てんから、てんから、てんからてん(1)

2021-09-30 09:10:08 | 童話
満月の夜、村の小学校の校庭に動物が集まります。
都会の小学校の校庭にも動物が集まります。
村の小学校には、イヌやネコ以外に、タヌキやキツネやイノシシや、たくさんの動物達が集まります。
都会の小学校には、イヌとネコだけが集まります。タヌキやキツネやイノシシはいませんし、カラスやスズメは、夜は目が見えないので、集まりません。
そして、二つの小学校で、お互いに自分達の姿を月に映して学級委員会をします。

その学級委員会を始める時に、片方の小学校で『てんから、てんから、てんからてん。』と言います。
そして、もう片方の小学校でも『てんから、てんから、てんからてん。』と言います。
そうすると学級委員会が始まるのです。

『これから、学級委員会を始めます。それでは、今やっている活動を話しあいます。』
村の小学校のみんなが
『ホタルが少なくなってしまったので、池や小川をきれいにする活動をやっています。』と発表しました。
都会の小学校のイヌとネコが
『交通事故にあわないように、信号を守る活動をしています。』と発表しました。

『それでは、質問のある方はいますか?』
都会の小学校のイヌとネコが
『ホタルというは何なんですか?』
と聞きました。
『えっ、ホタルを知らないの?』
と、村の動物達が、不思議そうに聞きました。
村の小学校の動物達が
『お尻が黄色く光りながらフワフワと飛ぶかわいい虫だよ。』
と、ホタルを月に映して、都会の小学校のイヌとネコに見せてあげました。
『やぁ、きれいな光りだね。』
『うん、きれいだし、かわいいよ。』

そして、また都会のイヌとネコが聞きました。
『村の小学校からゲロゲロ、ゲロゲロと聞こえてきますが、何が鳴いているのですか?』
『えっ、カエルを知らないの?』
『うん、知らないよ。』
『田んぼや小川にいて、みんなで夜通し鳴くんだよ。そして、カエルの子供はオタマジャクシと言うんだよ。』
そう言って、村の小学校の動物達が、カエルと、もう少しでカエルになるオタマジャクシを月に映して、都会の小学校のイヌとネコに見せてあげました。
『オタマジャクシはかわいいねぇ。』
『うん、かわいいよ。もう少し前だと、オタマジャクシは手も足も生えていないんだよ。』

『ふぅ~ん。都会には、田んぼも小川も無いから、カエルもオタマジャクシもいないよ。』
『へぇー、そうなんだ。』
『それでは、今日の学級委員会を終ります。また次の満月の夜に学級委員会をします。
バイバ~イ。』
『バイバ~イ。』


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