手話通訳者のブログ

田舎の登録手話通訳者のブログです。

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手話通訳士/社会福祉法人聴力障害者情報文化センター

2015-11-30 07:20:49 | 手話
http://www.jyoubun-center.or.jp/slit/
上記サイトからの抜粋。

資格制度の概要

1.「手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)」とは

厚生労働省の調査(「平成18年身体障害児・者実態調査」)によると、我が国の「聴覚・言語障害者」の数は36万人(者:343千人、児:17.3千人)であり、そのコミュニケーション手段として、「手話・手話通訳」や「筆談・要約筆記」等が活用されています。

手話により聴覚障害者等とその他の者の意思疎通を仲介することを「手話通訳」といい、「手話通訳」を行う者の手話通訳に関する知識・技能について審査・証明を行うのが、「手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)」です。


上記、
“我が国の「聴覚・言語障害者」の数は36万人(者:343千人、児:17.3千人)であり、”
というところに注目していただきたい。
聴覚障害者と言語障害者では障害の特徴もニーズも全く違うのに、ずっと一括りにされている。
これは大問題だと思う。

例えば、手話通訳者派遣制度がない地域で、新たに制度を創設しようとすると、いきなり壁にぶつかる。
「需要(利用)予想」が全くできないのだ。
具体的に言えば、手話通訳者を必要とする聴覚障害者の人数が把握できない。
さらに、個人情報保護法が邪魔をする。
正確に言えば、法律そのものには問題がないが、運用が拙劣なのだ。
役場なら、地域住民の状況を把握している。
障害者手帳の申請窓口なのだから。
でも、手話通訳者派遣制度創設のためという理由があっても、「聴覚障害者数」は公表しない。臆面もなく“個人情報は開示できません”と言ってくる。
実に馬鹿馬鹿しい。



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手話世界の入口はパナマにある

2015-11-29 00:21:34 | 手話
お知り合いの年配のろう者を思い浮かべていただきたい。
その方は常に手話で話をされる方で、ほとんど口話をしない方だとする。
気持ちよく晴れた休日の正午、あなたは街を歩いている。
その時、その年配のろう者とバッタリ会った。

あなたが、「もう昼食済ませた?」と聞くと、彼(又は彼女)は「終わった」という手話をした。
この時、彼(又は彼女)の口形は「パ」になっていないだろうか。

また、あなたの手話がよく判らなかった彼(又は彼女)が「何?」と手話で聞き返して来た場合、口形は「な」になっていないだろうか。「なに」じゃなくて、「な」。

あるいは、彼(又は彼女)が、「まだ」と応えた時、口形は「ま」になっていないだろうか。「まだ」じゃなくて、「ま」。

上記のシーンに限らず、年配ろう者の口形は、いろいろあるにしても、上記3つを見る頻度は、他の口形に比べて高いと思うが、どないでっしゃろ?

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手話通訳の収支

2015-11-28 08:39:25 | 手話
サラリーマンなど、仕事を持っている人で、
「手話通訳の資格をとって、土日などに活動して通訳報酬をもらい、生活費の足しにしよう」
と考えている方、やめた方がいい。
足しにはならず、むしろ赤字になる。

専業主婦の方でも、「手話通訳活動での報酬で生活費の足しにしよう」と考えたら、後で大きな誤算であったことに気づくだろう。

例えば、統一試験に合格して、「さあ、通訳活動するぞ」と思ったら、まず、全国手話通訳問題研究会(以下、全通研)に入らなければならない。表向き、加入は任意だが、実は強制加入である。
なぜなら、派遣者が、非会員には公的通訳をさせないからである。
(厳密に言えば都道府県によって違いはあるが、まあ、強制加入と思って間違いはない)

全通研の年会費、1万円。
全通研に加入すると、自動的に全通研傘下の都道府県別の手話通訳問題研究会(以下、通研)のメンバーとなる。
通研はそれぞれで運営しているから、事務局や会計などの役割が必要となる。
会員はそれぞれ役割を果たすわけだが、例えば会計を数人で担当するなら、最低でも月に1回、メンバーで集まって業務を行うことになる。交通費を始め、ファミレス等で打合せするなら最低でも飲み物は注文しなければならず、それらのコストがかかる。
最低でも月に1回は研修に参加する。研修は終日やるものが多く、昼食は会場で注文して弁当を食べるか、近くの飲食店に行くことになる。それらすべて自腹である。
自発的に書籍やDVDを買って勉強すれば、月に1万円は軽く超える。

晴れて有資格手話通訳者となった段階で、まず、金がかかるのである。
これらを手話通訳報酬でペイするためには数ヶ月を要する。
いや、おそらく、きちんと収支計算したら、いつまでたっても赤字のままだろう。

ここまで読んでいただけばお解りいただけるだろうが、手話通訳は限りなくボランティアに近い。
一応、報酬とか手当という名目で手話通訳者に支払いがされるから完全なるボランティアではないため、「有償ボランティア」という妙な名称で呼ばれることもある。
上記は金銭的なことだけを書いたが、時間コストはさらにすごい。


女性の社会進出が進んできてはいるが、今でも家庭の大黒柱は男である場合が多く、上記の経済的事情から見ても、男性通訳者が少ないのは自明である。


自然な流れとして手話通訳者の大部分は女性となっているが、子供が大きくなってきて高校や大学に進学する頃になると家計は最も苦しい時期を迎える。
残念ながら、経済的事情で手話通訳活動をストップせざるを得なくなるケースが多い。
では、家計が苦しい数年間を乗り切ってから、手話通訳者として現場に戻れるだろうか。
もちろん、戻ってきて活躍されている方々もおられるが、戻れない人の方がずっと多い。
手話は使っていなければ忘れてしまう。


手話通訳者がなかなか増えないのは、当然過ぎるほど当然なのだ。



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手話通訳者と西部劇

2015-11-27 01:47:29 | 手話
マカロニウエスタン、なんて言っても、若い人達は「何それ?」って反応やろな。
目にもとまらぬ早撃ち、カッコよかった。

ガンマンが腰にホルスターをつけているその位置に、携帯電話をぶら下げている。
着信から0.3秒で内容を確認、ろう者からの連絡の場合は30秒以内に返信する。
「たいしさん、めちゃくちゃ返信早いですね」
と驚かれる。
ただし、当然ながら、手話通訳中は返信しない。
手話通訳してる時はマナーモードにするか、電源を切って、携帯電話はしまっておくのが当然。

「だから何だっちゅうねん?」

手話通訳者なら、ナンバーワンを目指そうやないか。
くだらんことでもいい。
メール返信のスピードなら、聴覚障害者情報提供施設も全部ひっくるめて、日本一ではないか、と思っている。

「通訳技術でナンバーワンを目指さんかい!」

頑張ります・・・

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手話通訳の現場から

2015-11-26 07:29:49 | 手話
スキー指導員養成講習の通訳に行った。
身体障害者スポーツの発展は目覚しい。ろう者でも資格をとって指導にあたっている方もたくさんおられる。
待ち合わせ場所で、申請者さんに会った。

申し訳ないけど、正直言って、自信ありません。
スキーに関しては全く素人だし、スポーツそのものに関心が薄く、完全なスポーツ音痴です。
「そうだよね。解ります。単に手話ができる、というだけでは難しいと思う」
資料を見せてもらって思ったのですが、今回は上級指導員の専門コース。今まで、初級から中級まで、講習を受講されていますよね?ずっと、手話通訳者派遣申込をされていたんですか?
「いや、正直言って、公的派遣で派遣されてくる通訳者では無理があると思っています。今まで、スキーが得意な手話通訳者に個人的に頼んでいました」


手話通訳者の世界は狭い。「スキーが得意な手話通訳者」と聞いて、ああ、あの人か、と判った。

スキーが得意な手話通訳者、Gさんですよね?
「えっ、なんで判るんですか?」
現役で活動している手話通訳者、少ないですから(笑)
ちょっとした特徴を聞いただけで、個人が特定できてしまう、狭い世界です(笑)
Gさん、今日は都合が悪かったんですか?
「なんか入院されたみたいで・・・仕方なく、初めて公的な手話通訳者派遣申込をしました」
なるほど・・・
予めスキーに関する手話を調べてきましたが・・・(自分で用意してきたスキー手話資料を見せる)
講習会で多用されそうな単語はどれでしょう?
「うーん、今日はスキーそのものの講習ではなく、指導者用の専門コースだから、いわゆるスキー用語はあまり関係ないと思う」
そうですか・・・


想像していた通り、非常にしんどい通訳となった。申請者さんに対して、申し訳ない限り。
終了後、申請者さんと話をした。
自分の考えを話して、申請者さんからも「うん、その通り」と言われたことが2点。
(1) 手話通訳は手話そのものだけでなく、バックボーンとしての知識(今回ならスキー知識)が重要
(2) 連続した講習会の場合、手話通訳者は同じ人が続けるのが望ましい

上記(1)のバックボーン知識に関して、派遣者が一人ひとりの手話通訳者のそれを把握することは無理。
結論として、申請者側で手話通訳者を探して、手話通訳派遣申込の際に指名するしか方法がない。
適任の手話通訳者がいない場合、同様の講習会の際には同じ通訳者を常に指名すれば、この通訳者が慣れてくるに従って、手話通訳の精度は向上する。


「今回は一連の指導者養成講習の最終回。僕は今後、スキー講習に関して手話通訳者派遣申込をすることはないけど、後輩たちが受講する時、手話通訳者を指名するように助言します」


また一人、手話通訳者指名に賛同してくれる申請者を見つけた。


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