踊る小児科医のblog

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喫煙者のランニングの走行時間は30%も低下している

2005年03月31日 | 禁煙・防煙
 昨年の7月に「喫煙は12kgの重荷を背負うのと同じ」と書いたものの続きですが、別の表現で「2500mの高地で生活しているのと同じ」という比喩もあるようです(高地トレーニングになるから健康に良いなどと読み間違えないように)。雑誌『ランナーズ』2005年5月号の特集「ランナーの新常識50」に「ランニングは禁煙成功の有効手段」という項目がありましたので、一部を引用してみます。

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 喫煙によって接種された一酸化炭素が血液中のヘモグロビンと結びつくと、酸素摂取能力は大きく低下します。例えば1日に20本喫煙する人では5~10%のヘモグロビンが一酸化炭素と結合しています。仮に10%のヘモグロビンが一酸化炭素と結合したとすると、酸素運搬能力は単純に90%に落ちることになります。そうすると、ランニングの走行時間は30%も低下することになるのです(池上晴夫著、現代の体育・スポーツ科学「運動処方」)。ランナーの大きな目的である記録短縮を大きく妨げる喫煙行為。「ランニングを始めたことで自然と禁煙できた」という声が多いのも、そうした裏付けがあるからでしょう。
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 まあ、喫煙者の殆どは普段から(あるいは潜在的に)禁煙したいと思っていますから、走り始めたことで無理なく禁煙できたのであればそれは素晴らしいことだと思います。しかし、現実に走っていてもタバコをやめられない人もいるし、中には全然禁煙したいと思っていない人もいるはずです。(だからこそこのような記事が組まれたわけで)
 『ランナーズ』は、ランニング専門誌だけあってこれまでもタバコをくわえている写真や喫煙に関する記事が掲載されたことはなく、もちろんJTの宣伝やお抱え喫煙文化人などの面々が登場することもなく安心して読めるお勧めの雑誌です。だからこそ、今回は「禁煙成功の有効手段」などという表現ではなく、もう一歩踏み込んで「ランナーが喫煙するなどもってのほか」であることを強く打ち出して欲しかったですね。

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