僕達の小さくて大きな森(5)

2021-08-26 09:29:55 | 童話
『うわっ。』
『入って行ったね。』
『どうすれば取りに行けるのかなぁ。』
『うん、どうすれば取りに行けるのかね。』
『エンピツを持っていると探しに行けるのかなぁ。』
『エンピツを持って、二人で一緒に探しに行こうか?』
『行けるかなぁ?』
『行けるよ。』
机の上からエンピツを2本持ってきて、1本ずつ持って植木の近くまでやってきた。
『もう少し近付くとブルブルと震えるよ。』
『もうすぐだね。』
二人のエンピツがブルブルと震えだした。
『うわっ。』
『ガンバレ。うわっ。』

二人は気が付くと、森の中にいた。
『ここはどこなんだろう?』
『どこなのかね。』
『僕達は植木の中に入って行ったんだよ。』
『そうか、植木の中なんだ。』
『少し歩いて行ってみようか?』
『そうだね、サッカーボールと野球のボールを探さなくっちゃ。』

森の中を進んで行くとサッカーボールが有った。ボールはブルブルと震えないし、空気も抜けていなかった。
もっと進んで行くと野球のボールが3個有った。
『ボールが全部有ったので、もう帰ろうよ。』
『そうだね、この先の探検はまた今度にしようね。』
『さっきの所まで帰って来たけれど、どうすればいいのかなぁ?』
『入って来た時と同じように、エンピツを持っていると出られないかなぁ?』
『やってみようよ。』
『うん、やってみようね。』
『うわっ。』
ブルブル。
『うわ~~っ。』

気が付くと二人は家の庭にいた。
サッカーボールも野球のボールも全部有った。
『出られたね。』
『うん、出られたね。』

僕達は植木から森に入る方法が分かったので、次に探検する事を考えた。
森の中にはどんな生き物がいるのかなぁ?』
『カブトムシやクワガタはいるのかなぁ?』
『犬や猫もいるのかなぁ?』
『明日、行ってみようか?』
『そうだね。』


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