、地下への中レベル廃棄物貯蔵も検討。乾式貯蔵施設も検討。<高レベル廃棄物最終処分場の可能性>

むつ市
 中間貯蔵施設を「全量再処理前提」ではなく直接処分用に契約見直して活用する案と、このまま核ゴミ搬入を阻止して空の箱のまま別の手段で生き残る案とが考えられる。その議論についてはここでは省略する。

大間町
 工事中止の決め手は函館の裁判(活断層判断)になると予想。放射性廃棄物は発生しないので、廃炉産業としては成り立たない(急いで廃炉する必要がない)。活用しようがない。ダークツーリズムとして工事中止となった廃墟施設を数十年を目安に観光施設化し(原発カフェ、現代アート美術館など)、老朽化したら解体する。

最終処分場を県内に建設する可能性については、全否定せずに議論をオープンにしておくが、いずれにせよ政府による根本的な政策転換が起きない限り、いまの延長線上では最終処分場の問題が解決する見込みはない。

渡辺教授の科学的に誤謬のない説によると、各地域には活断層が存在する可能性が高く、<高レベル廃棄物最終処分場の可能性>については、慎重に検討する必要がある。県内には適地はないと思うが、「どこにも決まらずに青森県内に存置し続けるか、青森県に決まるか」のどちらかしかないように思う。
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電力切替えで原発推進の東北電力から脱却を(青森県保険医新聞掲載)

2018年02月02日 | 東日本大震災・原発事故
 昨年12月のNHK「脱炭素革命の衝撃」をご覧になった方も多いと思う。安倍政権が推進している原発・石炭火力の輸出は世界の潮流に逆行しており、ビジネスチャンスも失っている。国内で先進的な取り組みを進めてきた企業の担当者が、厳しい指摘を受けて涙を浮かべていたシーンが印象的だ。

 すでに全世界で風力+太陽光は原発の約2倍に達しており、中国も原発から自然エネルギーへの転換を積極的に進めている。(映画『日本と再生』予告編を参照)



 個人でできる脱原発運動として、私の診療所(住宅兼用)では2012年秋に太陽光発電を開始した。不足分は依然として東北電力から買わざるを得なかったのだが、昨年末に青森県民エナジー(株)に切替えた。手続きは紙の上だけで、スマートメーターへの交換も東北電力が無償で行い、作業停電もなし。料金は全体で2%オフの見積り。売電していると他社に切替えできないのかと案じていたが、何の障壁もないことが山脇直司氏の講演会の際に同社社長から説明されて氷解した。このような簡単なことも、メディアやネット上の情報では伝わっていなかったのだ。

 同社の電力も自然エネルギーが4割程度ではあるが、残りも自由化市場から調達しているものであり(流れている電気は従来と同じ)、東北電力の支配から相当程度フリーになり、発言権を確保することができた。

 原発再稼働のために莫大な費用を投じている東北電力に多くの消費者がノーをつきつけることで、流れを変えることが可能なはずだ。

 本稿執筆中に吉岡斉氏(原子力市民委員会座長)の訃報が飛び込んできた。14年には当協会主催で講演会「なぜ脱原発社会なのか」が開催された。昨年末に発行された『原発ゼロ社会への道2017』が遺稿となってしまった。小泉元首相らの原自連が「原発ゼロ基本法案」を公表し、立憲民主党などとの協議が始まったばかりだったが、市民の側に立った専門家としての役割が今後も期待されていただけに、痛恨の極みである。ご冥福をお祈りします。

 鈴木達治郎氏が昨年末に上梓した『核兵器と原発 日本が抱える「核」のジレンマ』を、県民の必読書として推薦したい。昨年の鈴木氏の講演会要旨と資料は私のブログに掲載されている。併せてご一読いただきたい。

関連リンク

青森県民エナジー株式会社
https://aomori-energy.co.jp/

鈴木達治郎氏講演(7/15八戸)報告 医師会報掲載原稿
http://blog.goo.ne.jp/kuba_clinic/e/1c871f13d322025ee299e6043015e306

鈴木達治郎氏講演資料(7/15)と追加質問への回答を掲載
http://blog.goo.ne.jp/kuba_clinic/e/76d90ddd496b2b5dc6086f76b3685543

『核兵器と原発 日本が抱える「核」のジレンマ』講談社現代新書 著:鈴木達治郎
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062884587

『原発ゼロ社会への道 2017 脱原子力政策の実現のために』原子力市民委員会
http://www.ccnejapan.com/?page_id=8000

「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」(原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟 2018年1月10日
http://genjiren.com/basiclaw.html

「原発ゼロ基本法案骨子案」(立憲民主党)
https://cdp-japan.jp/news/929

映画『日本と再生』予告編
http://www.nihontogenpatsu.com/

自然エネルギー白書(isep 環境エネルギー政策研究所)
http://www.isep.or.jp/archives/library/category/japan-renewables-status-report
(図の引用は自然エネルギー白書2016より)
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「たばこダメ 妊婦守れ!! 同居家族にも禁煙呼びかけ」県・小児科医会・産婦人科医会事業

2018年01月20日 | 禁煙・防煙
地元紙に掲載された事業。見出しでは「妊婦守れ」となっていますが、守るのは「胎児、生まれてくる赤ちゃん、乳児」です。
この内容には県小児科医会の担当として私も掲載項目の要望を出しました。
12月の無煙のまちづくりの日シンポジウム(青森市)でも県の担当者に発表していただきました。

ただし、強く要請したにも関わらず、今回掲載が見送られてしまった項目が「加熱式タバコ」です。
「タバコ」にカッコ書きで(加熱式を含む)と数文字入れてもらうようお願いしたのですが、「国の方針が出ていないから」とのことで見送られてしまいました。

なお、この記事に「県と県医師会」の事業となっていますが、県医師会が関わっていることは初めて知りました。県小児科医会と県産婦人科医会がそれぞれの担当となって進めるものと県から説明されたし、そう理解していました。



妊婦の禁煙支援 青森県など見守りカード(2018/01/19 09:00)

青森県内で今月から配布が始まった妊婦やその家族の禁煙見守りカード「ままさぽ」

 妊婦やその家族の禁煙をサポートしようと、青森県と県医師会は禁煙見守りカード「ままさぽ」を作成、今月から妊婦が市町村などに妊娠を届け出た際、母子手帳と共に配布している。妊産婦に関わる医療機関などがカードに母親や家族の喫煙状況を記入してもらい、情報を共有して妊娠期から産後にかけて一貫した指導につなげる狙い。安全な出産や赤ちゃんの健やかな発育の環境づくりを推進する。
(以下、画像参照)

http://www.daily-tohoku.co.jp/kiji/201801180P196280.html
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新元号西暦換算、女性宮家の空疎な議論、その次、次の次、皇族の基本的人権…

2018年01月01日 | 平和・人権
年が明けて、平成30年(2018年)になりました。今年は、昭和93年にあたります。(昭和37年生まれ 93-37=56歳)

天皇・皇室問題は主要な興味の対象ではないのですが、数年に1回書いているような気がします。以下の所見は特定のイデオロギーや政治的立場とは関係ありませんが、基本にあるのは皇室の子ども達の人権と、「国民統合の象徴としての天皇」を国民一人一人がどう捉え直すかという観点にあります。

(1) 大正15年/昭和元年=1926年
「西暦-25=昭和」 1970年-25=昭和45年 万博
「昭和+25=西暦」 昭和39年+25=1964年 東京五輪
…これが一番簡単だった

(2) 昭和64年/平成元年=1989年
「西暦-88=平成」 1995年-88=平成7年 阪神大震災
「西暦+12=平成」 2001年+12=平成13年 「9.11」
「平成+88=西暦」 平成8年+88=1996年 アトランタ五輪
「平成-12=西暦」 平成23年-12=2011年 「3.11」
…88と12のどちらかに統一することも可能ですが、2000年をまたいだのでわかりにくくなった

(3) 平成31年/□□元年=2019年 …□□は新元号
「西暦-18=□□」 2020年=□□2年 東京五輪
「□□+18=西暦」 □□4年=2022年
…数字としては区切りが悪いのですが、更に2年待っていただくわけにはいかないので、致し方ありません

▽私たち昭和世代は、次の改元で「昭和の時代における明治世代」に相当することになる。それはそれで構わない(明治の頑固ジジイになれるのはある意味で歓迎できるかもしれない)のだが。。問題はその次…

◎「女性宮家」創設に61%賛成 共同通信世論調査
https://mainichi.jp/articles/20171204/k00/00m/010/061000c
この調査結果の数字だけ見て、国民とは何と身勝手なものかと呆れて、憤る気にもなれません。。

▽「皇位安定継承の議論を/女性宮家検討を要請」という記事もありましたが、女性/女系天皇を前提としない女性宮家は、皇室の公務を分担する担い手としての意味だけで、安定継承とは関係がない。議論のポイントを曖昧にしているだけ。(皇籍離脱後に公務を分担してもらうことはあり得るとは思うが)

「女性天皇」問題は、皇孫である3人の女性皇族が成年に達する前に終えていなければいかなかった。もう手遅れ。上記の世論調査結果には、3人の女性皇族に対する国民(左右両派)の人権意識を感じることができない。

▽次の「治世」は現在の皇太子(次期天皇)と秋篠宮(次期皇嗣)の兄弟が並び立つ時代で、その次も今回と同じように譲位が行われるはず。5歳半という年齢差を考えれば、20年という数字が一つの目安になるだろう。

<今上天皇の退位:2019年4月30日、次期天皇の即位:5月1日>
昭和天皇 1901年(明治34年)4月29日 - 1989年(昭和64年)1月7日 87歳+
天皇明仁(今上天皇) 1933年(昭和8年)12月23日 - 現在84歳 即位時55歳 退位時85歳

皇太子徳仁親王 1960年(昭和35年)2月23日 - 現在57歳 即位時59歳 20年後(2039年)79歳
秋篠宮文仁親王 1965年(昭和40年)11月30日 - 現在52歳 兄即位時53歳 20年後(2039年)73歳
悠仁親王 2006年(平成18年)9月6日 - 現在11歳 叔父即位時12歳 20年後(2039年)32歳

▽2039年には次期天皇は79歳、皇嗣は73歳、悠仁親王は32歳。健康問題(誰にもわからない)を考慮しつつ、兄→弟→甥という明治以降で初めての形式の継承を安定的に行い、皇太子としての経験も積ませるためには、この頃(20年後)が一つの目安になると思われる。

「兄→弟」への譲位が無事進んだとしても、年齢的に考えれば秋篠宮天皇の時代が長く続くことは想定しにくく、悠仁皇太子への譲位が次の課題になってくる。おそらくは10年くらいが目安だろう。(2049年、秋篠宮天皇83歳、悠仁皇太子42歳)

とすると、新天皇[新元号]、秋篠宮皇嗣[その次]、悠仁親王[次の次]まで3つの新しい元号を見届けられるかもしれない。同世代である皇太子・秋篠宮兄弟と同じくらい長生きできるかどうかにかかってくるが。(2049年まであと31年)

そうなると、悠仁親王の時代には、「昭和生まれ世代」は、[昭和の時代]からみて大正→明治→慶応→元治(4つ前)に相当することになる。あの元治元年(1864年)、池田屋事件、禁門の変…

▽2039年(想定:秋篠宮天皇即位時)に悠仁親王は32歳。その後の秋篠宮天皇時代の約10年間で悠仁皇太子が皇妃を迎えて、男子を授かることができるかどうかが国民の「最大の関心事」になっていくだろう。(…個人的には興味の対象外だが)

そもそも、唯一の「お世継ぎ」に対して、「男子出産」という国民の期待を一身に背負って自ら嫁入りするような女性が一人でも現れるとは想像しにくい。。よほど強い愛情で結ばれた女性とプライベートで巡り会えればいいのだろうが。。

▽私は天皇制を廃止論者ではないが、皇室の子どもの人権という観点で考えれば、象徴天皇と皇室の機能や存在を自然に縮小させていくしかない(…そうならざるを得ない)と考えている。が、現実には、それを超えたスピードで「国民の意識と皇室の現実との乖離」が進んでいくことになるだろう。

私たち国民が主権者の立場から、「国民統合の象徴」としての天皇や皇室に対する「我儘な要求(皇族の人権とは相反する)」を控えていき、天皇や皇室に過度に依存しない成熟した国民になっていくしかない。二人の兄弟天皇の時代に、そのような議論が進むかどうか。見通しは暗いと言わざるを得ない。

▽女性天皇/女系天皇/女性宮家問題を男女平等の観点から論じること(*)には意味がない。もし、男女平等で長子相続を原則とするなら、1.愛子内親王 2.秋篠宮親王 3.佳子内親王 4.悠仁親王の順となる。(眞子内親王は来年皇籍離脱予定、高齢の常陸宮親王は対象から省かせていただいた)

*フェミニズムの観点から女性が天皇になれないのは男女差別だという主張のこと

一つの考え方として「男女平等(女性・女系天皇)・長子相続」はあり得るとは思うが、この国の国民だけでなく、メディア、識者、政財官の面々が、その程度の議論に立ち戻ることができる時代が来るとは到底思えない。(前述のように悠仁親王は従姉妹や姉よりも順位が下になる)

▽「男女平等・長子相続」などという「新たな(平等意識に基づいた)原則」を、既に生まれて育っている皇族に対して「後出しジャンケン」のように強制することはできない。これは一般の法規制の原則と同じ。

既に成人となった女性皇族が、法で定められた「結婚による皇籍離脱」を前提として人生設計をしていたのに、「主権者である国民」の代表たる国会議員が勝手に「女性宮家や女性天皇」になれと命じるのは、本人の意志や基本的人権(の回復)を無視した人権侵害に他ならない。

「皇室の子どもの人権」を考慮して、女性皇族に認められた皇籍離脱という「権利」を保護していけば、皇室が永続する可能性はゼロに近い。

▽これも数多ある「解決不能問題」の一つで、安倍首相や周辺の保守派の連中が、わざわざ皇室滅亡の可能性を高めているというのが誰にも否定できない現実。問題を直視せずに先送りし続けた結果として、根本的な解決の可能性が皆無に近い「負の遺産」を子孫に押し付けることになる。
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「水素発電商用化=2030年に原発1基分(だけ)」 トップが阿呆だと国が滅ぶ<戦艦大和>

2018年01月01日 | 東日本大震災・原発事故
 未だに水素発電が「夢のエネルギー(※1)」などと思っているナイーブなお歴々も、この小さな記事で現実を直視せざるを得なくなるでしょう。。
(※1 2000年頃には私もそう思っていました)


 今から12年も経った2030年に、目標として「燃料電池車80万台、バス1200台、フォークリフト1万台」しか普及することができず、「発電と合わせた水素使用量の年間30万トン=原発1基分の100万キロワット相当」でしかないエネルギー源に、大きなビジネスチャンスだと飛びつく企業が1社でもいるとは到底思えません。

 私は自動車を全てEV化すべきとは思わないし、水素は海をまたいだ遠隔地からの運搬可能なエネルギー源という位置付けであればある程度の意味をなすかとは考えていますが、少なくとも燃料電池車(FCV)用の水素ステーションが地球の陸地上くまなく配置されるなどということが起こり得ないのは、最低限の知識と想像力があればどなたでもわかっていただけるはず。

ついでに言えば、夢のエネルギー源である「核燃料サイクル」と「水素社会」は両立するとは思えないのに、国や県、財界などはどちらも無批判に推進しようとしている。。

NHKの番組で涙を浮かべていた日本の企業戦士が哀れでならない。

水素発電商用化へ戦略決定 利用拡大で安価に
2017.12.26
 政府は26日、水素基本戦略を関係閣僚会議で決定した。平成42年までに水素発電を商用化するほか、自動車やバスなどモビリティー分野での水素利用を拡大する目標を掲げる。水素を大量に消費する社会基盤を整備し、調達価格を安く抑える方針だ。
 安倍晋三首相は会議で「水素はエネルギー安全保障と温暖化問題を解決する切り札になる」と述べ、日本が世界に先駆けて水素社会を実現することの重要性を強調した。42年段階では水素で走る燃料電池車を80万台、バスを1200台、フォークリフトを1万台普及させるとし、発電と合わせた水素使用量は年間30万トンを想定している。仮に30万トンすべてを発電で使うと原発1基分の100万キロワットに相当する量という。
http://www.sankei.com/politics/news/171226/plt1712260026-n1.html -->
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福島県の甲状腺がん推定発症率と地域差のグラフ(2017.10)

2017年10月27日 | 東日本大震災・原発事故
10万人あたり
先行検査① 38.3 → 3.8
本格検査② 26.2 → 12.7
本格検査③ 5.1 → 2.5

①はスクリーニング効果10倍として 1/10
②は受診間隔2.1年として 1/2.1
③以降は受診間隔2年として 1/2

前回(2017.06)と同様にグラフ化してみました。


③の推定発症率は2.5で、進捗状況を考えると①の3.8は上回るものと思われますが、②の12.7には遠くおよばないでしょう。
この増減の傾向が明らかなものどうかは、4巡目(2018-19)の結果を見てみないとわかりません。(2020年頃)
当初の予想どおり、判断には10年を要する見込みで、その間、継続的な受診と精査・治療は必要です。


何度も繰り返してきたように、累積患者数が前回の190人から3人増えて193人になった、「やっぱり増え続けているんだ」と考えることに意味はありません。
累積患者数ではなく、発症率の増減が判断の基準になります。

4地域の発見率の地域差をグラフ化してみました。


13市町村では、2巡目の2年間で、スクリーニング効果とされている1巡目を大きく上回っており、13市町村>中通り>浜通り>会津という傾向も明らかです。
もし3巡目でこれと同じ傾向のまま減少するようであれば、2巡目での地域差が意味のあるものとほぼ確定できます。残りの地域の数字に注目していきたいと思います。

---------------------------------------------------------------------
    13市町村 中通り 浜通り 会津 県平均
2011-13 33.5   38.4  43.0 35.6 38.3
2014-15 49.2   25.5  19.6 15.5 26.2
2016-17 13.0   3.8    0   0 5.1
----------------------------------------------------------------------
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福島県の小児甲状腺がん:2巡目での増加と地域差、3巡目の減少傾向は明らか(201710)

2017年10月26日 | 東日本大震災・原発事故
「安全宣言」を出した学術会議の御歴々は、公表されているこの数字をご覧になっているのだろうか。1巡目はあくまでベースラインであり、2巡目以降の変化を見極めるのが目的ではなかったのか。

第28回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成29年10月23日)資料
http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/kenkocyosa-kentoiinkai-28.html

6月から変わった点だけ最初に指摘しておきます。
2巡目:「疑い+確定」は71人で変わりませんが、手術して確定例が1人増えました。
(確定49+疑い22=71→確定50+疑い21=71)
3巡目:検査の進行に従って、前回の「確定2+疑い2=4」から「確定3+疑い5=7」に増加しました。

結果として「疑い+確定」例は、1巡目115人、2巡目71人、3巡目7人、合計193人(+3)に増加しています。

3巡目から市町村毎ではなく、地域別の数字しか公表されないことになったので、やむを得ず、過去のデータも同じ地域別に集計し直して比較してみました。

----------------------------------------------------------------------
    13市町村 中通り 浜通り 会津 県平均
2011-13 33.5   38.4  43.0 35.6 38.3
2014-15 49.2   25.5  19.6 15.5 26.2
2016-17 13.0   3.8    0   0 5.1
----------------------------------------------------------------------
(浜通り、会津は今年度の検査の途中経過ですのでご留意ください)

実際の数字は以下の通りです。


なお、地域別の市町村は次の通りで、注1が「避難区域等13市町村」、注2が中通り、注3が浜通り、注4が会津地方で、浜通りは避難区域を除くいわき、相馬、新地という北と南に分かれた地域になります。


この表から言えることは3つ。
1)2巡目の増加は明らか:2巡目>3巡目≧1巡目の見込み
2)2巡目での地域差も明らか:検証していないがこれだと有意差が出ると考えられる
3)3巡目での減少傾向は、4巡目の数字を見てみないと判断できないが、おそらく2巡目の半数以下になる見込み

結論としては、1巡目での不毛な議論や「安全宣言」は一切無視して、今後も検診と診断・治療態勢を維持し、対象者は定期的な受診を継続すること。

(原発事故の被曝による一過性の増加が既にピークを過ぎたという仮説を考えていますが、今後の推移を見てみないと何とも言えません。)

なお、この議論での扱っているのは、10万人あたり数人〜十数人というレベルで、10万人のうち99,990人は確率的に言えば大丈夫という話になります。

発表された資料では「パーセント(%)」で表記されていますが、「10万人あたり10人」は0.01%という日常生活ではほとんど感知できないような印象になってしまいます。このような小さい数字を扱う場合には「パーセント(%)」で表記することは、安倍首相の言う所の「印象操作」にあたるものであり、標準的に用いられている「10万人あたりの人数」で表記すべきです。

もちろん、その10人の方にとっては確率論は無意味で、ゼロか100%かという世界になるので、軽視したり楽観することは禁物ですが、これまでのところ、A2判定が2巡目で59.0%、3巡目では64.4%と最も多い判定となっており、そのほとんどが嚢胞であることから、A2嚢胞の方については、過剰な心配は不要でA1の方と同じように考えてもらい、検査間隔も2年間で十分だと言うことはできます。
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クローズアップ現代「北朝鮮水爆」:「戻れない一線」は安倍首相が核先制不攻撃を潰した時点か

2017年09月06日 | 平和・人権
一昨日のクローズアップ現代(9月4日)
「北朝鮮“水爆実験”の衝撃 危機の行方は」
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4026/

▽鈴木達治郎先生は最後に「戻れない、解体・非核化ができないようなところを越えてしまう可能性がある。できるだけ早く、これを止める。凍結でもいいから止める方向で、対話の糸口を見つけていただきたい」と提起した。

(追記:7月のBS1スペシャルにおける鈴木教授の発言を最後に掲載しておきました)

 これが最大のポイントで、多くの人は既に一線を越えてしまったのではないかと危惧している。鈴木先生もそれを意識しつつ、ここが(もしかしたら戻れるかもしれない)最後の瀬戸際だと警告されたのではないか。

▽渡部恒雄氏は「対話・軍事力行使・制裁強化、どれを取るということではなく、3つがバランスを取って、最終的なゴールに落とすためのものであって、「対話を図るために軍事力はすべきじゃない」ということを言う人がいるが、そういうふうに考えるものではない」と指摘。

 これは確かにそうで、金正恩が「核武装により国や自分の命を守れる」のではなく、「国も滅びるし自分も殺される」のだという具体的な圧力(強力な制裁+軍事的オプション)を感じないと、対話のテーブルに着く(あるいはそのためのコンタクトをとる)ことすらできない。

 ただし、現在の「制裁→軍事オプションの脅し→対話」という方策では何も解決できないことも明白。「最終的なゴール」を誰も描けていないのではないか。。

▽平岩氏は「国際社会は非核化のための対話だが、北朝鮮は核保有国として認めることを求めるわけで、接点を見いだして対話に入っていくのは難しい」とも指摘。

 これが問題で、、話を思いっきり端折ると、「核抑止論で核拡散を防ぐことはできない」という「仮説」が実証されたと言えるのかもしれない。(最初の鈴木氏の指摘については、すでに一線を越えていると考えざるを得ない)

 北朝鮮が既に核保有国であることを認めれば(※)、核抑止論に従うと、米朝が核でにらみ合った状態は「今後ずっと平和が保たれる状態」であると言うことができる。メデタシメデタシ

※実戦配備できる兵器としての精度などは落ちるとしても

▽つらつらと考えるに、過去の選択肢で少なくとも2つの過ちがあったのではないか。。

1)朝鮮戦争を過去のどこかの時点で終結させることができなかったのか
(具体的には指摘できないが、クリントン時代ではないか)

2)オバマ大統領の核先制不攻撃宣言が、「核の傘」同盟国、とりわけ日本の安倍首相の強硬な反対により阻止されたこと

 もし「核抑止力」が存在すると仮定しても、それを何ら損なうことなく、北朝鮮の核開発のエスカレートを止めて緊張緩和の第一歩にすることができたはず。

 これを安倍晋三が阻止したということは、金正恩の言っていること(米国の核から国を守るためには核武装が必要)が正しいと認めたに等しい。米国は核先制攻撃を否定していないのだから、抑止力としては核武装しかない。

▽現在の危機は、米朝両国だけでなく、中露首脳などの責任が大きいことは確かだが、我が国の安倍晋三が、「解決不能問題」に押しやった最大のキーマンであったと考えられる。ここにおいて、アベ・シンゾーは歴史に名を残した。

------------------------------------------------------------
(追記)BS1スペシャル「東アジア核拡散の脅威〜世界が恐れる最悪のシナリオ」(7/30)より
https://www.dailymotion.com/video/x5x1cv4
鈴木教授の核拡散防止に関する取り組みについて教えて下さい。それはどこまで有効なのか、お話いただけますか。

私たちの取り組みの一つに、地域包括的安全保障の枠組みがあります。
日本と韓国、北朝鮮が核兵器を保有しないことを約束、核兵器のない地域をつくるのです。
一方で、中国、ロシア、アメリカなどの核兵器保有国から核攻撃をしないという取り決めを結び、消極的安全保障を得ます。
まず最初に、民間による対話を通じ、北朝鮮を巻き込んでいきたいのです。
最終的には、こうしたプロセスを通じ、地域内に信頼を構築していきたいと考えています。

<鈴木さんは最後に、核拡散を食い止めるためには、長期的には、核廃絶を目指す取り組みを進めることが不可欠だと主張しました。核兵器はいったん使用されると、長期にわたり、人体や環境に重大な影響を与え、非人道的な兵器であるという認識からでした>

長期的には、核兵器は廃絶されなければならないという原則を作り上げていくべきです。短期的には難しいでしょうが、いわゆる人道的な取り組みは、長い目で見れば広げていけます。誰もが最悪のシナリオを回避したいですからね。これは強調しておかなければなりません。オバマ大統領の広島訪問は、長いスパンで考えれば、かなりの影響を与えたと思います。今度は、他の核兵器保有国の指導者たちにも、広島や長崎に来るように勧めたいですね。そうすれば、全ての指導者に、核兵器の人道的な影響を感じてもらうことができるでしょう。これが、今日の議論を通じて、私が考えたことです。
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鈴木達治郎氏講演(7/15八戸)報告 医師会報掲載原稿

2017年09月01日 | 東日本大震災・原発事故
 八戸市医師会主催で開催した市民公開講座の報告です(市医師会および青森県医師会報に掲載予定)。
 講演資料および追加質問への回答は→こちらに掲載されています。

青森県医師会生涯教育講座・市民公開講座
2017年7月15日(土) 八戸グランドホテル
「3.11以降の原子力政策
 〜青森県民と核燃料サイクルを考える〜」
    長崎大学核兵器廃絶研究センター長
              鈴木達治郎教授

 今回初めて市民公開講座として開催した。期待通りの充実した内容であったが、その意義を現実のものにするためには、今後の青森県民の主体的な選択が不可欠である。全てを要約できないので、ブログに掲載してある発表資料と追加質問への回答にも目を通していただきたい。印象的な部分のみ書き出してみたが、筆者の感想や意見が一部混在しているのでご注意下さい。

福島事故の責任と教訓、廃炉・復興への課題

 鈴木氏は事故当時、原子力委員会委員長代理の職責にあり、講演の冒頭で原子力に関わってきた責任と謝罪を表明した。最大の教訓は「想定外を想定すること」であり、リスクに対する考え方を根本的に見直して、安全・安心の説明だけでなく、トランス・サイエンスの課題として社会との信頼関係が最も重要であるとした。

 専門家への信頼も崩壊した(注:原子力だけでなく医学も同様)。国民との信頼回復が最大の課題であり、自律(自立)的な第三者機関における、政策決定プロセスの見直し、透明化が必要なことを幾度も強調された。(現政権においてむしろ逆行していることを示している)

専門家の信頼喪失と社会的責任

 石橋克彦氏(1997年「原発震災」)と、中越沖地震(2007年)の柏崎原発事故後にシンポジウムを開催して原発と地震の危険性を再検討できないか模索したが、実現できなかった。

 伊方裁判(1975年)において、被告側の専門家は「炉心溶融事故は起こらないという風に設計して作った」と証言した。

 電力業界、東京電力は大津波が電源喪失につながる可能性を知っていた。(添田孝史『原発と大津波:警告を葬った人々』)

 大洗のプルトニウム被ばく事故でも、ずさんな管理体制が明らかになっており、教訓は学ばれていない。(その後、INESレベル2と評価)

エネルギー政策の構造改革

1)原子力依存度低減:低炭素電源交付金制度への転換、2)脱炭素化:炭素価格(炭素税、排出権制度)の導入、3)国民の信頼醸成:第三者機関による総合評価と意思決定プロセスの改革(市民参加など)が必要である。

 温暖化ガス削減と経済成長は両立可能で、省エネが決め手である。2050年までに60%削減可能で、脱原発と原発15%で削減効果に差はみられない。(CO2回収・貯留の実用化が前提)

核燃料サイクルの現実

 もんじゅ廃炉で高速増殖炉サイクルは消滅し、MOXリサイクルも1回のみ(多くて2〜3回だが、第二再処理工場の見込みはなく、処分方法は決まっていない)である。再処理は3分の1のみで、余剰プルトニウムは48トンに達している。再処理せずに埋める直接処分は、法的には最終処分法に含まれていない。



原子力委員会における政策見直し(2012年)

 福島事故後に原子力委員会小委員会で全面的見直しを行い、MOXサイクルおよびワンススルーのみが実用化しうる選択肢だとされた。

 どの選択肢を選ぶにせよ、将来の政策変更に対応できるよう備えることを提言した。具体的には、乾式貯蔵を拡大して、直接処分を可能とし、全量再処理路線からの脱却が必要である。

再処理を実施する意味は?

 再処理は経済性で最も劣る。廃棄物の減容・無害化の根拠とされている政府資料には、普通の人が読まない「但し書き」が書き込まれてあり、実際には減容・無害化には繋がらない。

 杤山修・経産省地層処分技術WG委員長の以下の提言が講演の中でそのまま引用された。

「再処理は使用済み核燃料の中に残ったウランやプルトニウムに取り出す価値があるから行うのであり、処分のためではない。使う価値がないなら再処理せずにそのまま埋める直接処分の方がいい。核燃料を溶かして一度危険な状態にする上、捨てにくく技術的課題が多い超ウラン元素(TRU)廃棄物が出るなど、再処理は不利なものだ」(毎日新聞 2014年5月23日)

再処理等拠出金法(2016)は附帯決議が重要

 同法により再処理機構が発足し、全量再処理が固定化されることになった。ただし、国会審議により附帯決議が追加され、直接処分を含む幅広い選択肢を確保した政策の見直しや、「利用目的のないプルトニウムを持たない」原則の堅持などが盛り込まれた。この決議に法的拘束力はないが、現実の動きに繋がっていくか注視していく必要がある。

日米原子力協定 2018年問題

 自由に再処理できる「事前包括同意」方式について、プルトニウム増加、韓国・中国への悪影響、北朝鮮・イラン等への再処理抑制が困難になるといった理由により、米高官や専門家からも懸念が表明されているが、トランプ政権の方針が定まらず自動継続される可能性が高い。
(8月に就任した河野太郎外相は、協定の改定を検討していく可能性について言及している)

プルトニウム問題の解決策

1)全量再処理からの脱却
・直接処分を可能とすること
・使用済み燃料貯蔵容量の確保
立地地域との対話と新たな地域振興策の検討
2)プルトニウム削減へのコミットメント
・プルサーマル以外の選択肢も検討
・英国提案(処分費用を支払えば引き取る)の検討
・国際協力による代替処分方法の検討

最終処分場問題 政府方針での解決は悲観的

 政府基本方針と学術会議提言(ともに2015年)では姿勢に大きな違いがある。学術会議から総量規制、暫定保管(使用済み核燃料とガラス固化体)、第三者機関(国民会議と専門委員会)による国民的合意などが提言されたが、政府方針にはほとんど取り入れられず、評価・提言は原子力委員会が行うことになっている。

 7月末に科学的特性マップが公開され、国から自治体への申し入れも行われることになっているが、問題解決の可能性は低いのではないかと質問したところ、ほぼ同意していただいた。

トリチウム問題 福島と六ヶ所の違いは?

 福島の事故処理費用は22兆円では収まらず、50〜70兆円になる恐れがあるとの報告が紹介された。その主な要因は、汚染水のトリチウム処理費用20兆円と、廃炉費用11兆円、除染廃棄物の最終処分30兆円である。

 汚染水についてはトリチウムを処理せず希釈して放出する案が有力視されていたが、講演の直前に東電の新会長が放出の方針を表明して、漁業関係者や地元政治家の猛反発にあい、暗礁に乗り上げた形になっている。

 このトリチウム排出問題は、六ヶ所再処理工場の主要な論点の一つであり、参加者からも質問が出た。鈴木氏からの追加回答によると、六ヶ所再処理工場から、福島のトリチウム総量の約半分を1年間で放出する計算になるという。

 沖合3キロの海底から海水で希釈されるため人体に影響はないというのが公式見解だが、潮の流れにより局地的に濃くなる可能性を鈴木氏も言及しており、福島の汚染水問題と関連して、六ヶ所でもあらためて議論・評価する場を設ける必要性があると述べられた。

「青森問題」をどう考えるか

 討議の最後に、参加者から「青森問題」すなわち脱原発・再処理中止なら六ヶ所の使用済み燃料を搬出するという覚書が原子力政策の転換を困難にしている構造について質問が出た。

 鈴木氏は、新潟県内で原発依存からの脱却が予想以上に進んでいるという調査(『崩れた原発「経済神話」』)を紹介した一方で、六ヶ所では話が大きく容易ではないとも述べられた。

 更に、経済的要因から再処理の是非が検討された2004年に、六ヶ所村への補償として1千億円の基金を積む案も出たという話が紹介された。1千億円と引き換えに、廃炉費用も含めて何兆円もの損失を防ぐことが可能だったのだ。

 この「青森問題」は、今この時代に生きる青森県民(私たち自身)が、福島原発事故後の原子力政策の選択肢を決めるという重要な役割を担わされていることを意味している。この講演会の目的もそこにあった。その意味で、主催者側である医師会員の参加が少なかっただけでなく、委員会の協力も乏しかったことは大変残念であり、意識のギャップを感じざるを得なかった。          
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「ほとんどの自民党支持者は集団的自衛権が憲法違反ではないと考えている」の論理構造とは

2017年08月30日 | 東日本大震災・原発事故
「AならばBである」という場合(左上)、
「Aならば」というのは、「すべてのAは」という意味であり、反例が1例でもあれば反証できます。

「ほとんどのAはBである」という場合(右上)は、かなり曖昧になるけど、語感としては90%くらいが目安になるかもしれません。



例えば「ほとんどの自民党支持者は集団的自衛権の行使が憲法違反には当たらないと考えている」という場合、さすがに自民党支持者であっても1割くらいは憲法違反だと考えている人がいるということ。。(この数字はあくまでも仮定です)

ここで、「Aならば」とか、「Bである」とか、それ自体が自明のことのように書いていますが、これが例えば人の身体に関する情報(検査結果など)であったり、人の考え方や主義主張に関する調査結果などの場合、「AかAでないか」、「BかBでないか」という境界線は明確には引けず、連続的に存在する場合の方がほとんどで、その場合は「AならばBである」などという命題自体が成立し得えません。(左右の下図)

臨床検査データなどの場合は、どこかに<多数データから導かれた>線引きをしているわけですが、その線引きの仕方によって、「感度・特異度」「偽陽性・偽陰性」などを勘案して総合的に判断しています(今回は説明省略)。

また、「AかAでないか」、「BかBでないか」といった方向性(ベクトル)の向きも、同じ平面上で平行していたり直交していたりするとは限りません。

むしろ、三次元上で交わらないベクトルである可能性の方が高く、「AかAでないか」と「BかBでないか」という事象について、関連付けて考えられるかどうかは、それをある一つの平面(二次元)に落とし込んで、相関関係の有無(強さ)で判定することになります。

もちろん、(震災・原発事故以来このブログで)何度も繰り返して書いてきましたが、相関関係と因果関係とは同じではありません。

こんなことは、私のような者が偉そうに書くようなことではないのですが、「エビデンスがない言説」を批判している人が自ら陥りがちなポケットであることを、自省を込めてあえて書かせていただきました。。
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