とんげらけ(2)

2015-10-15 21:19:10 | 童話
そして、雪が溶けて暖かくなると、クマは冬眠から目をさまして
『やあ、みんな、とんげらけ。ずっと長いあいだ冬眠していたので腹ペコだよ。』
と言ってエサを探して歩いて行きました。

ほかの動物達は
『とんげらけ、行ってらっしゃい。』
と行ってクマを見送りました。

この村の動物や鳥たちがあいさつをする時は、いつも「とんげらけ」と言います。

おはようも、こんにちはも、こんばんはも、全部「とんげらけ」と言います。

だからここは「とんげらけ村」なのです。

この村には、人間が使わなくなった小学校を有ります。
動物達は、この小学校で勉強をしたり、会議をしたりします。
そして、運動会や盆踊りもします。

この小学校は不思議な小学校で、学校の入口に有る校門をくぐると、みんな同じ大きさになります。

クマはタヌキやキツネと同じ大きさになるために小さくなり、ウサギやリスはタヌキやキツネと同じ大きさになるために大きくなります。

だから、小学校の中ではみんな同じ大きさですので、運動会で「前にならえ」をやっても、教室でイスに座っても、みんな背の高さが同じです。


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