新潟の野鳥・フィールドノート

新潟で観察した野鳥を写真で紹介します.野鳥の日常生活に光を当てられたらいいなーと思っています.

オオムシクイ 現在北上中

2015-06-09 05:34:18 | ムシクイ科
 オオムシクイ 学名・Phylloscopus examinandus 英名・Kamchatka Leaf Warbler

 オオムシクイは,新潟では旅鳥で,春の渡りでは5月の下旬から6月の初旬にかけて多数が北上してゆきます.

 僕の記憶の中では,オオムシクイとニセアカシアの花が強く結びついていました.例年,ニセアカシアの若葉が伸びるとオオムシクイのさえずりが聞こえ始め,花の満開の時期がオオムシクイの渡りの最盛期と重なっていたからです.しかし,今年は暖かな日が続いたせいか,ニセアカシアの開花が早まったようです.オオムシクイの渡りも早まるかと予想したのですが,オオムシクイの暦のほうが正確でした.というよりもオオムシクイの渡りが若干遅れ気味のようです.花が散ってしまった5月29日,新潟市の海岸松林で今年最初のさえずりを聞きましたが,その数は少なく,その後も増えてゆく様子が感じられませんでした.6月5日,ようやく降るようなさえずりを聞くことができました.「チチブ,チチブ」と聞こえるさえずりはやや高く,「ジジロ,ジジロ」と聞こえるさえずりはやや低く聞こえます.間に「ジッ,ジジッ」や「リュッ,リュッ」と聞こえる地鳴きを挟みます.6月7日,新潟市西蒲区の角田山,6月8日,南蒲原郡田上町の護摩堂山でも多くのさえずりを聞きました.オオムシクイの北上が最盛期を迎えたようです.

 オオムシクイは,日本鳥類目録改訂第6版まではメボソムシクイという種の中の一亜種,コメボソムシクイとされていましたが,同目録改訂第7版ではメボソムシクイという種から独立したオオムシクイいう種に分類されました.メボソムシクイ,オオムシクイ,コムシクイは,形態が非常に似通っており,野外での姿による識別は困難とされています.そのため,種独特のさえずりや地鳴きで判断するのが一番確実なようです.ここに紹介するオオムシクイも最終的にはさえずり,地鳴きで識別しています.

 
オオムシクイ.
撮影日時 2015.06.05 撮影場所 新潟県新潟市


オオムシクイ.上と同一個体.
撮影日時 2015.06.05 撮影場所 新潟県新潟市


オオムシクイ.上と同一個体.
撮影日時 2015.06.05 撮影場所 新潟県新潟市


オオムシクイ.上と同一個体.
撮影日時 2015.06.05 撮影場所 新潟県新潟市


オオムシクイ.過去の撮影画像.
撮影日時 2011.06.03 撮影場所 新潟県新潟市