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「詭弁・誤魔化し・先送り」は日本人の文化(某業界紙掲載予定原稿)

2019年04月26日 | 東日本大震災・原発事故
 環境部(※)では原発・核燃問題とタバコ問題を扱ってきたが、いずれも労多くして功少なく、関わるのは馬鹿だと思われている。

 反論はもちろん可能だ。喫煙により年間十数万人が死亡し、受動喫煙でも七十数名がSIDSで死亡している現在、禁煙活動により数多くの命を救ってきたことは確かだ。

 福島原発事故が現実のものとなっただけでなく、原発輸出頓挫、もんじゅ廃炉、高速炉計画も見通しが立たず、原発・核燃サイクルが破綻したいま、反核燃活動に終結宣言を出しても良いはずだ。

 しかし、現実はそうはなっていない。

 2012年に民主党政権の原発ゼロ政策に対して六ケ所村と青森県が反旗を翻して以来、現実に目を瞑って詭弁・誤魔化し・先送りを繰り返し、「原発・核燃サイクル推進」というお題目を取り下げることは不可能となった。

 立地4市町村への国の援助が予算化されたが、誤った治療による瀕死の患者に、同じ治療を続けながら対症薬を投与するのに等しい。

 実際に、大間原発が稼働する可能性はゼロに近く、電源開発もリスクの高い大間から撤退する機会を探っているはずだ。生き残り策はダークツーリズムくらいしか思いつかない。

 むつ市の中間貯蔵施設に核燃料税目的で使用済み燃料を搬入する可能性を考えても、第二再処理工場を前提とした非現実的な契約を破棄して、再処理もされず最終処分の見込みもない半永久的な貯蔵を認めるとは思えない。

 世耕大臣はMOX用の再処理工場は断念していないと言い逃れた。福島のデブリをどこに搬出するのか、誰も議論しようとはしない。

 繰り返される詭弁を笑い飛ばす気力も失せた。戦艦大和のように誰も責任をとらず破綻まで突き進むのに従う義務はない。

 従来型の活動から脱却して『核燃サイクル後の青森』で求められる活動を吟味し、政府を置き去りにして言論や行動で現実を動かしていくべきだ。



※青森県保険医協会環境部のこと

(青森県保険医新聞5月1日号掲載予定)

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