僕達の小さくて大きな森(11)

2020-06-27 07:37:13 | 童話
僕達は花瓶を飾っているテーブルの前に戻って来ていた。
『ねぇ、お母さん。この梅の枝は、お花が枯れたらどうするの?』
『ゴミで捨てるわよ。』
『捨てないで植えておくと大きくなるの?』
『良く知っているのね。挿し木と言ってね、木を増やす時に挿し木をするのよ。』
『じゃぁ、僕達の梅の木にするから、挿し木にして頂戴。』
『ええ、いいわよ。』
『やったぁ、これで動物達が引越ししなくてよくなるね。』
『うん、そうだね。』

それから、お母さん達は梅の花が咲いているのを楽しんでいるが、僕達は花が咲き終わるのを楽しみにしている。
『温かくなって来て、梅のお花も散ってしまったわね。』
『お母さん、梅の枝を挿し木するから僕に頂戴。』
『約束していたから良いわよ。』
『大事にするね。』
僕は梅の枝を庭に植えて、元気になるんだよと声をかけた。


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