異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!

言論宗教の自由が保障され、ひとりひとりの人権が尊ばれ、共に生きることを喜ぶ、愛すべき日本の地であることを願う。

「ヘイトな馬鹿に鉄槌を」【後編】~「差別をやめろ」と言い続けることが、公平性を取り戻すことにつながる

2015-05-27 02:51:00 | 差別 レイシスト カウンター

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43337

2015年05月20日(水) 安田浩一,G2

G2レポート・安田浩一 「ヘイトな馬鹿に鉄槌を」【後編】
「差別をやめろ」と言い続けることが、レイシストによって破壊されつつある社会の公平性を取り戻すことにつながる

* * *

「ヘイトな馬鹿に鉄槌を」【前編】はこちらからお読みください
=> http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43336

ヘイトスピーチ包囲網

私が差別デモの主役たる在特会をテーマとしたノンフィクション『ネットと愛国』を出したのは2012年のことだ。
あれから状況は少しずつ変化してきた。

2013年から14年にかけては差別デモも大きな盛り上がりを見せ、それまで関心を寄せることのなかったメディアが、これらを大きく報じるようになった。2013年末には「ヘイトスピーチ」なる言葉が、その年の流行語大賞のトップテンにも選ばれている。

だが一方で、差別デモやヘイトスピーチに対する社会の包囲網も徐々に狭まってきた。
2009年に在特会のメンバーらが京都朝鮮第一初級学校(現・京都朝鮮初級学校)に押しかけた「襲撃事件」の民事裁判では、2014年12月、最高裁が同会の上告を棄却し、約1200万円の高額賠償と街宣差し止めを命じた大阪高裁判決が確定した。

少し遡った同年8月には、国連人種差別撤廃委員会が在特会の活動などを「人種・民族差別」と断じたうえで、日本政府に対して法整備を求める勧告を出している。

私はスイス・ジュネーブで開催された同委員会の日本審査を取材したが、ヘイトスピーチは絶対に許されないと考える国際社会と、消極姿勢を変えない日本政府代表団との温度差が強く印象に残った。

「なぜヘイトスピーチを放置しているのか」
「警察はなぜ、差別集団を守っているのか」

各国委員から相次ぐ疑問に、わが政府代表団は「日本には深刻な差別は存在しない」「啓発、啓蒙をしている」と答えるのが精いっぱいで、いわば“フルボッコ”状態から逃れることはできず、結局、早急な対策を求める勧告が出されるに至ったのである。

これを受ける形で、国内でもヘイトスピーチ対策を早急に整備するよう国に求める意見書が、多くの自治体で採決されるようになった。
先駆けとなったのは国立市(東京都)である。

同市議会は2014年9月19日、社会的マイノリティへの差別を禁止する新たな法整備を求める意見書を賛成多数で採択し、衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、法務大臣宛てに届けた。
提案者のひとりである上村和子市議は次のように話す。

「マイノリティが安心して暮らせるような社会を作ることも行政の大事な役割だと思うんです。その使命を放棄したくなかった」

ニュースや新聞記事でヘイトスピーチの現状を知り、それがきっかけで差別問題に関する学習会などに足を運んだ。そこで京都朝鮮学校襲撃事件の映像や差別デモの様子を映した動画を目にした。

「一部の人間による、特別な事件なのだと考えることができませんでした。これは社会の問題であり、また地域の問題だと思ったんです」

素案をつくり、自民党から共産党まで、すべての同僚議員を説得してまわった。反対する者はいなかった。「みんな、わかってくれるんだ」と安心した。

しかし、採択が決まり、それが報道されると、今度は非難の声が上村に寄せられた。
自宅に抗議電話が相次いだ。
几帳面な上村は、そんな電話にも根気強く応対した。
ある女性は「ヘイトスピーチを規制する必要はない」と電話口でまくし立てた。

「在日なんて嫌われて当然。税金だって払っていないんだから!」
もちろん、まったくのデマだ。
上村は「そんなことはない」と説明したが、女性は「あなたがうそを言っている」と聞く耳を持たなかった。

市役所にも決議を非難する電話やメールが届けられた。
すさまじい抗議の嵐に一瞬たじろいだという。

「でも、被差別の当事者であれば、もっと激しい罵倒もされるのだろうと思うと、落ち込むわけにいかなかったんです」

そして、世間はけっして非難一色ではなかった。
国立の動きは全国に知られるようになり、ヘイトスピーチ対策を求める自治体決議が全国に広まっていったのである。2015年4月現在、同様の議会決議をした自治体は全国で40を超える。

桜井誠「引退の理由」

また、「カウンター」と呼ばれる反差別運動に参加する人々により、醜悪なデモや集会が封じ込められている現状も無視するわけにはいかない。

高校生が、大学生が、会社員が、主婦が、ミュージシャンが、劇団員が、年金生活者が、街頭で在特会などのデモに対して抗議の声をあげる風景は、いまや珍しくなくなった。その多くはこれまで「運動」とは無縁の、しかし理不尽な差別に対しては憤りを抱える者たちである。

ときに中指を立ててデモ隊に罵声を飛ばすカウンターに対し、「カウンターの言動もひどい」と冷めた見方をする人々がいるのも事実だが、私は同意しない。被差別の当事者が「死ね」「殺せ」と、のど元に匕首を突き付けられた状態にあるなかで、運動のあり方を評論している余裕などありはしない。「どっちもどっち」と冷笑するだけでは被害者は救われないのだ。

「差別をやめろ」と言い続けることは、レイシストによって破壊されつつある社会の公平性を取り戻すことでもある。

実際、こうした動きによって、少なくともそれまで差別の主役であった在特会の動員力は落ちている。いや、追い込まれているといってもよいだろう。前出の坂本のように、社会運動と距離を置いてきた者でさえ、危機感を持って立ち上がったのだ。

在特会の設立者であり、8年間にわたって会長を務めてきた桜井誠が同会からの「引退」を表明したのは昨年11月のことだった。桜井は自らが配信する「ニコニコ生放送」の番組で「組織のトップが変わらないと新陳代謝ができない」と引退理由を説明。そのうえで「個人として活動は続けていく」とした。
だが「新陳代謝」を額面通りに受け取る関係者は少ない。

「要するに世間のヘイトスピーチ批判が確実に効いている」と内実を漏らしたのは、ある地方支部幹部だ。

「橋下会談などで確かに桜井の知名度は上がりましたが、同時にヘイトスピーチの代名詞のように会が世間から認識されてしまいました。そう見られることが嫌で、実は活動から離れる会員も後を絶たない。機能停止状態にある地方支部も少なくありません。本来ならば桜井さんが軌道修正を図ればよいのですが、それでは会を支えてきた強硬派の会員が納得しないのです。そこで新しい顔を立てることによって、世間のイメージを変えていきたいといった思惑があるようです」

むろん小手先のテクニックで在特会からヘイトスピーチがなくなるわけでもないし、これまでの蛮行が免罪されるわけでもない。

近頃は「(在日は)出ていけ」ではなく「本国にお帰りください」といったシュプレヒコールを耳にする機会が増えたが、つまりはその程度である。ヘイトの本質は何も変わってはいない。

・・・・・・つづきは『G2(ジーツー) Vol.19』でお読みください。

 

安田浩一(やすだ・こういち)/ジャーナリスト
1964年静岡県生まれ。週刊誌、月刊誌記者などを経て2001年よりフリーに。著書に『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』(光文社新書)、『外国人研修生殺人事件』(七つ森書館)ほか。主著『ネットと愛国』(小社刊)で2012年度講談社ノンフィクション賞、JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞を受賞
 
 
 

「ヘイトな馬鹿に鉄槌を」【前編】~大阪・日本城タクシー社長を突き動かした2つの「差別」風景

2015-05-27 02:50:21 | 差別 レイシスト カウンター

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43336

2015年05月18日(月) 安田浩一,G2

G2レポート・安田浩一 「ヘイトな馬鹿に鉄槌を」【前編】
大阪・日本城タクシー社長を突き動かした2つの「差別」風景

* * *

正義の悪徳社長

事務所のドアを開けたら、ちょうど業界紙の取材中だった。

「おお、そうだった。約束重なっていたな。すまん、すまん」

軽く頭こそ下げているが、特段にすまなそうな感じはなく、笑顔で私を部屋の中に招きいれた。

「で・・・・・・誰やったっけ?」

そう言いながら人懐っこそうな表情で私の顔を覗き込む。それが、この人の持ち味なのだろう。悪い感じはしない。

坂本篤紀(49歳)――。大阪市住之江区に本社を持つ「日本城タクシー」社長である。
あらためて来意を告げると、「ワシ、悪徳社長やからなあ。金儲けの話なら、いくらでもしまっせ」と大げさに胸を張ってみせた。

この「悪徳社長」、実は地元大阪で少しばかり話題になっていた。
今年1月末から、自社で所有するタクシーすべての後部窓に、「ヘイトスピーチ、許さない。」と書かれたステッカーを貼りつけたのだ。いま、大阪市内ではヘイトスピーチに堂々と異を唱える54台のタクシーが街中を流している。

怒号まみれの“差別デモ”だけではなく、うっすらとした排外的な気分が世の中に広がるなか、客商売の民間企業があえてこうした「反ヘイト」を訴えることには、それなりのリスクと覚悟が必要であろうことは想像に難くない。
だから興味を持って訪ねてみたのだが、間近で見る坂本は当初予想していたような社会運動家的な空気をまとった人ではなく、算盤をパチパチ弾く音が聞こえてきそうな「浪速の商人」然として私の前に現れた。

雑談を終えると坂本は私を駐車場に連れ出し、停めてあったタクシーの後部窓をポンポンと叩いた。

「目立ちますやろ?」

確かに。

「こんなん貼ってるの、ウチのタクシーだけやから、すぐに『日本城や!』ってわかってもらえますがな」
黄色を背景としたデザインは遠くからでもよくわかる。でも、このデザイン、どこかで目にした記憶があるのだが・・・・・・。

「法務省の啓発ポスターとそっくりやろ?というか、そのまま使わせてもらった(笑)。
もちろん無断使用やない。ステッカー作り終えてから法務省に電話したら、かまへん言うてた。お上のお墨付きや」

今年初め、法務省はヘイトスピーチ防止を目的とした啓発ポスターを製作。1万6
000枚を各省庁や出先機関、自治体などに配布したほか、主要ターミナルの液晶広告板にも映し出されるようにしている。

で、この「お墨付き」ステッカーをなぜタクシーに貼ろうと・・・・・・
私の質問が終わらぬうちに、坂本は「商売のためや」と笑いながら答えた。

「大阪はぎょうさんタクシーが走っている。そんななかでヘイトスピーチに反対しているタクシー見つけたら、『ようやってるなあ』と評価してくれるお客さんもいるはずや。わざわざ選んで乗ってくれるお客さんもいるかもしれん。そしたらウチも儲かるがな。な?悪徳社長やろ?」

どこまで本気なのか、たんなる韜晦なのかはよくわからない。だが、小難しい理屈をこねて「反ヘイト」を語らないところに、かえって好感を持った。

日本城タクシーに貼られたステッカー

そうなのだ、ヘイトスピーチに反対するということに、政治的信念やイデオロギーなど必要ない。そもそも差別する側は、きわめてカジュアルに他者を貶める。ときに差別じたいを娯楽の道具にする。であるならば、それは許されないことなのだと、社会の“常識”として、普通に返せばいいだけだ。たとえ「商売のため」であっても何が悪かろう。
だが─当然ながら、その「商売」にケチをつける者も現れる。

「なにがヘイトを許さない、や。いい気になるな」
「在日特権をどう思っているんだ。朝鮮人を批判しろ」

坂本の会社にはそんな嫌がらせ電話が後を絶たない。

「なるほど、これがヘイトっちゅうもんやなあと、むしろ、世の中の気分みたいなもんがようわかりましたよ。だからますますやる気になりましたわ。ナチスみたいな連中をのさばらせてはいかんと」

大阪市長唯一の手柄

「商売」を繰り返し強調する坂本ではあるが、話し込むうちに彼を衝き動かした二つの風景があることを知った。
一つは“差別デモ”の風景だ。

大阪市内で、坂本は何度か在特会(在日特権を許さない市民の会)などが主催する「日韓断交デモ」を直接目にしている。
日の丸や日章旗が林立するなか、デモ参加者は韓国に対して、さらには在日コリアンに対して、耳をふさぎたくなるような罵声を飛ばしていた。

「在日は国に帰れ」「大阪湾に沈めたる」。

一部の者たちはヘラヘラ笑いながら「殺せ」と叫んでいた。

政治的な文脈のなかに収まらない薄っぺらな言葉であるだけに、かえって怖かった。背筋が寒くなった。震えが来た。同じ人間が、なぜあそこまで暴走するのか理解できなかったという。

「社会の何かが崩れていくような、そんな気持ちになったんです」
そう話すときの坂本は、それまでのおどけた表情とは違った、なにか物憂げな顔つきを私に見せた。

そしてもう一つ。
昨年10月20日に大阪市役所でおこなわれた橋下徹大阪市長と在特会の桜井誠(本名・高田誠)会長(当時)の“会談”である。

「双方に対して怒りを覚えた」と坂本は言う。

あの日、私もその場にいた。
大阪市の広報が事前に配布したプレスリリースには両者の「意見交換」と記されていたが、いざフタを開けてみれば「交換」どころか、プロレスのマイクパフォーマンスまがいの展開となった。

「オマエみたいなのはな、許せねえって言ってんだよ!」「だったらやってみろよ!」

双方が敵意を?き出しにした罵倒の応酬を繰り広げた。激昂した桜井が橋下につかみかかろうとして私服警察官に制止されるといった場面も見られた。

「どっちもどっちだよな。両者ともに下品きわまりない」

その場にいた報道陣からそうした声が漏れたのも致し方なかろう。
私自身は、桜井を「差別主義者」と一方的に断じ、大人が子どもを叱りつけるような態度を最後まで崩さなかった橋下を、この点に関してのみ評価したいと思った。橋下の在日コリアンに対する認識や政策に関しては大いなる疑問を感じるが、街の風景を汚し続けてきた在特会の代表に対して、「もう来なくていいから」と諭すのは、けっして間違っていないと思ったのだ。

しかし、坂本は橋下にも桜井にも怒っていた。

「そもそも会談なんてすべきじゃなかった。何の意味もない」とまで言う。
「橋下さんは呼ぶべき相手を間違っている。市役所に招くのであれば、桜井じゃなくて市内に住んでいる在日の子どもたちだと思いますよ。子どもたちを市長室に招き入れて、こう言えばいいねん。『みんな心配せんでもええからな。おっちゃんが、あんたら守ったる。絶対に守ったる』」

しかし橋下は被害者ではなく、加害者を呼んだ。対談相手が違うやろ、というわけだ。
そうしたことがあって、坂本は自らがすべきことを決めた。傍観するのではなく、テレビに向かって文句を垂れるばかりではなく、企業経営者として社会に訴えていく必要性を感じたのだという。

坂本自身は日本国籍の日本人であるし、それまで社会運動にかかわった経験もない。若いころは在日コリアンという存在に偏見を持っていたこともある。だが、世の中を知り、ビジネスの経験を積み、生身の在日と交流していくなかで、差別することの愚かさを学んでいく。ヘイトスピーチの飛び交う状況は、商売にも、社会のためにも、何の役にも立たないことを知っていく。

もしも“ヘイトな客”がステッカーに文句をつけてきたらどうするのか。私がそう尋ねると、即座に答えが返ってきた。

「議論すればいいねん。運転手ひとりひとりが、なぜヘイトスピーチに反対するのか、説明すればいい。だから、ウチの運転手は大変や。勉強せなあかん(笑)」

・・・・・・以下、次回へつづく。(次回は2015年5月20日に掲載の予定です)

 

安田浩一(やすだ・こういち)/ジャーナリスト
1964年静岡県生まれ。週刊誌、月刊誌記者などを経て2001年よりフリーに。著書に『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』(光文社新書)、『外国人研修生殺人事件』(七つ森書館)ほか。主著『ネットと愛国』(小社刊)で2012年度講談社ノンフィクション賞、JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞を受賞
 
 
 
 

「歴史的な節目」 声をあげなければ! 戦争法案、国会審議始まる 

2015-05-26 21:58:42 | 平和 戦争 自衛隊

http://tanakaryusaku.jp/2015/05/00011269

戦争法案、国会審議始まる 「歴史的な節目に声をあげなければ」

「戦争する国にするな」。参加者はシュプレヒコールをあげた。=26日、国会議事堂前 写真:筆者=

「戦争する国にするな」。参加者はシュプレヒコールをあげた。=26日、国会議事堂前 写真:筆者=

 

 時の政権が自衛隊をいつでもどこにでも派遣でき、武力行使も可能にする「戦争法案」が、きょう、国会で審議入りした。

 国会は与党が圧倒的多数を占め、どんなに酷い法案でも出せば通る。憲法9条を変えないまま日本が海外で戦争できる国になるのである。

 危機感を募らせた市民が、審議の始まる1時間前から国会前に詰め掛けた。議事堂前には無数のノボリや旗がひるがえった。(主催:総がかり行動実行委員会)

 炎天下、国会前まで足を運んだ参加者に話を聞いた―

 夫と共に参加した女性(60代・都内)は「審議すればデタラメさが分かる、安倍さんには絶対だまされない」。とつとつと語る表情のなかにも怒りがこもっていた。

 解釈改憲が立憲主義に反することから看過できず、抗議に訪れた法律家の姿も目立った。ある女性弁護士(50代)は次のように話した―
 
 「憲法があって行政も国会もある。憲法の下許された行政権なのに。国会が堂々と憲法違反をしている」。

歩道をわずかに埋めただけの参加者。国会周辺の車道を埋め尽くした60年安保闘争でも、安保締結を阻止できなかった。=26日、国会議事堂

歩道をわずかに埋めただけの参加者。国会周辺の車道を埋め尽くした60年安保闘争でも、安保締結を阻止できなかった。=26日、国会議事堂

 

 都内の福祉施設で働く女性(20代)は「9条変えるな」と議事堂に向かって懸命に声をあげた。

 女性は堰を切ったようにインタビューに答えた―

 「日本は戦争しない国から戦争ができる国になる。歴史的な節目に声をあげなければ戦争に加担していることになる。自分たちの子供や未来の子供たちに『あの時、何をしていたの?』と言われないように・・・」

 「日本を守ってきたのは憲法9条ではない。9条を守って来た人たちが日本の平和を守ってきた。この人たちの思いを引き継ぎ行動していかなければならない」。

 60年安保の際は、連日10万人もの市民が議事堂を取り巻いた。60年安保はサンフランシスコ講和条約と同時に締結された日米安保条約の延長でしかない。

 今国会できょうから審議される安保法制(戦争法案)は、60年安保の比ではない。戦後70年間、日本が掲げてきた平和主義が根底からひっくり返るのである。

 議事堂前の抗議者は1千人足らず。国会のテレビ中継もない。これでは「安倍退陣」に追い込むこともできない。

 官邸にコントロールされたマスコミに危機感がないため、国民は実情を知らされないままだ。
 
    ◇    ◇

『田中龍作ジャーナル』
は読者が支えるメディアです。取材制作にはコストがかかっています。

   ◇
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【慰安婦問題】日本の16歴史団体「歪曲やめよ」声明~否定する人々は専門家ではない

2015-05-26 21:27:42 | 戦時中性奴隷 慰安婦

「慰安婦」問題に関する日本の歴史学会・歴史教育者団体の声明 ... 〔全文〕

 

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/05/26/2015052600639.html

慰安婦:日本人学者「否定する人々は専門家ではない」

日本の16歴史団体「歪曲やめよ」声明
最高権威5団体中4団体参加
「日本で歴史を教える人々は慰安婦の真実を正確に知っている」
「賛同団体もっと増える」

慰安婦:日本人学者「否定する人々は専門家ではない」

 25日、日本で最も権威のある学術団体の一つ「歴史学研究会」をはじめとする歴史・教育関連学術団体16団体が共同で「日本政府は従軍慰安婦問題と関連した歴史歪曲(わいきょく)をやめよ」という声明を発表した。今月初めに米ハーバード大学のエズラ・ボーゲル名誉教授ら西洋の学者約450人が安倍政権の歴史修正主義を批判したのに続き、今度は日本で日本の歴史学界を代表する学者たちが声を上げたものだ。

 

 この問題に関して、日本の学者たちが個人として見解を表明したことはあるが、団体として声明を出したのは今回が初めてだ。声明を主導した歴史学研究会の久保亨委員長(信州大学教授)は「安倍政権が『日本政府は慰安婦問題に対し責任がない』と言うのは実に無責任だ。韓国・中国の学者たちと会うと『日本であなたのような人は少数ではないか』と言われるが、決してそうではなく、私たちのように考えている学者が大多数であることを知らせたくて共同声明を準備した」と述べた。

 

 同席した埼玉学園大学の服藤早苗教授も「テレビに出て『慰安婦を強制動員したという証拠はない」という政治家や学者がいるが、そのような人々は多数ではなく、専門家でもない。史料をきちんと研究した人は誰もが慰安婦問題を認め、実際には私たちのように考えている学者が多数だ」と述べた。

 

 今回の声明には日本の歴史学界で規模・知名度で上位の5団体中4団体が参加した。その4団体とは久保氏が委員長を務める歴史学研究会のほか、歴史科学協議会、日本史研究会、歴史教育者協議会だ。これらはそれぞれ会員が1200-2200人所属する全国規模の主流学術団体だ。会員たちの研究分野は日本史・世界史の古代史から近現代史にまでわたる。

このうち主軸を成すのは歴史学研究会だ。同研究会は昨年10月、旧日本軍が慰安婦強制連行に関与した事実に間違いはないとの声明を発表した。この声明が後に、西欧の学者たちが日本政府の歴史に対する姿勢を非難する声明の発表することになったきっかけの一つだった。歴史学研究会は1回目の声明発表後、他団体の意見をまとめ、今回の共同声明を発表することになった。

 

 歴史学研究会は1932年に東京帝国大学(現・東京大学)文学部史学科の卒業生たちが中心になって設立された団体だ。会員たちはこれまでにも大きな政治的事案が取りざたされるたびに学者たちの良心をもって共同声明を出してきた。2003年に在日韓国人など民族学校の卒業生にも大学受験資格を認めるよう求める声明を、11年には教育現場で代表的な右翼教科書の育鵬社・自由社版教科書を採択しないよう求める声明を出している。

 

 この日、声明に加わった団体は「戦後日本では民主主義が行われ、自衛隊を文民が統制し、警察が原則通り運営されるようになり、政治的寛容が実現した。こうした点は日本が科学に貢献した点や他国を寛大に援助してきた点と共に、すべて祝うべきことだが、(安倍政権の)歴史解釈問題はこうした成果を祝うのに障害物となっている」と指摘した。

 

 これまで安倍晋三首相は歴史歪曲について質問されるたび「歴史は歴史家に任せるべきだ」と答えてきた。これについて久保委員長は同日、「政治家が日本の歴史学者の研究成果をきちんと見て発言することを願う気持ちが大きい。日本の学術団体の中には、今回は時間が足りなくて共同声明に参加できなかったが、内部協議が終わり次第、声明に参加したい旨を明らかにしている所も複数あり、今後参加団体はさらに増えるだろう」と述べた。

 

東京=ヤン・ジヘ特派員

【案内】5月27日20時からのレイバーネットTVに戦争法案とたたかう若者が登場(菱山南帆子さん)

2015-05-26 16:12:12 | ご案内

※5月27日20時〜21時半まで、菱山南帆子さんがレイバーネットTVに出ます!見てください。

LNJ Logo

http://www.labornetjp.org/news/2015/0527tv

 レイバーネットTV第87号番宣 : 戦争はイヤだ!若者オブジェクション

5月27日のレイバーネットTVでは、戦争法案とたたかう若者が登場します。 26日から審議入りする恐るべき「戦争法」。止めるために何ができるのか一緒にディスカッションしましょう。スタジオ観覧、大歓迎です。(写真はゲストの菱山南帆子さん

 


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労働者の 労働者による 労働者のための 
イバーネットTV 第87号放送 特集:戦争はイヤだ! 若者オブジェクション 
・日時 2015年5月27日(水曜日)20:00~21:30 
・視聴アドレス http://www.labornetjp.org/tv 
・配信場所 バンブースタジオ(竹林閣)  
 http://vpress.la.coocan.jp/bamboo.html 
(地下鉄「新宿三丁目駅」E1出口近く) 
・キャスター  松元ちえ 土屋トカチ 【ニュースダイジェスト】5分 
 ここ2週間のホットなニュースをお伝えします。
 
 【特集前半:戦争はイヤだ!~現状に対する若者オブジェクション】35分
   ゲスト=菱山 南帆子(許すな!憲法改悪・市民連絡会)      
 
 須田 凌太(Peace Night 9)   黒田 朝陽(Peace Night 9)      
 シールズメンバー(交渉中)ほか  
 
「若者は政治に無関心」「若い人は声をあげない」
・・・そんな批判がある中、国会前 のデモや集会で存在感を増す若者たちがいる。
安倍政権下で推し進められる戦争法案に反 対の声をあげ、
憲法9条を守ろうと動きはじめた。戦後70年にして、非戦日本をつらぬ けるのか・・・
戦争を知らない世代が語ります。
 【ほっとスポット】8分 
*特集の合間の休憩タイム  ジョニーHの替え歌と乱鬼龍の川柳で元気になろう。 
 歌の内容 
【特集後半:戦争はイヤだ!~行動提起に関する若者オブジェクション】35分  
戦争法案をつぶすにはどうしたらいいのか、
ゲスト・スタジオ観覧者・視聴者と一緒に ディスカッションします。
 【さよならのポエム】5分 ★レイバーネットTVは公開放送です。
中継スタジオで一緒に盛り上がりましょう。 
★ツイッターコメント歓迎。ハッシュタグは #labornettv です。 
連絡先:レイバーネットTV 090-9975-0848(松元)