僕とお兄ちゃんと(4)

2015-11-25 20:04:49 | 童話
みんなに何がうまくできるようになったか教えてあげるね。
それはね、後足だけで歩けるようになった事だよ。
チンチンは立ったままだけれど、僕は歩けるようになったんだよ。

お兄ちゃんやお母さんは両足で歩いているのに、僕だけできなかったんだ。

えっ、犬は四本の足であるいて、人間は二本の足で歩くんだって?

うん、いつも公園で会う犬は四本の足で歩いていたけれど、人間の僕は二本の足で歩いていなかったんだ。

ええっ、僕は人間ではなくて犬なの?

だって、僕は家の中でご飯を食べたり、寝たり、ソファの上にお母さんと一緒に座ったりしているし、お外へはクツを履いて行くよ。
お兄ちゃんやお母さんと同じだよ。

僕はしゃべれないだけだよ。
だけれど、僕は今、しゃべる練習をしているんだ。
ウ~ウワン、ワンワワワワン、ウ~ウワウ、ウ~~~ウン、ウワウワウン。
まだ、みんなには分からないみたいだけれど、もう少ししたら、みんなとお話しができて、お兄ちゃんに
『ポチは何でもできるからえらいね。』
とほめてもらおうと頑張っているんだ。

おしまい

僕とお兄ちゃんと(3)

2015-11-24 21:16:01 | 童話
僕はオヤツが大好きです。
みんなの言ったとおりに僕ができるとオヤツをくれます。

お母さんと散歩に行く時に、お母さんはオヤツを持っていって、時々僕にくれます。
だから、僕はオヤツを欲しい時はお母さんの顔を見ます。
お母さんの手に載っているオヤツはすごくおいしいです。

僕は運動が大好きです。
お兄ちゃんと公園へ行った時はお兄ちゃんと駆けっこをします。
だけれど、お母さんと一緒の時は駆けっこをしません。
お母さんの時の運動は、お手・お代わり・チンチンだけです。
僕はお手とお代わりは得意ですが、チンチンはあまり上手くありません。
だから、お兄ちゃんに教えてもらって一生懸命に練習をしています。
うまくできるようになったら、もっとたくさんのオヤツをもらえるかな?

昨日はあまりうまくできませんでしたが、お母さんはオヤツをくれました。
きっと特別にくれたんだね。
だから、今はもっと上手くできるように頑張っています。
何度もやって、やっと上手くできるようになったので、お母さんがオヤツをくれました。
やっぱりオヤツはおいしいなあ。

兄ちゃんが学校から帰って来た時にうまくできて、たくさんのオヤツをもらえるとうれしいなあ。
そして、今度はお母さんの時よりもうまくできたので、お兄ちゃんからオヤツをいつもよりたくさん貰えました。
僕もうれしいですが、お兄ちゃんもうれしそうに僕の頭と体をいっぱいなでてくれました。

お兄ちゃんが
『ポチは何でもできるからえらいね。』
とほめてくれました。
僕はコックリ、コックリとうなずいて、体全部で喜びました。

僕とお兄ちゃんと(2)

2015-11-23 10:25:06 | 童話
朝ご飯が終ると、お兄ちゃんは学校へ行きます。

だけれど、僕は小さいので学校も幼稚園も行きません。

そして、お父さんは会社へ行くので、僕はお兄ちゃんとお父さんの二人を玄関で見送ってからソファに座って、お母さんが食器の片付けとお洗濯が終わるのを待っています。

お母さんが全部終るとソファの僕の隣りに座って、僕の頭をなでてくれます。

お兄ちゃんと散歩に行っている時も楽しいのですが、お母さんと一緒にソファに座っている時も楽しいです。

お母さんは時々僕を散歩に連れて行ってくれますが、お兄ちゃんのように毎日ではありません。

僕とお兄ちゃんと(1)

2015-11-22 10:50:47 | 童話
僕は毎朝、お兄ちゃんと近くの公園へお散歩に行きます。

いつも公園へ行く途中で、犬を連れたおじさんに会います。
『やあ、おはよう。今日も元気だね。』
『おじさん、おはようございます。はい、元気です。』

家に帰ると、僕達はクツを脱いで家にあがります。
そして、お兄ちゃんはゴシゴシと手を洗いますが、僕は手を洗いません。

『朝ご飯を食べるわよ。』
『はあ~い。』

そして、お兄ちゃんはコップで牛乳を飲みますが、僕はお皿で牛乳を飲みます。
『牛乳はおいしいよね。』
とお兄ちゃんが言ったので、僕はコックリとうなずいて返事をしました。

それから、みんなで朝ご飯を食べます。
『今日の朝ご飯もおいしいね。』
僕はまたコックリとうなずいて返事をしました。

電気の気持ち(3)

2015-11-21 10:29:34 | 童話
『それからね、僕の家の屋根には太陽光発電装置が付いていて、屋根の上で電気を作っているんだよ。』
『そうだね、太陽光発電装置を付けている家が多くなってきたね。太陽光発電装置はボイラーを使わないので空気が汚れないから環境に優しい発電装置なんだよ。』

『明日の火力発電所の見学が終わったら、こんどは水力発電所の見学にも行きたいなあ。』
『そうだね、水力発電所は山の中にあるから行くのが大変だけれど、高いところから水が流れてきて、すごく大きなタービンを回して発電しているから見に行くといいよ。それから、水力発電所は水をためるダムが有るところが多いので景色もきれいなんだよね。学校で見学に行くかなあ?』
『水力発電所は山奥に有るので小学校では見学には行かないのではないかあ。』
『中学校になったら行くかなあ?』
『さあ、どうかなあ。』
『そうだ、お父さんやお母さんと一緒に旅行で行けばいいんだね。』
『そうだね。それには良い子にしていないといけないよ。』
『うん、そうするよ。』

おしまい