踊る小児科医のblog

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9学会合同禁煙ガイドライン~「疾患」概念確立で禁煙治療の推進促す

2005年12月31日 | 禁煙・防煙
「喫煙は個人の趣味・嗜好の問題ではなく,積極的に禁煙治療を行うべき疾患である」-。欧米では以前から普及していた禁煙ガイドライン(表)が,ついにわが国にも登場した。「喫煙病は全身性疾患」として専門の異なる9学会が合同で作成したのが特徴だ。疾患・対象別に具体的な禁煙治療指針を盛り込んだ点も欧米版と異なる。禁煙推進の社会的意義については一般向けメディアに譲るとして,ここでは医療関係者への同ガイドラインの影響に着目したい。合同研究班班長である岐阜大学大学院再生医科学循環・呼吸病態学の藤原久義教授に聞いた。 (某紙記事より引用)

診療科・対象別の治療指針盛り込む

 ガイドライン作成に参加したのは日本口腔衛生学会,日本口腔外科学会,日本公衆衛生学会,日本呼吸器学会,日本産科婦人科学会,日本循環器学会,日本小児科学会,日本心臓病学会,日本肺癌学会(50音順)。
 日本循環器学会の声かけで2003年 3 月から準備を開始。数回の研究会で意見を調整して,最終的に 9 学会の総意としてガイドラインを完成させた。前半は,エビデンスに基づく禁煙の意義や保健医療従事者が果たすべき役割などの総説。後半は各論として,疾患や対象別に推奨される禁煙治療の実際を解説した。禁煙の歴史や世界の動向,院内全面禁煙の実施例などもカバーしており,好煙家には耳の痛い,嫌煙家には膝を打つ内容になっている。
 日本たばこ産業(株)(JT)の調査や同ガイドラインによると,わが国の喫煙率は成人男性47%,同女性13%。男性においては1966年の84%をピークにゆっくりながらも禁煙トレンドが拡大している。女性では高年齢層は減少,20~30歳代は増加傾向。深刻なのが低年齢層で,中学 1 年生の男子22%,女子16%に喫煙経験があるとされる。

日本の医師の喫煙率は海外の数倍

 さて,喫煙による健康害から一般市民を守る立場にある保健医療従事者だが,喫煙率は一般に比べ低い。日本医師会の2004年調査では,医師の喫煙率は男性21.5%,女性5.4%で,2001年調査より減った。ただ,海外の医師喫煙率と比べるとまだお寒い数字だ(図)。
 また,看護職の喫煙率は依然高い。日本看護協会の2001年調査によると,保健師では8.2%と低かったものの,助産師18.6%,看護師25.1%,准看護師33.6%(いずれも女性のみ)。しかもアンケートでは,「保健医療従事者であっても勤務時間外の喫煙は自由」などとする回答が「保健医療従事者として喫煙は好ましくない」とする回答を上回っており,喫煙による健康害への意識が低いことを裏づける結果となっている。

医療機関は敷地内禁煙の方向

 一方,病院,診療所における禁煙推進はここ数年急速に拡大している。
 日本循環器学会の調査によると,一般的な病院における全館禁煙の割合は,2002年度の 5 %に対し,2003年度は34%と急激に増えた。病院評価の(財)日本医療機能評価機構が,最新の病院認定評価基準(ver.5.0)に「全館禁煙」,「敷地内全面禁煙をより高く評価」という基準を取り入れたことも影響していると見られる。
 今回の禁煙ガイドラインも,医療関係者の禁煙について 1 節を割いて,保健医療従事者の断煙の必要性を強調,「病院の売店でたばこを売らない」など,具体的な禁煙環境整備の方策を示した。「全面禁煙にすると入院患者が喫煙のために無断外出しかねない」,「精神科や薬物依存の病棟は例外」といった喫煙スペースを容認する意見に対しては,米国メイヨー・クリニックなどの例を引き,医療機関が「全面禁煙できない理由」を却下している。

喫煙を「疾患」とした意義

 同ガイドラインは,公表前から新聞・テレビにも大きく紹介された。喫煙を「ニコチン依存性」と「喫煙による関連疾患」が合併する「喫煙病」と定義し,喫煙者を「治療すべき患者」と位置付けて,積極治療を促したためだ。
 タイミングもよかった。厚生労働省は10月に発表した医療制度構造改革試案に,生活習慣病対策充実によって中長期的な医療費の伸びを抑制する方針を盛り込んだばかり。本体部分のマイナスが指示されている来年度の診療報酬改定にあっても,「禁煙治療」への新規加算は確保される見通しだ。
 ただ,「喫煙病」という定義には,「結構な数の批判メールが来た」(藤原教授)という。
 合同研究班が喫煙を疾患と位置付けたのは,たばこには本人がやめようと思ってもやめられない依存性があることによっている。「ニコチン依存には,アルコール中毒のように人格破壊を来したり,他人に暴力を振るったりということはない。だが知らないうちに身体をむしばみ,癌や動脈硬化を引き起こしている。しかも依存性が強く,1 回自分の意志で禁煙しても成功するのは 5 ~10%程度なのだから,積極的な治療で禁煙を支援する必要がある」と同教授。
 禁煙ガイドラインは喫煙者を糾弾するものではない。むしろ,医療関係者が果たすべき役割を明確にし,意識の変革を求めるものだ。
 同教授は「医師にとって,病気を持った患者という存在はなおしてあげなければならない対象。患者が『喫煙は個人の嗜好の問題』,『余計なお世話』と抵抗しても,ひるむことなく治療に臨むことができる。その変化を促すのがこのガイドラインだ」と力を込める。医学界の変化によってわが国における禁煙推進の動きは大きく加速した。禁煙ガイドラインは,国民の健康推進を担う医療従事者の行動指針と言える。

疾患・対象別,禁煙治療の進め方

 ガイドライン各論で示された疾患・対象別の治療指針の要点をまとめる。

循環器疾患:ニコチン代替療法も許容

 禁煙治療は,これまで禁煙に関心のなかった人が,急性心筋梗塞や脳卒中を起こして,ある日突然禁煙を迫られる点で他の疾患への介入と異なる。もともと禁煙意思のなかった患者では,病状の回復で安静度が解除されると再喫煙の可能性が高くなる。このため慢性安定期に的確で継続的な禁煙治療が行われているかどうかが重要になる。
 治療では,カルテに一目でわかる喫煙状況の記載,外来でのフォローアップ,禁煙外来などが有効だ。わが国では急性期循環器疾患患者へのニコチン代替療法の使用は禁忌とされるが,パッチやガムによる血中ニコチン濃度はたばこより低く,米国では発症 2 週間以内の心筋梗塞や不整脈にも使用が認められている。急性期心筋梗塞,脳卒中,重篤な不整脈,不安定狭心症以外の循環器疾患に対しては慎重に使用して禁煙することが望ましい。

呼吸器疾患:高齢者にはガムよりパッチ

 禁煙は,たばこを徐々に減らすよりも,突然すっぱりとやめるほうが成功率は高い。禁煙指導では,たばこは依存性薬物と患者に理解させ,たばこを中止したときのニコチン離脱症状への対処法を教えるとよい。
 治療では,行動療法として呼気中CO濃度の測定,「肺年齢」の計算,フローボリューム曲線のパターン変化の提示などが,禁煙の動機付けだけでなく禁煙継続の自信になる。胸部X線撮影やCT検査の画像所見も患者のやる気の維持に有効だ。呼吸器疾患には高齢者が多いため,ニコチン代替療法にはガムよりパッチのほうが使いやすい。慢性閉塞性肺疾患(COPD)などに罹患しているのに喫煙している患者には,初めからニコチン代替療法を勧める。

女性・妊産婦:正確な情報提供だけでも動機付けに

 妊娠したら禁煙しようと考える女性は多いが,喫煙が不妊や流産,死産,胎児奇形の発生に影響しているという情報は一般に知られていない。若年女性の場合にはこれらの情報の周知だけでも十分な禁煙の動機となりうる。妊婦の場合は,喫煙していてもしていないと答えるケースが少なくないため,正確な状況把握が必要になる。妊娠中のニコチン代替療法による禁煙治療はわが国では禁忌とされているが,たばこにはニコチン以外にも有害物質が多種類含まれていることから,喫煙回避のためのニコチン代替療法は考慮される価値がある。出産後の再喫煙防止に出産前後の指導も必要だ。

小児・青少年:若年ほど依存しやすい

 小児の身体は成人に比べてたばこ中の発癌物質や有害物質から受けるダメージが大きい。喫煙開始年齢が低いほど心筋梗塞や癌などで若年死する率が著しく上昇する。ニコチン依存にもなりやすく,中学生前後の年齢では数週間から数か月の喫煙で禁煙が難しくなることがわかっている。学校での喫煙を見つけて叱責や謹慎処分とするだけでは禁煙指導としては不十分で,積極的な治療を行う必要があるが,この世代では本人に禁煙意思がないことがほとんどなため,禁煙に関心を持たせることが最大の課題となる。ニコチン代替療法では,親や学校も含めたサポートが望まれる。

歯科・口腔外科疾患:強力な指導介入を

 喫煙による障害-(1)色素沈着や口臭などの審美的障害(2)唾液の性状や歯石,味覚異常(3)粘膜異常(4)抜歯後の治癒不全やインプラントの予後不良など治療への影響(5)歯周病や歯の喪失(6)口唇・口蓋裂といった児への影響-の説明は,禁煙への強力な動機付けになる。歯周病患者では,予後改善や歯周病による全身性疾患予防にも禁煙が必要なことを説明,強い禁煙指導を行う。

術前・外科疾患:手術直前は禁煙指導の好機

 海外では,喫煙者の術中合併症発生率は相対リスクで1.8倍,術後合併症(呼吸器)も 2 ~ 4 倍に上がること,その一方で術前の禁煙によって術後合併症が大きく減少することなどが報告されている。手術というイベントを控えた患者は,禁煙に対する動機が非常に高く,簡単な禁煙指導・治療で効果を上げられる可能性が高い。

仰木監督を殺したのは「球界」ではなく「タバコ」

2005年12月29日 | 禁煙・防煙
東奥日報コラム「天地人」2005年12月29日(木)に、次のような一節がありました。
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新生オリックスの仰木彬・初代監督が逝って半月。がんが全身をむしばんでいたことを知っていた元西鉄の同僚の豊田泰光さんが書いた追悼文は悲痛だ。「70歳の彼を監督に引っ張り出した球界を恨む。新しい人材を発掘、育成してこなかった…死は殉職でもあった」。
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先日亡くなった仰木監督の死因がどの記事にも記載されていなかったので、おかしいなと思ってネット上で調べてみたところ、得られた情報はいずれも「肺がん」で、しかも喫煙者であったとの情報もあり、かの名監督もタバコの犠牲者であったことはどうやら間違いなさそうです。

70歳といえば一昔前なら早死にとは言えないかもしれませんが、今では平均寿命に遠く及びません。仰木監督も元気であれば、まだまだイチローのような選手の発掘育成など球界で大きな仕事を果たせたに違いありません。

英国医師の長期調査によると、喫煙者は70歳で半数の方が亡くなっているのに対し、非喫煙者で亡くなっているのは2割にすぎません。しかも、平均寿命が延びているのは非喫煙者だけで、喫煙者の平均寿命はほとんど延びていないということもわかっているようです。(手元に正確な情報がないので伝聞ですが)

仰木監督も「二人に一人」のうち悪い方に入ってしまったわけです。豊田泰光氏が恨んでいるのは、おそらく肺がんで闘病中であることがわかっているにもかかわらず再度監督を引き受けざるを得なかった状況についてだと思いますが、しかし真に恨むべきはタバコであり、それを放置して売り続けているJTと国であり、タバコの害に対して無知で無頓着であり続けたスポーツ界、ことに喫煙率の高いプロ野球界であるべきでしょう。(そういう意味で球界を恨むなら話はわかりますが)

また、仰木監督や元大関貴乃花のような壮絶なタバコ病死を、全くタバコの害と関連づけて報道せずに、上記のような美談追悼記事を垂れ流しているマスコミの責任も重大であると言わざるをえません。

仰木監督だけでなく、今年また新たに亡くなった10万人以上のタバコによる犠牲者を悼み、来年こそJTと国にこの真実を認めさせ、タバコ規制政策の大転換を起こさせる年にしなければという想いを強くしています。

私一人の力は限られていても、県内や全国やネット上で連携できる多数の方たちの力を合わせていけば必ず山は動きます。必ず最後に愛は勝つ、最後に正義が勝つことはわかっているのですが、その“最後”をできるだけ早めなければいけません。

年末30日午前まで、年明けは4日から

2005年12月28日 | こども・小児科
何もかも仕事が溜まったまま年末をむかえてしまいました。年末年始の診療予定は表題の通りで、

28日(水)午前診療(水曜午後休診)
29日(木)通常通り診療
30日(金)午前診療、午後より休診
31日(土)休診、夜・急病診療所当番
 1日(日)祝日(休診)
 2日(月)振替休日(休診)
 3日(火)休診
 4日(水)午前診療(水曜午後休診)

休診日が続きますので、心配な場合は年内30日までに受診していただくか、急病診療所をご利用下さい。急病診療所も31日~3日は休日体制でお昼からやっていて、毎日小児科医が出動しています(私も大晦日の当番)。

未来に向かって駆け抜ける青森県の水稲新品種「まっしぐら」

2005年12月27日 | ほのぼの

どうもお米のネーミングとキャラクターが気になってしまうようで。。(^^;
県の水稲新品種は「まっしぐら」

これまでの銘柄米のネーミングでは「ひとめぼれ」が最高傑作で、「あきたこまち」「ゆめあかり」なんかも良い出来だと思っていましたが、「まっしぐら」というのは直球勝負で新しい感じですね。
と思ったら、これまた直球勝負の「どまんなか」というのがありました。
「まっしぐら」は野球というよりも、キャラクターのような駆け抜けるイメージでしょうか。下の黄色い丸(顔)は太陽のようでもあり、太鼓のようにも見えます。。

お米の銘柄アンケート
こうやってみるといろいろありますね。「はえぬき」「まいひめ」あたりまではまあわかりますが、「めんこいな」「森のくまさん」「ミルキープリンセス」「ゴロピカリ」「ほほほの穂」あたりまでくると。。(^^;

高校駅伝はスマトラ沖地震・津波の記憶と共に

2005年12月26日 | SPORTS
昨年のスマトラ沖地震・津波は12月26日の日曜日。
高校駅伝の午前女子・午後男子の間のお昼のニュースで第一報を知ったことは当日のブログに書きました。気象庁やNHKの不作為責任についても。
そのことによって、高校駅伝はスマトラ津波とリンクして私の中で永遠に記憶されたのですが、今回は地震の方ではなく駅伝について。
午前の女子の方を運動しながら観戦し、午後の男子は大掃除しながら流していたので全然見てませんでした(失礼)。

高校駅伝:興譲館(岡山)が初優勝 2位は須磨学園 女子

1区を走った興譲館のエース新谷が昨年に引き続き区間新を更新。
そしてもう一人、2区で区間新を出した須磨学園の小林祐梨子。
この二人の走りは超高校級といっても過言ではない。
こういった逸材が10年後の「ポスト福士」(まだこれから全盛期なんだから気が早いって)の日本女子長距離界を支えるスター選手に順調に育っていってくれればいいのですが。。

女子の場合、男子のように大学に入って「箱根で潰される」ことはないので、実業団で渋井、野口、高橋、福士らを育てた世界一の女子長距離の指導者の下で伸びていってくれることを期待したいと思います。

「緊急!医療・介護なんでも相談」

2005年12月23日 | こども・小児科
青森県保険医協会では「緊急!医療・介護なんでも相談」を実施し、市民からの相談を下記要項で受け付けます。相談には医療関係者、ケアマネージャーなどがお応えします。
 なお相談について即答できない場合は、後日専門家からご回答致します。制度的な問題点などは、国や市町村などに実態を伝え、改善を求めて行きたいと考えております。

「医療・介護なんでも相談」
◆受付期間  2005年12月28日(水)~30日(金)
       時間は10時~17時
◆実施団体  青森県保険医協会
◆場  所  青森市松原1-2-12 青森県保険医会館
◆T E L  017-722-5483 
◆F A X  017-774-1326
※電話、ファクシミリで受け付けます
※留守の場合は、留守番電話にお願いします。

関連記事
介護保険改正の影響じわり(2005年12月22日)
 介護保険法改正による十月からの給付見直しにより、県内ではショートステイ利用が三割以上の施設で減少し、利用者家族の半数が「大変」と感じていることが、県保険医協会の実施したアンケート調査で分かった。また、施設入所者が自己負担分を支払えず退所した事例が十五施設で計二十九人に上り、事業者、利用者双方に影響が出ている。(以下省略-リンク先記事をご覧下さい)

「小児科の病院ピーク時から22%減」とのニュースに思うこと

2005年12月22日 | こども・小児科
小児科のある病院、ピーク時の1990年から22%減との報道。
青森県内のことを考えてみれば2割減は何も驚くほどのことでもないのですが、例えば群馬県太田市の中核的病院でも小児救急がなくなる!(太田市長とれたて日記 2005年12月13日)といった危機的な状況が清水市長自らの声で届けられています。そこにも書かれている通り、小児科がなくなれば産科ももたないし、産科がなくて小児科だけでも駄目。解決策と言ってもすぐに効く妙薬があるわけではなく、根本的な解決策は長い目で見て小児科・産科医を優遇し育成するしかない。当面必要な、自治体病院の再編成も全然進んでいない。

私たちが小児科を選んだ頃でも、小児科医は勉強好きだったり子ども好きだったり、ちょっと浮世離れした損得勘定の下手な人がなるもんだと思われていた。(確かにそうかもしれない)
しかし、小児科医にも家族はいるし人並みの生活はしたいし、そうでなければ悪循環で更に厳しい環境となり、なり手は減っていく。

政府は医療費削減で大喜びのようですが、小児科・産科・救急は優遇するとは言っても、医療費とは医療に必要なマンパワーの確保に絶対に必要なものであり、減らして医者の儲けが減って庶民は喜ぶという馬鹿げた(誤った)単純図式をマスコミを利用して喧伝して、だれが幸せになるというのだろうか。

今の医師の多くは、自分の子どもを医者にしたいとは思っていないのではないか。あるいは、子どもたちも親をみて医者になりたいとは思わないのではないか。かつてのような世襲制が必ずしもいいことだとは思わないが(私は医療とは縁のないサラリーマンの息子で、医学部は半分近くが医者の子で“気持ち悪い世界”と思ったものでした)、この国の医療はこういう環境のなかで量だけでなく質も低下していく道を辿るのではないか。懸念されます。

市子林遺跡(八戸)から犬のマスコット出土

2005年12月21日 | ほのぼの
以前は是川遺跡の発掘現場説明会や是川シンポなどに出席したこともあり、素人ながら興味を持って眺めていたのですが、最近ご無沙汰状態でした。

「八戸・市子林遺跡から犬形土製品」との記事で、「遺構外の表土から縄文土器のかけらと一緒に見つかった」が「年代が不明のため、考古資料としての価値は未定」ということです。
まあ、これは縄文時代ということはないでしょうが、なんだか妙になごみますね。
(ひさしぶりに「ほのぼの」カテゴリーに入れることができました)

そういえば、「癒しの土偶」として有名になった「合掌する土偶」を国宝に指定してもらおうという小林市長の答弁があったようです。(現在は重文)
縄文時代の土偶が国宝になんかなるの?という疑問があったのですが、有名な「縄文のビーナス」(このネーミングもスゴイ)が国宝土偶の第1号のようですね。
土器では火焔型土器なども最近国宝になったようです。
そういう意味では、「合掌する土偶」の国宝指定も夢物語ではなく可能性の高い話だとは思いますが、展示用の施設なども必要になってきますから、構想中の是川の展示館などとあわせて検討されるべきでしょう。(三内丸山みたいにハコモノを作ったのに重文を展示できないなどということはないと思いますが)

八戸市博物館で水辺と森と縄文人という特別展が開催されているので、これは是非行ってゆっくりみてきたい。ついでに子どもたちの冬休みの学習にも。。

掘りdayはちのへ(八戸市)
是川遺跡(東奥日報)

「タバコ自動販売機の撤廃」に関する要望書(日本小児科学会・小児保健協会・小児科医会)

2005年12月20日 | 禁煙・防煙
タバコ自動販売機の廃止を要望します。

 昨今、子どもたちへの健康教育の一環として喫煙防止教育が進められていますが、いまだに多くの子どもたちがタバコに手を出しているのが現状です。その大きな原因はタバコの自動販売機にあります。タバコ自動販売機は、子どもたちが容易にタバコを購入できる状況を作り出しており、実際に子どもたちがタバコを入手する先は、自動販売機が最多です(総務庁青少年対策本部・青少年とタバコ等に関する調査研究報告書、平成13 年1 月)。

 薬物に手を出した者のほとんどが子どもの時に喫煙を始めていることから、タバコは「入門薬物」と呼ばれており、喫煙行為は子どもたちを非行や犯罪に走らせるきっかけにもなっています。全国の63 万台ものタバコ自動販売機は、子どもの健全育成を妨げる大きな要因となっているのです。

 そもそも「未成年者は吸ってはいけない」と法律で決まっているものを、自動販売機で誰でも買えるように販売している光景は世界の中でも異様であり、法律に違反しています。

 「健康日本21」においては、2010 年までに未成年者の喫煙をなくすことが目標とされていますが、タバコ自動販売機が存在する限り、この目標の達成は不可能と思われます。たとえ自動販売機に年齢識別装置を設けても、これはカードを識別するのみで、使用している個人を識別するものではないため、多くの抜け道があり、未成年者による購入を防ぐことは困難です。

 タバコ自動販売機は、子どもたちが様々な害悪からしっかり守られていない現在のわが国の社会を象徴するものと言えます。子どもたちを様々な危険や害悪から守り、子どもたちが健やかに育って行ける社会環境を築くことが、大人の大きな責任です。そして、子どもたちの健全育成こそ、現在のわが国にとっての最重要課題です。子どもを大切にしない国に未来はありません。

 子どもたちを本当に大切に育む社会を築く第一歩として、我々小児に関わる医師や保健関係者はタバコ自動販売機の廃止を要望します。

 2005 年2 月に発効した「たばこ規制国際枠組み条約」では、タバコ自動販売機に対する厳しい規制を定めています。この条約にはわが国も批准していますが、この条約の下で、わが国のタバコ自動販売機に対して今後どのような対策を講じられるのか、貴省の御見解を伺いたいと存じます。

  年 月 日までにご回答いただければ幸甚です。

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注:要望書提出先の案
たばこ対策関係省庁連絡会議「未成年者喫煙防止対策ワーキンググループ」の構成員である
内閣府(政策統括官(共生社会政策担当)付青少年育成第2担当参事官)
警察庁(生活安全局少年課少年保護対策室長)
財務省(理財局総務課たばこ塩事業室長)
文部科学省(スポーツ・青少年局学校健康教育課長)
厚生労働省(健康局総務課生活習慣病対策室長)

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「子どものための無煙社会推進宣言」採択
 日本小児科学会、日本小児保健協会、日本小児科医会は平成17年3月に「子どもをタバコの害から守る」合同委員会を立ち上げ今回平成17年12月6日に「子どものための無煙社会推進宣言」を採択しました。
 この宣言を基にして、子どもが成育していく場での無煙化社会を実現していくために今後も3団体で協力していく予定です。
 今回、目標達成の一歩として「タバコ自動販売機の撤廃」に関する要望書を関係省庁に提出いたします。

「子どものための無煙社会推進宣言」 (A4/103K)    ←12/10当ブログ掲載
「タバコ自動販売機の撤廃」に関する要望書 (A4/90K)

委員会構成(委員氏名、所属または団体役職)
〔日本小児科学会〕別所文雄(杏林大学)、杉原茂孝(東京女子医大第二病院)、加治正行(静岡県立こども病院)
〔日本小児科医会〕小川英治(副会長)、神川 晃(庶務担当常任理事)、竹本桂一
(公衆衛生常任理事)
〔日本小児保健協会〕○衞藤 隆(庶務担当常任理事)、齋藤麗子(東京都町田保健所)、原田正平(国立成育医療センター) ○:委員長

帰ってきた爆走娘、福士加代子14人抜き

2005年12月19日 | SPORTS
雪の美濃路を走り抜けた全日本実業団女子駅伝実業団女子駅伝:三井住友海上が3連覇、2位は天満屋という結果に終わりましたが、例によって部屋で運動しながら観戦していて結構楽しめました。

収穫は、福士加代子の14人抜きと、優勝した三井住友海上で福士と同じ最長6区を走って区間2位だった大平美樹でしょうか(アンカーは大山美樹、ちょっとまぎらわしい)。大平は大阪を走る予定だということですので、ちょっと期待してみてみましょう。

福士の駅伝快走は何年ぶりでしょうか。以前のゴボウ抜きも“速いな”と思いましたが、今日の走りは、全然速く走っている感じがしないのに17位から3位まで順位を上げて、最後まで余裕たっぷり。前にも書いたかもしれませんが、もう1~2年は五千・一万で頑張ってほしいと思うけど、ハーフやフルマラソンでどういう走りができるのか、あまり遅くならないうちに見てみたいですね。

『初詣ウォーク』参加者募集(八戸)

2005年12月17日 | SPORTS
主催・沖縄まで歩こう会・八戸、
一月二日、新年家族の健康と世界平和を祈念し、六ヶ所の神社を巡ります。
集合・長者山
受付・午前八時~八時半
出発・九時、正午ゴール予定
コース
1)長者山新羅神社
2)神明宮
3)おがみ神社
4)御崎神社
5)大祐神社
6)蕪島神社ゴール、神事の後、甘酒で乾杯し、解散。
小学生以下は保護者同伴。
参加費三百円(中学生以下百円)
申込みは、FAXか葉書にて(以下省略しますがご希望の方には直接メールで連絡しますのでお問い合せ下さい)
定員・五〇名(定員になり次第締め切ります)

「未成年の喫煙防止」には社会的規制を含む包括的な取り組みが必要~日医報告書より

2005年12月14日 | 禁煙・防煙
日本医師会の禁煙推進委員会(プロジェクト)による「未成年者の喫煙防止対策」についての答申が発表になりました。

日本禁煙推進医師歯科医師連盟会長の大島先生を含む委員会の先生方による、私たちが取り組まなくてはいけない課題を簡潔明瞭に網羅した素晴らしい報告書だと感じました。

ここでは、医師会館や医療機関の禁煙化、医師自身の禁煙(※)などについてはごく簡単に触れているに過ぎず、その大部分をさいて、社会的規制の強化やタバコ税増税、禁煙治療の保険適応化など、日常診療の外にある社会的問題の解決に向けて医師会が強いイニシアチブを発揮すべきことが強調されています。
(ちょうどタバコ税増税が、私たちが望んだような「大幅かつ継続的な増税」とはかけ離れた、ほとんど意味のない形で決定したというニュースが飛び込んできたところですが)

本文中にも、
『国際的に見ると、たばこ規制の取り組みは、未成年者に対する喫煙防止教育や喫煙者に対する禁煙治療のような個人の行動変容への働きかけにとどまらず、公共の政策によって実現する環境改善への働きかけへと移りつつある。』
『喫煙は、たばこ会社による広告・販売促進活動によって助長され、未成年者の間に始まる依存症であるととらえる必要がある。未成年者の喫煙を防止するためには、単に未成年者に喫煙防止を働きかけるだけでなく、喫煙するのが当たり前の社会から喫煙しないのが当たり前の社会へと、社会規範を変えていかなければならない。このためには、環境改善への働きかけを含む包括的な取り組みが必要である。この対策には、たばこ価格の引き上げ、公共の場所における禁煙、自動販売機の撤廃などの政策が含まれる。』
と明確に書かれており、私たちの問題意識ともぴったり合致するものです。

(ちなみに、上記のような観点から、11月19日のデーリー東北「追跡こだま」欄に掲載された「未成年の喫煙 地域、学校、家庭で監視を」という記事は全く意味のない時代遅れの最低なものでした。誰が誰に取材したらあんな的外れな記事が出来上がるのか、全くもって理解できません。その前の投書に対する反論を書こうとしているうちに、あのようなとんでもない記事が出てしまったのでした。)

なお、これは日医の委員会から会長への答申であり、会員のみがダウンロードできるページに置かれているのですが、医師以外の医療関係者や一般の方にもぜひ読んでいただきたい内容だと思いました。

本文13ページと長くない報告書ですので、プリントして読んでいただくのが一番なのですが、どうしてもPDFだと印刷せずに画面でもちゃんと読まずに終わってしまいがちだし(←私のこと)、二次利用されにくいので、勝手にHTML化してみました。
http://aaa.umin.jp/data/nichii_kinnen2005.html

赤字、下線、太字部分は私が独自につけたものですのですが、重要なところだらけで真っ赤・真っ黒になってしまいました。
是非ご一読下さい。

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目次
1.はじめに …………………………… 1
2.日本における喫煙の現状 ………… 2
3.包括的取り組みの重要性 ………… 3
4.急ぐべき課題 ……………………… 4
 (1) たばこ価格の引き上げの実現に向けての働きかけ
 (2) 自動販売機の撤廃に向けての強力な働きかけ
 (3) 禁煙治療の制度化に向けての働きかけ
 (4) 学校における喫煙防止教育の強化に向けての働きかけ
 (5) 胎児、乳児、幼児の受動喫煙防止と喫煙開始防止に向けての働きかけ
5.すでに一部実施されてはいるが、さらに強化を求めるべき課題 … 9
 (1) 学校の敷地内禁煙をはじめとする公共の場所における禁煙推進のための働きかけ
 (2) たばこ広告規制の強化に向けての働きかけ
 (3) たばこパッケージの警告表示の強化に向けての働きかけ
6.たばこ規制対策推進に向けての政府と関係組織団体との連携 … 12
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(※)医師の喫煙については、ノバルティスファーマ発行の Smoke Free Today No.18 2005.12「9学会合同禁煙ガイドライン」の記事の中で、
『医療従事者の喫煙率が欧米に比べて格段に高いわけですが「医師の喫煙はタバコの最大の広告である」ということを深刻に受け止めなければなりません』
と書かれています。
私も小中学校で防煙教育の授業をさせてもらってますが、未成年の喫煙は不良や非行などととらえるべきではなく、家庭・地域・社会全体の責任であり、その中で医療関係者の喫煙が及ぼす影響の大きさについて憂慮せざるを得ません。

私が選んだ今年の漢字2005は「流」~愛なき世界に

2005年12月13日 | NEWS / TOPICS
毎年流行語大賞と共にチェックしている「今年の漢字」ですが、2005年は「愛」に決まったとのこと。これが今年を最も象徴した漢字なのか疑問もありましたが、『身近な「愛」から世界規模の「愛」まで、「愛」を育む大切さを感じる中、「愛」が足りない事件が多発した年。11年目を迎える「今年の漢字」に初の“心あたたまる漢字”』との説明にはやや納得。しかし、昨年の「災」が22.8%もの票を集めたのに対し、今年の「愛」は4.7%に留まっており、かなり意見が分散したようです。

私が最初に思いついたのは「流」です。もちろん、スマトラ大津波やハリケーン・カトリーナなどもありますが、小泉改革という大きな波に流されて、気がついてみたら私たちはこれまでと全く違った国に住んでいた、そんなイメージでしょうか。その他に、鳥インフルエンザ・新型インフルエンザも「流感」ということで。。
しかし、20位にも入ってませんね。
2位は改革の「改」、3位は郵政の「郵」か。。

個人的には、ベートーベン「第九」歓喜の歌から「歓」を入れたいのですが、歓びばかりの年というわけではなく、だからこそ歓びを求める。愛に票を入れるのと同じ心境かもしれません。

過去の「今年の漢字」
1995年「震」
1996年「食」
1997年「倒」
1998年「毒」
1999年「末」
2000年「金」
2001年「戦」
2002年「帰」
2003年「虎」
2004年「災」
2005年「愛」

2005年 今年の漢字(日本漢字能力検定協会)
世相表す漢字、トップは「愛」…2位「改」3位「郵」

ハッブル望遠鏡がとらえたカニ星雲

2005年12月12日 | NEWS / TOPICS
A Giant Hubble Mosaic of the Crab Nebula
The Crab Nebula is a six-light-year-wide expanding remnant of a star's supernova explosion. Japanese and Chinese astronomers recorded this violent event nearly 1,000 years ago in 1054, as did, almost certainly, Native Americans. This composite image was assembled from 24 individual exposures taken with the NASA Hubble Space Telescopeユs Wide Field and Planetary Camera 2 in October 1999, January 2000, and December 2000. It is one of the largest images taken by Hubble and is the highest resolution image ever made of the entire Crab Nebula.

#これはすごいですね。驚きのあまり、PowerBookのデスクトップに貼り付けてしまいました。

母親が吸うと子どもも吸う、喫煙の世代間連鎖を断ち切ろう

2005年12月11日 | 禁煙・防煙
 前号(院内報)の続きです、八戸市の4中学校におけるアンケート調査を解析してみてわかったことについてお伝えします。この結果については、11月に札幌で開催される東北北海道小児科医会と、20日に開催される八戸医学会で概要を発表しました。

1)家族の喫煙、特に母親の喫煙の影響

 前号で、中学生の1割弱に喫煙経験があったこと、家族の喫煙者は65.4%で、その内訳は、父51.4%、母22.4%であり、父の喫煙よりも母の喫煙の方が子どもがタバコを吸い始める率が高いことなどをお伝えしましたが、父母の喫煙と子どもの喫煙について、更に検討を加えてみました。

(表1)
       喫煙家族あり 父が喫煙 母が喫煙
喫煙経験のある男子  76.6  53.2  32.5
喫煙経験のある女子  90.2  54.9  62.7
喫煙経験なし(男女) 63.8  51.2  20.3

(数字はいずれも%)

(表2)
 喫煙経験率 男子 女子
父のみ喫煙  10.2 3.9
母のみ喫煙  22.2 21.4
両親とも喫煙 12.5 15.9
両親喫煙なし 7.9  2.7

 女子の喫煙経験者の9割は家族内に喫煙者がいて、母の喫煙が6割にも達していて父よりも高くなっています(表1)。更に興味深いことに、両親共に喫煙者であるよりも、父が吸わないで母が吸う場合の方が子どもの喫煙率は最も高くなり、しかも男女差がほとんどみられないほど女子の喫煙率が上がるということです(表2)。同じような傾向は下北地区(むつ保健所)の調査でも明らかになっています。

 母親の喫煙は、妊娠中の「胎児の喫煙」、授乳による母乳への移行、子育てにおける受動喫煙のいずれにおいても父親の喫煙よりも影響が深刻であるだけでなく、子どもが吸い始める「喫煙の世代間連鎖」においても父親より格段に影響力が大きく、特に娘の喫煙につながり、更に悪循環が続くのです。(父親は吸ってもいいという意味ではありませんよ、念のため)

2)喫煙開始の低年齢化と家族にすすめられて喫煙を開始している実態

 はじめてタバコを吸った年齢は、小6までに7割、小4までに4割で、さらに驚くべきことに、小1~小2で9%、小学校入学前が11%、あわせて2割の子が小2までという小さい時期にタバコを吸っていることです。

 そして、タバコを吸ったきっかけをたずねてみると、「好奇心」と「なんとなく」がそれぞれ3割前後(複数回答可)なのですが、その中で、親からすすめられた子が13.3%、兄姉からが3.9%もいたということです。

3)友人の喫煙の影響

 喫煙する友人がいる生徒は約7%でしたが、喫煙経験率を比較すると、

     喫煙経験率
喫煙友人あり 37.0
喫煙友人なし 6.4

と約6倍も高くなっていたのです。これをみると、多くの親御さんは「うちの子は中学に入って悪い友達とつきあい始めたから…」と言いたくなるようですが、おそらくその友達の親も同じことを言っているのではないでしょうか。要するに、どちらが悪いということではなく、特定の仲間集団で吸い始めているということが示されているのです。

4)朝ごはんと子どもの喫煙

 中学生の13%は週に1日以上朝食を抜いていて、2%の子は全然食べていません。そして、週1日以上朝食抜きの子と毎日食べる子を比較してみると、

        喫煙経験率
週1日以上朝食抜き 17.7
毎日食べる     7.2

と、ここでも2倍以上の明らかな差がみられました。さらに、両群で母親の喫煙率を調べてみると、38.2%対20.1%と、これも倍近い差があることがわかりました。要するに、「朝ごはんと母親の喫煙と子どもの喫煙」の三者は、お互いに相関関係があることが示唆されました。これに対して、父親の喫煙率は52.2%対51.5%でほとんど差がみられませんでした。

まとめ

・八戸市の中学生の喫煙経験率は1割弱と全国平均よりも低かった。
・家庭内の喫煙率は65%と深刻で、家族の喫煙、特に母親の喫煙が子ども(特に娘)の喫煙開始に大きな影響を与えていた。
・喫煙経験者の2割は小2までに喫煙していた。
・喫煙する友人がいると、いない子の6倍も喫煙を経験していた。
・朝食抜きと子どもの喫煙経験率、母親の喫煙に関連がみられた。
・子どもの喫煙は子どもが悪いのではなく、家庭や大人社会の責任!

禁煙治療のススメ

 別紙コピー(新聞記事)にもあるように、いま日本人のうち3000万人は喫煙者ですが、そのうちの7割以上(2000万人以上)はニコチン依存症という病気だと、やっと国でも認めました。(実はタバコ病裁判で国はこのことを否定し続けているのです)

 要するに、禁煙したくてもやめられないのは意志が弱いからではなく、麻薬中毒と同じ「治療が必要な病気」だからなのです。

 また、喫煙者だけでなく非喫煙者にもしつこくはびこっている「迷信(ウソ)」の最大のものは、喫煙は「ストレスを解消する」というものですが、これはニコチン切れの禁断症状が一時的に緩和されたことをそう信じ込んでいるだけです。麻薬中毒患者が麻薬を注射して気持ちよくなるのを称して「ストレス解消」だとは言いませんね。それと全く同じことです。タバコはストレスを解消するのではなく、実は「ストレスを増加させている」のだということを知れば、タバコに対する幻想は一気に消滅します。

 いま、ニコチンパッチという薬を貼るだけで、ほとんどの人は簡単に禁煙を開始することができるようになっています。親の喫煙は、子どものかぜ、中耳炎、喘息、アレルギーなど数多くの病気の原因になったり悪化要因になっています。屋外で喫煙していても、影響は大きいのです。

 「私はやめられない」などと思いこまずに、子どもと家族の健康、そしてご自身の健康と美容のためにも、禁煙への道を踏み出してみましょう。