おじいちゃんのメガネ(2)

2018-03-06 20:00:32 | 童話
今日はお兄ちゃんと一緒に歩いて行くではなく、おじいちゃんのメガネの自転車でいくので、何も持っていかない。
やっと小川に着いた。
『やぁ、メダカやフナがいっぱいいる。メダカ君、フナ君、今日はお家に連れて行ってあげないよ、また今度ね。』
僕は小川でメダカ君とフナ君に会ったので、今日はもう帰ろう。
『メダカ君、フナ君、バイバイ。』

おじいちゃんが僕の所にきて
『新聞を読むからメガネを使うよ。』
『うん、いいよ。』

何日か後でおじいちゃんのメガネが壊れてしまった。
メガネの鼻に当たる所が1個取れてしまったのだ。
『このメガネは古いから仕方が無いなぁ、新しいのを買ってこよう。』
と言っておじいちゃんはメガネ屋さんへ行った。
おじいちゃんは帰ってきて
『レンズを新しいフレームに付けたので、これをあげるよ。』
と言って僕に古いメガネをくれた。
『わぁ、ありがとう、大切にするね。』

僕はお父さんに頼んでメガネの耳に掛ける所を取り外してもらったので、二つの丸い所だけになって本当の自転車のようになった。
『もっと本物の自転車のようにしよう。』

僕はお母さんに爪楊枝を3本もらって、お兄ちゃんに1本を短く切ってもらった。
僕はお母さんからもらった糸で、長い2本をメガネの丸い所に結び付けた。
そして、長い2本に短い1本を糸で結び付けてハンドルにした。
『やった、ハンドルができた。』

しかし、僕の自転車は立たない。
『よしっ、自転車を立てるスタンドを作ろう。』
僕はお母さんからまた爪楊枝を3本と、結び付ける糸をもらった。

僕は3本を糸で結び付けて三角形を作り、後の車輪に糸で結び付けた。
『やった、やった、立ったよ。』

そして、お兄ちゃんに小さくなって丸くなった消しゴムを貰って、車輪と車輪との間に糸で結びつけてサドルにした。

僕はおじいちゃんに僕の作った自転車を見せると
『おぅ、すごいね。』
と言ってくれたので、お父さんやお母さんやお兄ちゃんにも見せた。
みんな『すごい、すごい。』と言ってくれた。

僕はこの自転車を大切にして、本当の自転車を買ってくれた後も、机の上に置いてある。
おじいちゃんはもう居なくなってしまったが、僕とおじいちゃんとの宝物の自転車は、いつまでも僕の机の上に飾っている。

     おしまい



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