踊る小児科医のblog

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「自分の意志で吸っている」と言うニコチン依存症患者

2008年06月12日 | 禁煙・防煙
「タバコなんざ、ガキや貧乏人に黒人、あとはバカに吸わせておけ」
(『悪魔のマーケティング タバコ産業が語った真実』より)
この耳を疑うような発言は、米国タバコ会社の重役が、タバコCMの俳優から「あなたはタバコを吸わないのか」と尋ねられたのに対して、「あんなものは吸わない、ただ売るだけだ」と答えたのに続いて発せられたものです。

しかし、現実にタバコがどのような人に吸われているか(=未成年や若者、低学歴・低所得者層、若年女性、途上国)を知れば、その発言の内容が真実であることに気づかされるはずです。
(差別的表現は発言者のものであって、ここではそのまま引用しただけです)

2年前に禁煙を訴えて日本列島を徒歩で縦断したマーク・ギブンズさん(オーストラリア人の看護師)は、喫煙者のことをどう思いますかという小学生からの質問に対し、「カワイソウ。真実を知らされずに死にゆく人たちだ」と答えました。

喫煙者はみんな「タバコの害なんて知ってて、自分の意志で吸ってるんだ」と言うのですが、その実タバコについての知識は驚くほど少なく、喫煙防止教育を受けた小学生の方がずっと情報量があるのが普通です。
そりゃそうでしょう。真実を知って、それでも吸う勇気はとてもありません。

タバコを吸っているんじゃなくて、吸わされているんだ。。
そのタバコで健康、お金、時間、信用(タバコを吸う医者は信用されません)、そして命まで、全てを失って、それで高笑いしているのはタバコ会社だけなのに、自分が騙されていることに気がつかず、一生タバコ会社に貢ぎ続ける喫煙者。。

可哀想だとは思うけど、その喫煙者が加害者となって胎児、子ども、家族、職場で毎年2万人、世界で数十万人もの命を奪い続けていることを考えると、とても同情する気にはなれません。。

まして、養老老教授のように影響力のある医学者が、喫煙や受動喫煙の害を否定して禁煙運動を批判するなどと言うことは、犯罪行為に等しいと思う。
その発言によって、本来なら禁煙するつもりだった喫煙者が、間違った認識を深めてそのまま吸い続け、命を落としたとしても、老教授は決して責任を取ろうとはしないでしょう。(これは仮定ではなく現実に起きている事態なのですが)

喫煙者には、早く目を覚ましてタバコの呪縛から逃れてほしいし、子どもたちが間違ってその罠にかからないように、最大限の規制をするのが国の役目のはず。

その一つが「タバコ1箱千円」であって、これが最大の武器ではあるけれども、全てではないし、自販機撤廃や屋内施設完全禁煙化などが「世界の常識」であることを知ってほしい。

画像は今年のWHO世界禁煙デーのポスター。
意味するところは一目瞭然だと思います。。

(以下、長くなりますがAmazonより引用)

『悪魔のマーケティング タバコ産業が語った真実』

「タバコ産業は自らが作り上げてきた巨大な怪物(喫煙者)に餌を与え続ける方法を探さねばならない。もはや発展途上国でタバコの販売量を増やすしか道はないのだ」――。欧米の元たばこ会社社員のこうしたコメントこそ、たばこ産業の本質を物語っていると編者らは指摘する。

本書は、英国で喫煙率低下のための運動を推進する民間健康推進団体ASH(Action on Smoking and Health)が、欧米のたばこ産業の内部文書などを基に、同産業が世界に向けて発信し続けてきたメッセージの欺瞞や、その裏にある“本音”を暴き出そうとするものだ。

たばこ産業は、1950年代には既に喫煙と肺ガンの間の因果関係に気づいていたはずだと言う。「科学的に証明された事実を無視し続けるのはうんざりだ」と、たばこ会社の元研究者が告発する一方で、公式には90年代後半に至ってもなお「様々な見方がある」などと曖昧な見解しか示していない現状を憂える。

また、聞こえのよい宣伝文句とは裏腹に、同産業は「未成年者にどうやってタバコを売り込んでいくか」に注力してきた実態があると糾弾。「タバコなんざ、ガキや貧乏人に黒人、あとはバカに吸わせておけ」など、耳を疑うような内部関係者の発言が次々に紹介されていく。(日経ビジネス 2005/03/14 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)

タバコは健康に悪く、発ガン性がある。タバコに含まれるニコチンは依存性が高く、タバコとは麻薬の一種に他ならない――欧米のタバコ産業は1960年代からこの事実を知っていた。そのうえで事実を隠蔽し、ニコチンの依存性を利用して、子供と女性と途上国の人々をターゲットにマーケティングと宣伝とPRをし、商品開発を行い、彼らをタバコ中毒に陥れ、巨万の富を築いてきた――。

マルボロマンやオールドジョーのCMは実は子供向けだった! F1にスポンサーをしていたのも子供たちの間でブランド認知度を上げるためだった! 女性向けの「ライトタバコ」は健康に良くないどころか、タバコ消費量を上げる格好の発明だった! 

――一連の欧米タバコ産業の「悪魔のマーケティング」の真実が、タバコ訴訟の過程で公開されたタバコ産業自身の内部文書によって、いま明らかにされる。英国のNGOがインターネットで配信し、世界保健機関WHOも公式に取り上げた衝撃のドキュメント、はじめての邦訳! (出版社 / 著者からの内容紹介)

タバコ増税署名にご協力をお願いします

2008年06月06日 | 禁煙・防煙
タバコ値上げ賛成署名サイト「日本のタバコは安すぎる」
http://www.tbcopic.org/signature/
タバコ税大幅増税は、1)喫煙率減少、タバコ病死減少、2)医療費減少、3)税収は減らず、むしろ増加、4)未成年喫煙率激減!、5)税の逆進性解消(低所得層から順に禁煙する)、という一石五鳥の政策で、タバコ規制政策の最大の切り札です。
逆に言うと、日本のタバコ税、タバコ価格が安すぎるということは、これまで日本政府は本気で喫煙率を下げるための対策をとって、タバコの害から国民を守ろうとしてこなかったということを意味します。

<参考>
【正論】9兆5千億円の新たな税収 日本財団会長・笹川陽平
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080304/plc0803040307001-n1.htm
【正論】たばこ千円は今や現実的選択 日本財団会長・笹川陽平
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/080403/fnc0804030320002-n1.htm

医療費財源、たばこ増税も=民主・鳩山氏
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008053100307
民主党の鳩山由紀夫幹事長は31日午後、横浜市で街頭演説し、高齢化で増加する医療費の財源対策について「例えばたばこの税金を増やして、その分で高齢者の保険料を高くしないよう、消費税をたやすく上げる前に考えていく必要がある」と述べ、たばこ税の引き上げなどを検討すべきだとの考えを示した。

【官房長官会見】「個人的には面白い たばこ税増税」2008.6.2
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080602/plc0806021724008-n1.htm
 町村信孝官房長官は2日の午後の記者会見で、たばこ税の税率を引き上げて1箱1000円とする案について、「私個人は大変面白い提案だとは思うが、どこまで実行可能性がある話か、そこまでの検討はやっていない」と述べた。会見の詳細は以下の通り。
【たばこ増税】
 --野党や民間からたばこ増税の話が出ている。大幅にたばこ税を上げるという意見もあるが、政府の検討情報、長官の個人的な意見は
「政府はまだ何も検討しておりません。あのー、笹川財団ですかな。日本財団の笹川理事長がマスコミ等で1箱1000円という大変画期的な提案をしていることは承知をしております。私個人は大変面白い提案だなあとは思っておりますが、ちょっと、どこまでフィージビリティがある話か、そこまでの検討はやっておりません」

合言葉は「たばこ1箱1000円」…超党派で議連発足(2008年6月5日)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080604-OYT1T01135.htm
 自民、民主両党など超党派の国会議員が近く、たばこ税の引き上げを目指した議員連盟を発足させる。自民党の中川秀直・元幹事長らが呼びかけている。
 議連は「たばこ1箱1000円」をキャッチフレーズに活動を始める予定だ。
 中川氏自身はヘビースモーカーだが、たばこ税増税を消費税増税の回避策として考えている。中川氏は福田首相にもたばこ税の増税を進言し、首相も前向きな考えを示しているという。議連とは別に、今月11日には、自民党の尾辻参院議員会長らが呼び掛け人となり、たばこ税に関する勉強会も発足する予定だ。

紙巻タバコ1箱の各国の価格と税率
http://www.eonet.ne.jp/~shiryo/tobaccoprice05.htm

消費税よりタバコ税「1箱1000円」

2008年06月05日 | 禁煙・防煙
#この「タバコ1箱1000円」はタバコ規制政策の最大の武器で、なおかつ何のお金もかからないという「一石五鳥」政策であり、私たちも何年も訴え続けてきたことでした。今回財政問題と消費税増税のからみから再浮上してきたものですが、このチャンスを最大限に活かすべきだし、国際条約(FCTC)だけでなく、WHOの「MPOWER」政策や日本学術会議の提言などにも必ず盛り込まれている、緊急に実現すべき最重要課題です。

#皆さんは、消費税を上げるのと、タバコ税を上げるのとでは、どちらを選びますか?

☆「一石五鳥」=喫煙率低下・喫煙死減少、医療費減少、税収不変~増加、未成年の喫煙率激減、税の逆進性解消(低所得層から順に禁煙する)

合言葉は「たばこ1箱1000円」…超党派で議連発足
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080604-OYT1T01135.htm

 自民、民主両党など超党派の国会議員が近く、たばこ税の引き上げを目指した議員連盟を発足させる。自民党の中川秀直・元幹事長らが呼びかけている。
 議連は「たばこ1箱1000円」をキャッチフレーズに活動を始める予定だ。
 中川氏自身はヘビースモーカーだが、たばこ税増税を消費税増税の回避策として考えている。中川氏は福田首相にもたばこ税の増税を進言し、首相も前向きな考えを示しているという。議連とは別に、今月11日には、自民党の尾辻参院議員会長らが呼び掛け人となり、たばこ税に関する勉強会も発足する予定だ。
(2008年6月5日03時07分 読売新聞)