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甲状腺がん集計外11人→必要な情報を明らかにすべき:第10回甲状腺検査評価部会(2018年7月8日)

2018年07月31日 | 東日本大震災・原発事故
7月8日の甲状腺評価部会で発表された集計外の11人(医大で手術)の資料を整理してみました。
(と書いたのが7/20ですが、アップし忘れてました)

この11人のうち、8人は甲状腺検査を契機として診断されており、そのうち7人は保険診療・経過観察を経て手術されています。
少なくともこの8人については、本来、元の検査(一巡目、二巡目?)の集計に加えられるべきですが、今回の発表ではその詳細が明らかになっていません。
また、福島医大以外での集計外症例も明らかになっていません。

なお、同日資料において、高野らによる「倫理的問題と改善案(早期診断の有用性を否定)」が提起されたが、吉田明教授による「若年者の臨床経過」「超音波検査の有用性」によって、ほぼ全面的に否定された。
(議事録は未読:未公開)

第10回甲状腺検査評価部会(2018年7月8日)資料
http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/kenkocyosa-kentoiinkai-b10.html
資料3「甲状腺検査集計外症例の調査結果の速報 福島県立医科大学甲状腺・内分泌センター長 横谷 進」より

福島県立医科大学付属病院で診療した、甲状腺検査集計外の甲状腺がんの症例

2011.10.9 - 2017.6.30
医大病院で手術を受けた患者
160人(良性2人)
 集計内 148人(良性1人)
 集計外 12人(良性1人)
  ↓
集計外の悪性11人
 甲状腺検査と無関係に受診 3人
 甲状腺検査を契機に受診  8人
  一次検査でB判定、二次検査を経由せずに受診 1人
  二次検査から保険診療・経過観察を経て手術 7人
   二次検査で穿刺吸引細胞診実施せず 5人
   穿刺吸引細胞診実施し「悪性/悪性疑い」以外 2人

性別 男性4 女性7
事故時年齢 13.8 ± 4.0歳
(0-4歳:1、5-9歳:1、10-14歳:4、15-19歳:5)

避難区域13市町村:4人、中通り:4人、浜通り:3人、会津:0人
(註:人口比で考えると13市町村の患者数が多い)

同時点で甲状腺検査により「悪性ないし悪性の疑い」と診断 193人
(良性1人を除く)

医大病院で手術を受け甲状腺がんと診断 158人
(集計内147、集計外11)

193−147=46人 医大以外で手術

医大以外での集計外患者数は不明
推定 3〜4人
 11/147=x/46
 x=(11×46)/147=3.4人

結論
この11人については、情報が明らかにならない限り「集計外」として扱わざるを得ない。少なくとも8名については1巡目か2巡目かといった情報だけでも明らかにすべき。

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