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石の飛行機(4)

2017-05-08 21:07:11 | 童話
僕は朝ご飯を食べたらすぐに川原へ行った。
宿題は昨日終わらせたので、朝から行けたのだ。
川原の石をたくさん集めて、僕の飛行機の隣りにジェット旅客機を作り始めた。
小型のプロペラ飛行機より、ずっとずっと多くの石が必要だった。

どうして大きなジェット旅客機でないと外国へ行けないのかぁ、帰ったらお父さんに聞いてみよう。

やっと大きなジェット旅客機ができた。
僕は早く飛ばないと遠い外国へ行けないと考え、すぐに操縦席に乗り込んだ。
『エンジン始動、管制塔、こちらはJA123です、離陸の許可を下さい。』
『こちら管制塔です、離陸を許可します。』
『出発。』

ゴーとエンジン音がして僕はスラストレバーを引いた。
キーンというジェットエンジンの音がして走り始めた。
続いて操縦かんを引いて上昇して、グングン上空に飛んで行き、富士山が段々小さくなっていった。
『やあ、雲の上に出たから天気がいいや。』
そして、水平飛行となったので、エンジンはゴーという音になった。
『下はずっと海だね。大きな船が走っている、自動車運搬船かな。ここから自動操縦にしておやつを食べよう。』

おやつを食べている間にハワイが見えてきた。
『よし、ハワイをぐる~と回ったら家に帰ろう。』
そして、ハワイを回った後、しばらく飛んでいると日本が見えてきた。
『管制塔、管制塔、こちらはJA123です。着陸の許可を下さい。』
『こちらは管制塔です、着陸を許可します。』
着陸してから僕は自転車で帰った。
お母さんが、
『とっくにお昼ご飯の時間が過ぎているでしょ、早く帰ってこないとダメじゃないの。』
と言ったので、
『ごめんなさい、ハワイまで行ったら遅くなっちゃった。』
と謝った。

『ねえ、お父さん、なぜ遠い所へはジェット機じゃないと行けないの?』
『高い所は空気が薄く、抵抗が少ないので早く飛べるし、燃料が少なくて済むからだよ。だけれど空気の薄い所はプロペラ飛行機は飛べないのだよ。』
『お父さん、抵抗って何?』
『空気が飛行機を押し戻そうとする力だよ。』
『ふぅ~ん。』

『ねえ、お父さん、火星へはジェット旅客機で行けるの?』
『宇宙には空気が無いからジェットエンジンでは飛べないよ。』
『じゃぁ、何で行くの?』
『燃料と、それを燃やす酸素と両方を積んだロケットで行くんだよ。』
『ふぅ~ん。よし、明日の日曜日はロケットを作って火星へ行こう。』

僕は昼から本でロケットを調べた。
大きい燃料タンクが2本付いていて、大きいエンジンが3本付いている。
しかし、人間が乗る所は小さくて狭いんだなぁ。

よし、僕は明日、ジェット旅客機の隣りにロケットを作ろう。
そして、火星へ行こうと考え、ワクワクしながらロケットをスケッチした。
『そうか、ロケットはコンピュータと宇宙センターで操作するので宇宙飛行士は操縦しないんだ。』