今頃になると、なぜかこの和歌を思い出す。「秋来ぬと目にはさやかに見えねども、風の音にぞおどろかぬる(藤原敏行、古今和歌集)」。ところで、赤城山(あかぎやま)でも、秋の彩りが山肌を覆うようになった。前回に続いて、今月7日に撮った画像をアップロードする。
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地蔵岳にて
黒檜山や駒ヶ岳の山腹のところどころに、紅葉の色づきがある。
黒檜山では、猫岩(岩壁)付近において紅葉が目立つ。南面での登山道はこの岩のそばを通っている。そして、岩のあたりにはツツジが多い。なお、黒檜山左側の山頂は小黒檜山だ。最奥の稜線は、燧ヶ岳、会津駒ヶ岳、四郎岳などである。
駒ヶ岳のクローズアップ。ツツジの色づきで、山腹が斑模様をあらわれている。背後の山波は袈裟丸山である。今頃は袈裟丸山も紅葉の時季を迎えているのだろう。山肌が幾分か秋の色を帯びている。
地蔵岳登山道沿いの色づきも秋の訪れを感じさせる。
山頂で、長七郎山(右)、小地蔵岳(左)、そして小沼を眺める。小沼では、長七郎山側の岸辺にドウダンツツジが多く自生している。
地蔵岳は銚子の伽藍の展望台である。伽藍は小沼を源とする流れでつくられた峡谷だ。この日、私達は雲間から陽射しが伽藍を照らし出すシーンを待った。
伽藍にはツツジはツツジの名所である。陽射しが伽藍が照らすと、ツツジの紅葉が浮上する。
ところで、赤城山にはダケカンバやシラカンバが多い。前日の強風(台風18号)で、これらの葉(黄葉)はかなり散ったのであろうか。これらの幹や枝の白さが目につく。
雲の影は、篭山に対してプラスの方向に作用する。この小さな山にはアカヤシオ(アカギツツジとの別名がある)群生している。このツツジの紅葉はどこまで進むだろうか。右下は鳥居峠である。
篭山でのアカヤシオ(5月中旬)
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鳥居峠にて
鳥居峠からのパノラマ(11時頃)。右側尾根での紅葉は主にアカヤシオによるものであろう。
鳥居峠からのパノラマ(15時半頃)。長七郎山の山影が尾根を覆い始めた。吹き上げてくる風は寒さを感じほどあったが、私達はこのパノラマはしばらく眺めていた(気温、11℃)。
眺めていると、赤城山ではあり得ないものだとわかっていても、カール状地形が目の前にあると錯覚したくなる。撮る者にとって、光のマジックショウーは面白い。
覚満淵、大沼、五輪尾根などを眺める。覚満淵は小さな湿原であるが、ここでは草紅葉と水面の対比が見所の一つになるだろう。
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この日は、リンドウ、マツムシソウ(残花)、ナギナタコウジュなどの花を道沿いや草むらの中で見かけた。笹が刈り払われると、ナギナタコウジュなどが復活する。
ナギナタコウジュ(薙刀香薷): シソ科ナギナタコウジュ属の1年草。花期は9-10月。花穂が反り返り、花が片側についている様子が薙刀にたとえられた。この個体の花穂では、色が濃い(フトボナギナタコウジュと区別したかったが)。
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10月7日、EOS 6D、EF 17-45 mm F4L、EF 70-200 mm F4L、RAW、Aperture 3.5。