こつなぎの写真ノート

身近な自然の彩りを楽しみながら

雲の多い日の赤城山にて、2014年9月中旬

2014-09-29 | 赤城山

赤城山は堂々として存在感がある山だ。関東地区のどの場所にいても、そこで赤城山が見えるかどうかと、私達はついつい目を凝らしてしまう。

ところで、赤城山を構成しているそれぞれの峰には、形状(荒山、鈴ヶ岳、鍋割山、陣笠山)、農耕(駒ヶ岳、鋤柄山)、信仰(地蔵岳、薬師岳)、植生や気象(黒檜山)、人物(長七郎山)、用途(見晴山)、場所(出張山)などに関係した山名がつけられている(栗原久、東京福祉大学紀要、第2巻、第2号、 pp.197-205 (2012)から)。

山体は平野からせり上がる形となっている。そのため、山頂付近で雲が発生することが多い。平野部から斜面に沿って吹き登ってきた風は、標高1200-1800 m付近で急冷される。
そのようにして生まれる雲は、山頂からの眺めに大きな変化をもたらす。


地蔵岳での眺めから

黒檜山(最高峰)、駒ヶ岳(右)、そして大沼。

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黒檜山や駒ヶ岳の背後で、厚い雲が湧き上がる。
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遠景の望遠画像。左から、至仏山(左)や燧ヶ岳(右、双耳峰として見える)などである。

 

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水面に雲の影(小沼)、そして左から小地蔵岳、長七郎山。この光景を眺めていると、高度感と天空での微妙なバランス(平衡)を感じる。

 

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小沼、血の池、そして銚子の伽藍(小沼から流れる沢が岩盤を浸食してつくられた)。Mg4981aa


山頂のアンテナ群の背後で、沸き立つ雲。

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関東平野の広がりを感じさせられて。

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地蔵岳の山頂部は広い。無線中継所のフェンスの中は、小さな植物園になっている。

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覚満淵(湿原)、篭山(右、アカヤシオの群生地)、鳥居峠(駐車スペース)。

 

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鳥居峠は展望スポットである。山塊の上で微かに写っているのは筑波山だ(東、約90 km 遠方)。 肉眼では確認できなかったものが画像に記録されていると、少しは嬉しくなる。

 

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撮影、9月19日13-16時(2枚目の画像は9月上旬)。

 



 

 

 

 


赤城山・地蔵岳、展望と残花、2014年9月中旬

2014-09-25 | 赤城山

山頂にて(19日午後)

赤城山・地蔵岳の標高は1560 mに過ぎないが、山頂での開放感に満ちた展望にはときめきを感じさせるものがある。
ところで、カシミール3D ホームページ(HP)によると、赤城山・黒檜山(1830 m)において、国内の3000 m峰14座のうち、12座が見えるようだ。

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この日、私達は絨毯のような雲の広がり、谷川岳から朝日岳、巻機山、武尊山、至仏山、燧ヶ岳、会津駒ヶ岳、そして四郎岳に至る山波、黒檜山、大沼(カルデラ湖)から成るパノラマに出会った。青空と雲の境目を、一瞬のことながら、私達は高い山波だと錯覚しそうになった。

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カシミール3Dによる山座同定


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ここでのランチタイム。私達にとって山頂は格別のパノラマ食堂であった。

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西方向には、浅間山、籠ノ登山、湯の丸山、四阿山などがある。今回は、霞んでいたが、北アルプスの稜線が私達の視界に入ってきた。

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カシミール3Dによる山座同定

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望遠画像(200 mm)から

槍ヶ岳が湯の丸山と角間山の間に写っている。籠ノ登山と湯の丸山の間に見える頂きは、北穂高岳であろう。ちなみに、槍ヶ岳と地蔵岳との直線距離は約140 kmである。また、湯の丸山、角間山、籠ノ登山の標高(m)は、それぞれ2100、1980、2230である。

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南西方向での開放的展望。荒山(1571 m、中央)と鍋割山(1332 m、右側)の背景は前橋市、高崎市などの市街地である。市街地の奥には、気象条件が良いと八ヶ岳から富士山などに至る山波がはっきりと見える。

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見えるとわかっていても、長七郎山(1578 m)越しに、自分達が住んでいる市街地や自宅近くの里山が眺められると、何となく気分が晴れ晴れとする。なお、この時期、小沼の水面は大沼のそれとは異なって緑色を帯びている。

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カシミール3Dによる展望図

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P.S.  大小山(栃木県足利市)は展望の山として人気がある。白葉峠は、自分にとって浅間山展望のスポットだ。


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山頂での残花

山頂での気温は約10℃であり、吹き抜ける秋風は肌寒く感じられた。それでも、山頂に設けられている無線中継所のフェンスの中に、マツムシソウ、ハクサンフウロ、シモツケなどの花が残っていた。

 

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フェンスのネットをフィルターにしてのハクサンフウロ。このものの花の生涯(蕾から種子まで)を画像一枚に収めてみる。

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シモツケにとってもフェンス内は安全な場所となっている。赤城山にはシモツケやシモツケソウが多く生えているが、今の時季まで花が残っている株は極めて少ない。

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赤城山で普通に見られるアザミ類ながらも、造形の面白さに惹かれて。

 

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その他に、ヤマラッキョウやウメバチソウなどの花が草むらに残っていたが、ハクサンフウロやイタドリなどでは紅葉が始まっていた。今年は、これらの紅葉が鮮やかだ。

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おわりの画像は、登山道(八丁峠口)で見かけた救助標識である。

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撮影、9月19日13-16時。

 

 

 


雲間から垣間見たダイヤモンド浅間山、2014年9月下旬

2014-09-22 | 夕景

昨日(21日)に撮った画像から

浅間山(標高、2570 m)の背後に夕陽が沈む(17時34分)。

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記事の更新をしばらくパスしている間に、自分達が住んでいる街から見ると、夕陽が浅間山方向に沈む頃になってしまった。今年は、3月21・22日にダイヤモンド浅間山(春の部)を撮った。 

      3月21日17時45分頃。

 

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      カシミール3Dによる山座同定(春の部)
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秋の部は今週に現れるはずだ。今回も、撮影スポットは白葉峠付近(群馬県桐生市と栃木県足利市の境界、標高300 m)である。

昨日、日中は快晴であった。しかし、夕刻には西の空が雲で覆われ、自分が三脚を構えている場所まで陽射しが届かなくなった。でも、ここで三脚をたたむわけにはいかない。折角、周りでスズメバチやアブが飛び回る様子を静かに注視(?)してきたのだから。雲漏れ日の光芒が妙義山(中央)や荒船山(左端)などを浮かび上がらせた。しかし、肝心の浅間山は雲隠れとなってしまった(17時15分頃)。

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ところが、陽射し(熱線)を受けたためであろう。浅間山を隠している厚いカーテンが裂け始めた(17時30分頃)。

 

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突如、雲の切れ間から赤色の光芒がおりてきた。待てば海路の日和あり。自分のとって感動の始まりとなる場面が現れた(17時33分頃)。

 

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約1分後の場面。見かけのことながら、夕陽が山頂にタッチダウンとなった。なお、右側の山波は榛名山(旧火山)である。この山の裾野も広い。

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間もなく、夕陽と浅間山は見えなくなったが、その代償としての美しい夕焼けが視界に入ってきた。その時、携帯呼び出し音が鳴った。自宅付近の里山の尾根付近が陽射しで赤く染まっていると、家人が知らせてきたのであった(17時36分頃)。

 

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防虫ネットと虫除けスプレーを使いながら、トワイライトタイムを待った。再び、待てば海路の日和あり。浅間山のシルエットが雲の切れ間に現れた(18時頃)。

 

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秋の部は、ダイヤモンド浅間山として物足りない結果となった。しかし、雲が青色光カットフィルターとしての役割を担ってくれたために、美しいと呟きたくなるような光芒や夕焼けが現われた。大気光学現象による贈り物に感謝することにしょう。


画像はHDR(ハイダナミックレンジ合成)で撮った。EOS 6D、EF 40-200 mm F4L、ISO感度 200-4000、ソフト DPP4 + Aperture 3.5、2014年9月21日17-18時。