こつなぎの写真ノート

身近な自然の彩りを楽しみながら

浅間山付近への落日で現れた夕焼けグラデーション(2019年3月)

2019-04-07 | 夕景

今日は日差しがあるものの透明感のない空模様になっている。黄砂飛来の影響が現れてきたのであろう。先週までの透明感に満ちた青空を呼び戻したくなった。市街地を囲む山並みにおいて、ヤマザクラなどの花が目立つようになったからである。さて、先月中旬のことであった。美しい夕焼けグラデーションが、今日のようにどんよりとした空模様のもとで現れた

落日の前に見られた光景から。浅間山は薄いシルエットとして視認できるに過ぎなかった。

 

今回も無駄足を踏むことになったかと嘆息しながらも、少しは景色が変わることを期待して、わたくしは落日のときを待った。

幸いにして、結果は徒労に終わるものでなかった。浅間山が夕陽をバックライトとして浮かび出てきたのであった。

 

 次いで、夕焼けが浅間山を中心として半円形に拡がり始めた。

 

夕焼けでのグラデーション。この彩りは自分がこれまでに見たことがないほど美しかった。

 

 彩りは時間経過とともに変化した。

 


今回の夕焼けグラデーション浅間山付近に夕陽が沈んだから現れたものである。現在、落日の位置は浅間山の北側(右側)、榛名山方向に移動している。浅間山を主役とする夕焼けは秋分の日頃までお預けである(苦笑)。

 

撮影、3月19日夕刻、群馬県桐生市にて。ホワイトバランスは撮影時設定(昼光色)、PLフィルターなどは使用しなかった。

 


幻のスミレ、ナルカミスミレ(鳴神スミレ)との出会い、鳴神山にて(2014年)

2019-04-06 | 鳴神山と周辺

ヒトツバエゾスミレの自生地は関東北部(栃木県、群馬県)に限られると言われていたが、近年、四国や長野県北部でもこのスミレは見つけられている(いがりまさし、増補改訂 日本のスミレ、山と渓谷社、2012年)。


ヒトツバエゾスミレでは、花びらに薄い着色と濃い線(唇弁において)が見られる(鳴神山にて)。

 

このものでは、花びらの色は淡いが唇弁に濃色の線がある(鳴神山にて)。

 

「ナルカミスミレ」はヒトツバエゾスミレの白花品である。わたくしたちは白花品に何時か出会ってみたいと思っていた。そのため、鳴神山で、ヒトツバエゾスミレが生えている登山道やその周辺を見回しながら歩いてきた。そして、約10年前に大滝口登山道のそばのスポットで白花品を見つけた。しかし、翌年に同じスポットで該当するスミレを再び見つけることはできなかった。

ところが、人間万事塞翁が馬である。2014年、偶然にも非の打ち所がない白花品を、わたくしたちは見つけた。このものでは、花びら(唇弁)に着色された線が見られない。花柄や葉柄は完全に緑色になっている。すなわち、これはヒトツバエゾスミレの白花・青軸品、そのものである。

 

花弁の基部が少し黄緑色を帯びている。これは背後の萼片の色が映っているからだ。花びらの透明性が高い。

 

外見から判断すると、このものはナルカミスミレであると同定できる。

 

また、別の場所において、このような白花・青軸品を見つけた。このものでは、唇弁の基部に薄茶色の線があった。

 

 

これらのものの閉鎖花も見たかったが、生えていた場所が初夏の豪雨で流されてしまった。まことに残念である。それ以後、わたくしたちはこれのような白花・青軸品に山で出会っていない。それだけに、友人とわたくしは前記事での白花・青軸品が「ナルカミスミレ」として売られていたことに驚いたのであった。もう一度、山に生えている「本物」に出会いたいものである。なお、前回に紹介したスミレでは新たな花が開き始めている。

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ナルカミスミレ: 撮影、2014年春

 

 


ヒトツバエゾスミレの白花品、ナルカミスミレであろうか?(2019年4月)

2019-04-04 | 鳴神山と周辺

スミレファンとして、山道などでスミレに出会ったとき、芭蕉の句「山路来てなにやらゆかしすみれ草」を、わたくしは思い出す。ところで、近くの鳴神山(花の山として知られている。標高 980 m)には、固有種である「カッコソウ(サクラソウソウ科、種の保存法指定種)の他に、ヒトツバエゾスミレ(一葉蝦夷菫)が分布している。このものは、エイザンスミレの変種として葉が単葉化したものである。花びらは通常、淡紅色を帯びている。白色の花びらを持つ個体は極めて稀である。

白花品は「ナルカミスミレ」と呼ばれている。ネットで検索すると、「ナルカミスミレ」の画像が多数ヒットする。しかし、それらの画像の大部分では、花びらが少し色を帯びていたり、花柄が赤茶色を帯びている。花びらが白色で花柄が緑色のもの、すなわち白花・青軸品はほとんど登場しない。そのためであろうか。地元では、「ナルカミスミレ」は幻のスミレであるとされている。

 

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さて、親しい友人がある場所で「ナルカミスミレ」として売られていたものを購入し、元気を取り戻すようにとわたくしにお送りくださった(昨年)。その頃、わたくしが体調を崩していたからであった。

今日の暖かさに誘われて、プレゼントされてから育てていたスミレが花を開いた。

唇弁での縦の線の色は薄い。通常のヒトツバエゾスミレでは線の色が濃い。各花弁の基部を黄緑色を帯びている。側弁には白毛が生えている。

 

 

これは、日差しを浴びているときに撮った。

 

スミレの全体像。花のみならず距(後部)も白色を帯びている。花柄は緑(青軸)である。

 

2月に葉を開いたが、その後の寒さで葉はすべて枯れた。しかし、先月中旬から地上部が復活し蕾をつけたのであった。

 

4月5日朝の状態(追加画像)

 

しはんこのものはナルカミスミレもしくはその系統に属する交雑種であろうか。

ナルカミスミレに出会ったことがある自分にとって、取り組み甲斐のある宿題が生まれた。

友人に、結果を報告するとともに深謝の意を表する。

 

撮影、4月4日。マクロレンズ使用。


瑠璃色の春告草、プルモナリア ブルー・エンサイン(2019年4月)

2019-04-03 | 







今年もプルモナリア ブルー・エンサイン(ヨーロッパ原産)が瑠璃色の花を開いた。このムラサキ科の花が朝日を浴びているとき、わたくしはその彩りに強く惹かれる。このプルモナリアは、「ルリソウ」として売られていたものを、花名に疑問を持ちながら育ててきたものである。今年は厳冬期に低温被害を受けために、葉や茎など地上部はほとんど枯れてしまった。しかし、先月に入ってから芽を出し新しい葉を展開して、花を開いたのであった。 

ブルー・エンサイン ー イギリス海軍旗など、イギリスに関係する組織や地域で使われている旗である。


撮影、4月1日早朝、マクロレンズ(EOS EF 100 mm F2.8)使用。


昨日のミツマタ群生地(その2)、花のクローズアップ、三境林道にて(2019年3月)

2019-04-02 | 

花の柔らかい質感をどう写し撮るかは、ミツマタのファンである自分にとってかねてからの命題である(苦笑)。ところで、花は午前中に撮るべしと聞いたことがある。午後になると日差しや風で水分が蒸発して、花びらの潤いが減少する。しかし、この頃はなんだかんだとかと理由を見つけて、早出を億劫にすることが増えてきた。今回は、遠来の友人のお蔭で、早出する動機が得られた(感謝)。そこで、群生地での花をマクロレンズでクローズアップしてみた。

 

 青空を背景にして

 

雨に濡れた状態が残っている花を見つけて。

乾いているときの質感(27日)

 

思い切って、花の一部をクローズアップすると。

花(実は萼)は細かい白毛で覆われている。その白毛の上の水滴は雨によるものである。

 

 

撮影、3月31日、群馬県桐生市梅田町にて。


昨日のミツマタ群生地(その1)、三境林道にて(2019年3月)

2019-04-01 | 

昨日は、ブログ花の詩山の詩を書かれているminoさん、花友さん、花友さんのお父上のグループと共に、桐生川及びその上流(三境林道)沿いにある群生地でミツマタの花を観賞した。ところで、一作日は終日どんよりとした曇りの天候であった。そして、昨日の早朝も群生地方面の山並みが霧で見えない状態であった。しかし、9時頃には青空が見えるまでに天候が回復した。多分、遠来のグループの中に、マジック・パワーを発揮される方々がいるのであろう(笑)。

さて、青空には大きな雲が浮かんでいた。そして、その雲は日差しに対してあたかも照明スイッチのような役割を担ってくれた。スイッチ・オンになると、群生地の彩りがはっとさせらるほど輝いた。このような変化は連続した日差しのときに期待できないものだ


画像はスイッチ・オンになったときに、慌ててシャッターボタンを押した結果である(桐生川沿いの群生地にて)。


次いで、わたくしたちが案内役として先行し、2台の車は三境林道沿いの群生地に向かった。道幅が一車線分しかない箇所を通過し終わる直前に、対向車と出会った。いつかはと案じていた事態が起こったかと思ったが、親切にも対向車が行き違いできる場所まで後退してくれた(深謝)。

三境林道に入ると、27日に下見したときには見あたらなかった箇所に、落石が転がっていた。前夜の降雨のときに、落ちてきたものであろう。ちなみに、雨量が多くなると、林道は通行止めになる。ともかく、道路上に落ちている石を避けながら慎重にドライブして、一行は群生地に着いた。

林道から眺めた群生地。上から見ると、ミツマタの群生はやや白味を帯びている。




群生地を下から見上げると、彩りに対する印象は大きく変化する。ここで、花友Kさんのコメント(前記事)をお借りする。「例えるならば「青空のもと緑の森に突如現れる黄金の雲海」でしょうか?」(ありがとうございます。kotsunagi)。


花の群れ、白い雲、青空、杉林による帯模様をイメージして(パノラマ画像(3枚組))


花は朝までの雨で潤いを得たのであろうか。


花の群れ、白い雲、青空、杉林による帯模様をイメージして(2)


群生地付近の空き地から


他のアングルで群生を眺めてみる。


余談ながら、群生地での花を眺めるとき、わたくしは蕪村の句「春の海ひねもすのたりのたりかな」を思い浮かべることにしている。玉原湿原(群馬)や月山の弥陀ヶ原では、キンコウカ(金光花)の花の群れが風で黄金色の波のように揺れる。当地の群生地では、ミツマタの花の彩りが日差しの強弱で黄金色の波のように見える。


花を愛する友人と楽しい会話を進めながら観賞したミツマタの花には、格別の美しさと魅力が感じられた。その2では、花のクローズアップなどをアップロードする。


撮影、3月31日、群馬県桐生市梅田町にて、広角撮影ではPLフィルターを使用。