生活の党と山本太郎となかまたちの小沢一郎共同代表は2日、「政権交代こそ野党連携の最大の目的」と題した談話を発表し、野党各党が来年の参院選で、統一名簿をつくった上で臨む「オリーブの木構想」で戦うべきとの持論を示した。

 小沢氏は「野党連携のための最善の策は何か。各党が解党して1つの党をつくることだ」と提言。ただ現段階では現実的ではないとして、「次善の策」として、「オリーブの木構想」を、プッシュしている。

 「オリーブの木構想」とは、選挙時に届け出る母体の政党を、既存の政党とは別に立ちあげ、各党の候補者が母体の政党に個人として参加、選挙に臨むというもの。小沢氏は、所属政党を離党したり、既存政党を解党する必要がないメリットをあげ、「来年の参院選をこの方法で戦えば、1人区はほぼすべて勝利し、比例区と合わせてかなりの議席を取ることができるはず」と主張。参院で、野党がある程度の議席を獲得すれば「自民党も先の国会のような乱暴なことができなくなる」と指摘している。

 そのためには、「『自分を捨てる』『自分を殺す』という利他の精神が必要」とし、「『オレがオレが』と主張していては、大事を成就できない」とも述べた。「野党はそのくらいの気概をもって参院選に臨み、次の総選挙で政権を取る道筋を国民に示すべきだ」とも強調している。

 小沢氏は、野党による暫定的な連立政権を提唱した共産党に関し、「『安保法制廃止の国民連合政府』で一致する野党の選挙協力を提唱したことは、野党共闘に向けた大きな弾みとなり、私たちは高く評価している」と指摘。「政権獲得を目指さない政党の離合集散は、単なる子どもの遊びになってしまう」と、危機感も示した。

 また、安全保障関連法を成立させた安倍政権を「今また戦前の道へと突き進み、国民の命と生活を脅かしている」と厳しく批判。「こうした事態を避けるためのシステムが民主主義」と述べ政権交代の必要性を訴え、「現在、自公に代わる政権の受け皿がありません。政権交代を現実のものとするためには、何としても野党が連携していくことが不可欠です」と主張した。

 小沢氏は先月下旬の国会閉会後、定例の記者会見も開いていないが、野党連携に向け、水面下で動いているとみられる。共産党の「野党による国民連合政府」提唱や、維新の党の「東西分裂」など、野党各党に動きが出てきたタイミングをとらえて、野党結集の必要性をあらためて強調した。