踊る小児科医のblog

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ホームページ10周年&さよならマックサーバ

2006年02月23日 | こども・小児科
この4月で当院も開院10周年を迎えるわけですが、それに先だって開設されたホームページが1月末で10周年になりました。当時、1996年のはじめですからインターネット、個人ホームページの黎明期でした。

1998年1月にOCNエコノミー(max128K-もちろんそんなには出ない)常時接続にしたのを機に、独自ドメイン(kuba.gr.jp)を取得し、院長室のマックでDNS&Mail&Webサーバを立ち上げました。これまた、当時としては最先端を行ってました。8年前。
その後モロモロの経緯は省略しますが、ADSLの1.5Mにしたのが2002年3月、モア(8Mだっけ?)にしたのが2003年の2月で、いつもこの時期にシステムをゴチャゴチャやっていたようです。

その後3年間は何もせず、HPの更新も滞りがち。
BBSも院内サーバや外部でいくつか使いましたが、2004年からブログに移行。

そして、今年(2006年)の春にかけて、いろんな機会が一緒にやってくるようで、業務で使っているレセコンがメーカーから更新停止宣告を受けたのを機に日医のORCAに乗り替えることになり、同時に3月にBフレッツ(光)がやっと湊高台にも開通するので、こちらも切り替えることにしました(多分4月以降)。

それと一緒に、院内サーバの管理を終えて外部サーバに委託することにしました。もう、そろそろ潮時かなという感じです。歴史的な意義はあったにせよ、個人でサーバを持っていても特にメリットはなくなってきたし、固定IPアドレスを8個使うために払っているお金よりも安い金額でWeb & Mailサーバを kuba.gr.jp のままで運用できますから、一抹の寂しさは残るものの、どちらかといえばやることはやって気持ちよく終えることができたかなと感じています。
(1台は院内のファイルメーカーとファイルサーバとして24時間運用を続けますが)

おおよその順番としては、
1)フレッツADSL/OCN IP8/院内サーバ(DNS&Mail&Web)/レセコン単独 <現在>
2)フレッツADSL/ぶらら/外部サーバ(DNS&Mail&Web)/レセコンORCAと併用 <3月>
3)Bフレッツ/ぶらら/外部サーバ(DNS&Mail&Web)/ORCA <4月>
こんな感じで切り替えていくことになります。

ORCA導入には電子カルテとの連携もにらんでいたのですが、今回は見送らざるを得ませんでした。ついでに、医師会検査センターから貸与されている端末の交換(4月以降)があり、日常的に使っているマック(現在は古いPowerBookG3)も寿命のようでiBookを1台買わざるをえず、初代iMacも電源系の不調で現在起動テストを繰り返している状態(こちらは価値のあるものなので、できれば稼働状態で保存したいところですが)。いずれにせよ、出費が嵩み頭が痛い。。(ランニングコストは下がることになりますが)

なお、切り替えに際してホームページやメールの利用に手間取ることはないはずですが、その前に念のためアナウンスします(アドレスはいずれもこれまで通りで変更はありません)。もちろん、このブログはgooですから関係なく継続して使えます。

一部のページ(リンク集と感染症情報)はファイルメーカーのWEBサーバ機能を使っていたので、公開できなくなります。別の形での構築を考えているところです。

当時、サーバ管理の知識を得るために毎日のように勉強したWeb Scripter's Meetingも、久しぶりに訪れてみたら2006年1月16日をもって終了していました。やはりそういう時期なのだとあらためて実感。
個人のメモとして作成した「マックサーバとOCN関連リンク」も、リンク先で残っているページはほとんどありません。(歴史的な「ゴミ」としてこのページは残しておきますが)

冬の折り返し点「八戸えんぶり」

2006年02月17日 | ART / CULTURE
何だかんだ言っているうちに(というかこちらをサボっているうちに)えんぶりが始まってしまいました。今年はこどもたちも小学校を卒業してしまい、直接参加する立場にはありませんが、1回だけ地元公民館で出させてもらうことになっています。ただし、私は講習会で東京に行っていてみられないのですが。

春を呼ぶ摺り/八戸えんぶり開幕
→大きな画像(WEB東奥)

「春を呼ぶ」と言われているえんぶりも、当日は撮影日和で雪が残っていることが多いのですが、今朝はちらほらと舞っていたものの、そのまま積もらずにやみました。今週前半は暖かい日が続きましたが、今日は少し寒さが戻ったようです。えんぶりが終わると、まだまだ寒い日や雪の日もありますが、冬の折り返し点を確実に通り過ぎたという実感がわいてくるはずです。とりあえず、道の雪や氷がなくなって、ジョギングを再開したいところ。。

八戸えんぶり公式サイト(携帯向けコンテンツのみ)
八戸えんぶり(デーリー東北)
八戸えんぶり(八戸市)
八戸えんぶり(まちの駅はちのへ)
B-1グランプリ B級ご当地グルメの祭典(八食センター)

皇室の母子を苦しめる天皇制、もういいんじゃないか

2006年02月09日 | NEWS / TOPICS
皇室典範改正問題と“紀子さまご懐妊”ニュースでにわかに政治マターとしての色彩が濃くなってきましたが、妊娠、出産、赤ちゃんの誕生という喜ぶべき出来事を、このように国民や政治家が色眼鏡で注視している、ことに興味の対象はその性別(というか“男かどうか”)一点に絞られている状況をみるのは非常に心苦しく腹立たしい思いです。
私たちの世代は天皇、皇太子・秋篠宮、その子どもたちと親子孫ともほぼ同じ世代なので、より強くそのように感じるのかもしれません。

いままでに数回このブログで取り上げて、前回は「これで最後にする」と書いたのに最後にできませんでした。そこに書いたように、有識者会議の報告を基にした政府案(女性・女系天皇・直系第一子)は、「天皇制を存続させる」ためにはこれしかないという案で、なおかつ(見る人によっては)「天皇制を崩壊させる」案でもあるわけです。そのように主張している人たちの考えでは、更に早く崩壊することも確かなので、今度生まれてくるはずの赤ちゃんの性別がどちらであろうと、将来の結果は同じなのかもしれません。

首相「皇室典範改正しないと天皇制維持難しい」
>小泉首相「皇室典範を改正しなければ、天皇制の維持は難しいということは、議論すればわかる」
これまで5年間にわたる小泉政治やその政治姿勢のほとんどは支持できないものばかりでしたが、この点に限ってみれば、首相の言っていることは筋が通っている。わけのわからない「伝統重視」連中は、物事を論理的に考えることができない人たちだということはすぐにわかるはずです。

しかし、女の子なら今度はまた「すぐに改正を」となって、男の子なら数十年先送りを主張する連中が幅を利かせてくる。そして、“皇太子・愛子派”と“秋篠宮・新皇子派”の争いになってくる。両家を取り巻く関係や、雅子・皇太子妃と紀子・次期皇太子妃のバランスも崩れてくる。そのなかでお互いの悩みも苦しみも深くなるかもしれない。

ちょうどタイミングよく昨日のNHKで壬申の乱のことを取り上げてましたが、“万世一系の伝統”なる天皇制も、長年の兄弟、親子、叔父甥の血肉をわけた争いのもとに成り立っているわけで、何もありがたがっていつまでも「基本的人権も何の自由もない特殊な家に生まれてしまった子どもたち」を増やし続けることもないでしょう。

もうやめましょうよ。
赤ちゃんが生まれる生まれないとか、性別がどうのでこんな大騒ぎをするのは。
そして、必然的にそのような非人道的な苦しみを生み出すシステムを維持するのは。
国民と政治家が、真剣に考えるべきときに来ていると言えるでしょう。

女性・女系天皇は天皇制の永続化か、崩壊の第一歩か [ NEWS / TOPICS ] / 2005年11月25日
女性天皇問題は愛子ちゃん成人後に先送りせよ [ NEWS / TOPICS ] / 2005年10月06日
女性天皇問題:職業選択や恋愛・結婚の自由もないお姫さまたち [ NEWS / TOPICS ] / 2005年06月07日

二段モーションと茶髪・髭・ピアス禁止(2006プロ野球)

2006年02月08日 | SPORTS
今年のプロ野球もいろいろな話題がある中、今月からキャンプが始まってニュースを賑わせているようですが(さすがにトリノオリンピックが終わるまでは脇役扱い)、私が注目しているのはまず「二段モーション禁止」。

岩隈、フォーム修正に全力 二段モーション28日に禁止基準
>二段モーションはもともと公認野球規則で禁止され、ボークになる。
>プロ野球はその適用が甘いと言われ、打者のタイミングを外すなどの目的で、
>二段まがいの動作をする投手が少なくなかった。
>だが、アマチュア側が、国際大会の増加を受けて「プロが見本を」と厳格適用を要望していた。

こんなの当然というか、遅すぎたくらいですよね。誰が最初に始めたのか知らないけど、私はずっと「ありゃボークだろう」と思ってました。昔から、堀内、江夏、小松、郭泰源、工藤、ダルビッシュのような流れるようなフォームが理想とされ、怪我も少ないとされてきたのに、ナゼか野村監督は「投手が長年のフォームを急激に変えれば、ひじや肩に故障が出かねない」とここでは甘いことを言ってますね。(単純に戦力ダウンになるのを恐れているだけか)

その野村監督の復帰も話題ですが、注目の二つめがこれ。
両方とも岩隈がターゲットになっているのも可笑しいというか自業自得と言うべきか。。

茶髪、ひげにお別れ…野村監督を迎えた楽天
>常々、「人間的成長なくして進歩なし」と説く球界の大ベテランには、
>茶髪などは「なぜわざわざ自分の印象を悪くする必要があるのか分からない」
>という独特の価値観がある。
>さらに、「規律を守るのは最低限の義務」として徹底するようクギを刺した。

こんなのも、当然ですよね。この読売の記者は「独特の価値観」と書いているけど、それがごく当たり前の価値観でしょう。プロ野球選手のようなごつい体格で茶髪でヒゲでピアスをしている若者を見かけたら、お近づきになりたくないと感じるのが普通だし、あれが格好いいつもりなのかもしれないけど「なぜわざわざ自分の印象を悪くする必要があるのか」と言われている意味を、茶髪/ヒゲ/ピアスの若者は老人の妄言などと思わずに素直に受け止めるべきでしょう。

仲間由紀絵だって黒髪、あの浜崎あゆみも黒に戻したし、サッカーのイタリア代表も全員黒髪。そのイタリアリーグで日本の選手がヘンテコな茶髪(金髪)でプレーしているのをみると、なんだか情けなくなります。

「世界の非常識」タバコ病裁判判決と日本列島縦断禁煙ウォーク

2006年02月03日 | 禁煙・防煙
コメントするのが遅くなりましたが、先週、「たばこ病訴訟:原告側敗訴が確定 最高裁が上告棄却決定」という判決がありました。高裁判決が出てから、最高裁で逆転勝訴になるのは難しいかと思ってましたが、この「世界の非常識」判決が判例として確定してしまうという事実に、あらためて驚かされますね。

ちなみに、
たばこ会社に94億円賠償 米オレゴン州最高裁が命令
こんな判決もあったようです。一人の患者(遺族)に94億円です。
金額はともかくとして、こういったところでこそ「対米追従」してほしいものですが。。

敗訴したフィリップモリスのHP(下記)をみると、もうタバコの依存性について争うなどという時代はとうの昔に過ぎ去ったことがわかるわけですが、日本の裁判官は海外に行って笑いものになるという経験がないのでこういう判決を平気で出せるのでしょうね。科学やその他の学問、経済、政治にせよ、全てグローバル化した世界で、いつまでタバコに関してだけこんな鎖国政策を続けるつもりなのでしょうか。(FCTCを批准したのはポーズだけか?)

タバコについては面白いニュースもあります。昨日情報を得ました。

WALK AGAINST TOBACCO 2006
愛媛在住のオーストラリア人である看護師・英語教師のMARK GIBBENSさん夫妻(奥様は日本人)が「喫煙の危険、受動喫煙の危険をもっと多くの人に知ってもらう為、たばこについて伝えながら九州から北海道まで3000kmを」3か月かけて歩くというイベントで、6月17日に八戸に到着します。こちらでもサポートやミニイベントなどを考えたいと思ってますので、こちらをごらんの皆さまにもご相談したり、参加を呼びかけてたいと思います。(まだ何もきまっていません)

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喫煙の健康への影響について
「喫煙と依存性について: 喫煙には依存性があるというのが医学・科学上の圧倒的多数の見解であり、当社はこの見解に同意しています。」
依存性について
「米国食品医薬局の報告
喫煙には依存性があります。 喫煙と依存性について、米国食品医薬品局(US Food and Drug Administration)が1995年の報告書で発表した結論は以下のとおりです。
・喫煙者の87%は毎日喫煙している
・喫煙者の約3分の2は、起床後30分以内にその日最初のたばこを吸っている
・1日20本以上たばこを吸う人の84.3%が、喫煙本数を減らそうと試みて失敗している
・禁煙に真剣に取り組む人でも、その1年後にたばこをやめている可能性は5%以下である
・現在、喫煙者の70%が完全に禁煙したいと言っている
・1日に26本以上喫煙する人の83~87%が、自分はたばこに依存していると考えている
・肺がんの手術を受けた喫煙者のほぼ半数が、再び喫煙を始めている
・喉頭を除去した喫煙者のうち、その40%が再び喫煙を始めている
・禁煙を強く望み、最適な療法を受けている成人でも、1週間程度の禁煙に成功することができたのはそのわずか半数に過ぎない。ニコチン代替療法をやめた後では80%以上の人が禁煙に失敗している
・最近の主な研究では、少なくとも75~90%の喫煙者が、主要な公衆衛生機関が定義する依存の基準に該当する、との結論が出されている
世界中で多くの保健当局が同様の報告を行っており、その結論は明らかです。喫煙には依存性があります。」

ON LINE QQ こどもの救急ホームページ(日本小児科学会)開設

2006年02月02日 | こども・小児科
子どもの救急、公式サイトで判断に目安 小児科学会(2006年01月30日 朝日)と報じられていたように、標題のようなホームページがオープンしました。症状毎にチェックポイントをチェックして、それによってすぐ受診するか、様子をみるか、その場合の注意点などが表示されるなかなか良くできたページだと思いますので、是非ご利用下さい。

ON LINE QQ こどもの救急ホームページ(日本小児科学会)
http://kodomo-qq.jp/


詳しくは記事やホームページを直接ご覧いただきたいと思いますが、「このサイトについて」を開くと『このホームページには大きな目的があります。それは、「小児救急医療受診者を減少させる」ことです。おかあさん方にしてみれば、「こどもが病気になったとき、いつでもどこの病院でも適切な診断・治療が受けられるようにして欲しい」という思いがあり、この目的を疑問視する方もいるかもしれません。しかし、小児救急医療は現在厳しい状況におかれており、ぜひとも、今すぐにおかあさん方にご協力いただきたいのです』と書かれていて、さらに、
 小児救急医療の現状
 (1)増加する夜間や休日の時間外受診者
 (2)減少する小児科
 (3)なり手が減少している小児科医
 (4)過酷な状況におかれている小児科医
 医療サイドができること 患者さんサイドができること
について説明されています。

今までにも、プッシュホンによる電話案内やら、東京都の小児救急HPやらありました。また、現在小児救急24時間態勢や各県での電話相談事業(この件については別に触れるつもりです)などの取り組みもありますが、一長一短でそれぞれ問題を抱えています。八戸では急病診療所に毎日小児科医が出動する体制になっていますが、「全体の夜間の小児患者を増やすだけで病院にかかる時間外患者は減らないのではないか」という懸念が現実のものとなっています。いわゆるコンビニ医療に対応するために小児科医が消耗してなり手が減少するという悪循環を断たなければこの問題の解決はないという認識は病院勤務医のみならず開業医を含めた小児科医共通のもので、小児科学会のHPもそのようなことで作られたものです。

話は少しかわりますが、十和田市の県議補選に出馬表明した候補の公約に「中央病院への産科医配置」があげられているのに暗澹たる気持ちになりました。票集めのために選挙で公約したり、署名運動したり、大学に働きかけたり、そういったことで解決するような問題じゃないんだということが、まだ共通の認識になっていないのか…。

検証 医師不足 -地域医療の危機- 第1部「産科医がいない」

インフルエンザの診断、治療、合併症、登園・登校

2006年02月01日 | こども・小児科
症状 年長児や大人で典型的な場合は、突然の高熱と頭痛、関節痛などから始まり、全身の倦怠感が強く、咳は熱のピークが過ぎてからも日を追って強くなります。いったん下がりかけた熱が4~5日目にかけて再び高くなるのが特徴です(二峰性発熱)。

合併症 気管支炎・肺炎、中耳炎、熱性けいれん、脳炎・脳症などがあり、流行状況やウイルスのタイプによっては、脳炎・脳症で亡くなる子が全国で多発することもあります。インフルエンザではうわごとや譫妄(せんもう)状態などの精神・神経症状を起こすことがあり、熱性けいれんも持続時間が長くなりやすく、いずれも脳炎・脳症の初期症状との区別がつきにくいため救急外来(23時までは急病診療所、それ以降は輪番病院=消防案内参照)を受診した方が無難です。発熱などの主な症状だけのときには、夜間に救急外来を受診しなくても、翌朝一番にみせてもらえば大丈夫です。

診断 典型的な症状・経過で、周囲の流行もはっきりしていれば、全ての人に検査する必要はありません。また、乳幼児では症状や経過で判断するのが難しい場合もあります。インフルエンザの迅速検査は、流行の初期やピークを過ぎた後、症状・経過だけから他の風邪との区別がつきにくい場合などに行いますが、検査結果で100%全てがわかるわけではありません。

 1)検査で陽性(+)→インフルエンザの診断はほぼ間違いない
 2)検査で陰性(-)→インフルエンザの可能性を否定できない

 熱が上がってからの時間が短いときや、鼻水がまだあまり出ていないようなとき、綿棒で鼻の奥の方までちゃんとこすれなかったときなどには、本当はインフルエンザなのに検出されない場合があります。そういうわけで、検査の時には鼻の奥が少し痛くなる程度に3回くらいこすり取ることになりますが、必要な手技ですのでご容赦下さい。

 なお、昨年、一部の学校でA型とB型を区別するために検査結果を報告するように言われたケースがありましたが、医師会から教育委員会に申し入れて、全員にそのような検査をする必要はないことを確認してあります。

治療 抗インフルエンザ薬である「タミフル」が中心になります。漢方薬の「麻黄湯」もタミフルに劣らず発熱の期間を短縮することがわかってきており、特にタミフルが使いにくい乳児には用いられます。合併症として気管支炎を起こしているような場合には、抗生物質も処方します。(タミフルは最初の3日までで、耐性ウイルスの出現を考えてそれ以上長くは使いません)

 タミフルを使うと、通常3-4日続く最初の高熱が1日半から2日間ぐらいに短縮されて軽くすむことが多いのですが、すぐに下がった場合でも、二峰性の発熱がみられたり、咳がひどくなったり、疲れやすかったり、症状がぶりかえしたりすることがありますので甘く見てはいけません。

副作用報道について 一部の新聞でタミフルを服用したインフルエンザの子が錯乱症状を伴って死亡したことがタミフルの副作用として報道されましたが、厚生労働省や日本小児科学会の見解でも、タミフルとの因果関係ははっきりしない(否定も肯定もしない)とされています。

 元々、上記のようにインフルエンザでは精神・神経症状をともないやすい上に、3年ほど前から日本国内ではインフルエンザの患者さんに対してかなりの高い割合でタミフルが投与されています。この場合、タミフルが原因なのか、インフルエンザそのものの合併症なのかを区別するためには、タミフルを服用した群と服用しない群で統計学的に比較する必要がありますが、現状では困難です。

 よって、いずれの場合でも精神・神経症状の出現に注意をする必要はありますが、特にタミフルの使い方についてこれまで以上に慎重を期する必要はないというのが現段階での見解です。(ただし、このように高い割合で検査してタミフルが投与されている国は世界中で日本だけだということも留意しておく必要はあるでしょう)

 なお、タミフルは1歳未満の乳児には安全性が確立していないため慎重投与となっていますが、全国の小児科医が参加した調査でも、それまで乳児に投与した例で特別の副作用が多いという結果はみられておらず、兄弟での発症例や、1歳近い子で重症感のある場合など、必要に応じて相談の上でタミフルを使うこともあり得ます。それ以外は麻黄湯で対処してみましょう。

登園・登校 インフルエンザの出席停止期間は、熱が下がってから最低2日以上とされていますが、タミフルですぐに下がった場合でも、上記のように諸症状が続くことが多いので、目安としては症状の出始めから5日~1週間は休んで、咳や食欲、体力が回復したのを確認してから登園・登校させた方がいいでしょう。インフルエンザは、日常的に子どもがかかる感染症の中では別格に「強い感染症」であり、急性期が1週間、回復期が1週間、あわせて2週間かかる病気と考えて、なるべく長く休ませるようにして下さい。

 「○日に大事な○○に出る必要がある」のであれば、なおのことしっかりと長く休ませることです。あせって早めに行かせると、かえって長引かせたりぶり返させたりして、「大事な○○」に参加できなくなってしまいます。