夢の向こう(4)

2015-09-07 21:26:46 | 童話
ずっと歩いて行くと遠くに家が見えてきた。
もっと歩いてその家に着くと、家の中から、僕のお父さんとお母さんが出てきて
『おかえり。』
と言った。

僕は
『ただいま。だけど、ここは夢の中なの? それとも夢の向うなの?』
と聞くと、
お母さんが
『ここは、夢の中よ。夢の向うは、ここからモノレールに乗っていくの。』
と言った。

僕はすごく高い空の上を走っているモノレールに乗って、大きな駅に着いた。

それから、幅が広くて、高く大きなエスカレーターで、みんなと一緒に駅から滑って降りた。

『早く起きないと学校に遅れるわよ。』
僕はお母さんに起こされた。

大きなエスカレーターは、みんなが学校や会社へ行かないといけないので、みんな夢の出口へ向って行っていたのだ。

僕が大きなエスカレーターに乗っている時に、もう一つのエスカレーターが動いているのが見えた。

そうか、途中で、もう一つのエスカレーターに乗り換えれば、夢の向うに行けたのではないかと思った。

今度、すごく高い空の上を走っているモノレールに乗って、幅が広くて、高く大きなエスカレーターに乗ったら、僕だけエスカレーターを乗り換えようと考えた。