こつなぎの写真ノート

身近な自然の彩りを楽しみながら

ヒメサユリの花など、赤城自然園にて、2012年6月

2012-06-05 | 赤城自然園

自然園で、オオヤマレンゲのみならず、ヒメサユリの花などが見頃となっていた。ヒメサユリは日本特産の美しいユリであるが、自生種の分布は新潟・山形・福島の三県に限定されている。

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ヒメサユリの花、6月2日撮影

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ヒメサユリ(姫小百合): 別名、オトメユリ。山間部に自生しているユリ科ユリ属の多年草である。環境省の準絶滅危惧種に指定されている。花は芳香を放つ。嫌煙植物であるため、自生種の保護地では喫煙が禁止されていると聞く。

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いつものように、後から撮ってみる。芳香の誘われただろうか、花に小さな昆虫がとまっていた。

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このような蕾もあった。撮る者としてはため息をつきたくなる。しかし、この姿は自然の厳しさが自然園で保たれていることの証でもあるとして、気を取り直す。

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園内で咲いていた花から


エビネ(海老根、ラン科エビネ属、山野の落葉樹林内に自生している多年草)

近頃は、山で自生種に出会うことが少なくなった。

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クサタチバナ(草橘、ガガイモ科の山地に生える多年草)とアサギマダラ

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アサギマダラ(タテハチョウ科の大型の蝶)は、南西諸島や台湾から北上してきたものであろう。この蝶は長距離を移動する。


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そして、オオヤマレンゲ

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オオヤマレンゲの花、赤城自然園、2012年6月

2012-06-03 | 赤城自然園

赤城自然園(群馬県渋川市)で、オオヤマレンゲの花が咲き始めた。一ヶ月ほど前は、青くて硬かった蕾が、心に残るような美しい花となった。

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自然園でのオオヤマレンゲの木立と蕾、5月5日撮影。

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オオヤマレンゲの花、6月2日撮影。

白色の花(直径5-7センチ)は、緑の葉と好対照をなしている。花は下向きに咲く。雌しべや雄しべを雨から守るためであろうか。花期は数日である。余談ながら、この画像を撮ったとき、背景として青空が欲しかった。

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花の気高さと美しさ、オオヤマレンゲが森の貴婦人といわれる所以である。ところで、森の貴婦人は芳香を出してポリネーター(花粉の媒介をする昆虫)を巧みに誘うとのしたたかさも持っている。

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花には、開き始めるときから、並ではない色彩と雰囲気が現れている。そのためであろう。園芸種は茶花としても喜ばれている。

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花には、その色と質感を反映して、光を背後から受けると透明感に満ちた美しさが現れる。

逆光で見る森の貴婦人の姿。

 

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ところで、貴婦人の後ろ姿も麗しい。

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「オオヤマレンゲ(大山蓮華)」
モクレン科の落葉性小高木にて、高さが4~5メートルになる。レンゲ(蓮華)との名は、花の形がハス(蓮)の花に似ていることに由来する。牧野植物図鑑には、「奈良県大峰山(大峯山)で咲くのでオオヤマレンゲといわれる」とのような説明がある(花の大歳時記、角川書店、1990年発刊)。大峰山系での自生種は国の天然記念物に指定されている。

関東地方およびその近辺では、谷川岳や志賀高原に自生種が存在すると言われている。

赤城自然園には、数株のオオヤマレンゲが植えられている(見事なほどに、大きい株がある)。昨日(6月2日)は、蕾が開いていない株もあった。自然園の春季開園は6月10日まで(同園HPから)。