手話通訳者のブログ

田舎の登録手話通訳者のブログです。

ヤングたいし/みっともない手話通訳者

2015-01-26 04:53:28 | 日記
手話を学び始めた頃、よく、手話通訳を見に行った。
自分が手話通訳者になってから、聴者に自分が通訳しているところを見られるのは非常に不愉快だと解ったのだが・・・
まあ、当時はとにかく、手話を学ぶ、特に手話通訳を学ぶ場が皆無だったから、許していただきたい(笑)

この時、非常に不満に思ったことがある
通訳を始める前に、
「私、手話下手でごめんなさい」
と言う手話通訳者がいるのだ。
こういう通訳者を、エクスキューズ(言い訳)通訳者、と呼ぶことにした。


ちょっと、考えてもらいたい。

あなたが、癌になって手術を受けることになった、としよう。
いざ、手術の時になって、執刀医が来て、
「私は経験が浅く、技術不足ですみません」
なんて言ったら、どう思うだろうか?

「ふざけるな! 担当医を変えてくれ!」
と言いたくなるのではないだろうか?


みっともない。俺が手話通訳者になったら、絶対にあんなことは言わへん!
そう誓った。


実際に手話通訳者になって、エクスキューズ通訳者の気持ちがよく解った。
幸か不幸か、俺は試験に一発合格してしまったため、明らかに未熟者のまま手話通訳者となった。
現場に出る時の緊張といったら・・・
ひざが笑う、というやつだ。
たたでさえ未熟者なのに、緊張しているのだから、まともな通訳なんてできるわけがない。
申し訳ない、情けない、無様だ・・・
通訳している間ずっと、心のなかでつぶやきが止まらない。

自信喪失なんて、生易しいものではない。
自信なんてもともとない。
ボロボロになった。

このような醜態をさらした後、次の通訳に行く時、言い訳したい気持ちが非常に強くなった。
手話の勉強を始めて、まだ2年にもならへん。まともな通訳ができるわけがない・・・
言い訳の言葉がのど元まで上がってきたが、必死で飲み込んだ。



あれから30年。
今でも、エクスキューズ通訳者はいる。
気持ちは解るが、言い訳の言葉は意地でも飲み込んでもらいたい。




手話通訳者のブログ/報告とお礼

2015-01-26 04:51:47 | 日記
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ありがとうございます。

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