手話通訳者のブログ

田舎の登録手話通訳者のブログです。

障害者基本法

2015-01-10 21:42:43 | 日記
(施策の基本方針)
第十条  障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策は、障害者の性別、年齢、障害の状態及び生活の実態に応じて、かつ、有機的連携の下に総合的に、策定され、及び実施されなければならない。
2  国及び地方公共団体は、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を講ずるに当たつては、障害者その他の関係者の意見を聴き、その意見を尊重するよう努めなければならない。




手話世界において、この基本方針はほとんど守られていない。
だからこそ、高松市で裁判が起こったのだ。

高松市裁判について、詳しくはこちら。
http://takamatsu-haken.jimdo.com/

「障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を講ずるに当たつては、」という部分を手話世界にあてはめれば、
「手話通訳者派遣制度の要綱や運用ルールを作る場合は」
ということになる。

「障害者その他の関係者の意見を聴き、その意見を尊重するよう努めなければならない。」という部分を手話世界にあてはめれば、
「聴覚障害者や聴覚障害者団体、及び手話通訳者の意見を聴き、その意見を尊重するよう努めなければならない。」
ということになる。

高松市のケースで言えば、派遣者がこの第十条を順守していたら、裁判など起こらなかった。
高松市のろう協や手話通訳者派遣制度利用者(つまり、ろう者)から再三、改善の要望が出されていたが、派遣者は全く聞き入れなかった。
だから、やむなく、裁判に至ったのだ。
誰が好き好んで裁判などやるものか。




ヤングたいし/ぢ

2015-01-10 07:07:18 | 日記
むかし昔そのまた昔の学生時代にろう者のKと知り合い、親友になった。
大学を卒業後、大学の西隣の町で就職して、数年、一人暮らしをしていた。
Kは、通っていた大学の東隣の町の有名企業に就職して、やはり、一人暮らしをしていた。
お互いに一人暮らしだから、週末には互いのアパートに交互に泊まりに行ったりしていた。
どちらも貧乏で観光なんかできなかったため、互いの住居近くのスポット(飯がうまい店とか、ちょっとした観光ポイントなど)を紹介し合っていた。

Kが初めて俺のアパートに遊びに来た時。
駅のホームでKが彼方を指さし、
「なあ、たいし、アレは何だ?」

Kが指さしている方向を見ると、「ぢ」と大きく書かれた看板が見えた。
当時、俺が住んでいた町には、いぼ痔、切れ痔の専門の薬局があり、そこの看板だった。

ぢ。
「???」

俺は指文字で「ぢ」と表したが、Kはキョトンとしている。
あれ・・・
もう一度、Kが指さした方向を見た。
「ぢ」の看板のもっと遠方に、市が最近設置したモニュメントが建っていた。
あ、なんだ、アレのことか・・・

お互い、同時に、相手の意図を悟って、大笑いした。


これは、俺の手話を読む力が不足していたからである。
今流行りの手話言語学的に言えば、
「コンテクストの認識不足」である。
ま、でも、そんなお勉強的なことは、どーでもいいや。