霧のおじいさん(6)

2014-10-05 08:55:04 | 童話
『僕や友達が霧の中で靴が脱げた時に、足の裏がふわふわしていたのはなぜなの?』
『それはね、君たちの靴がわしのヒゲに絡まって脱げて、はだしでわしのヒゲの上を歩いてい たからだよ。』
『そうなんだ。』

『霧が出ない時は、おじいさんはどこに居るの?』
『高い山の上に居るんだよ。
 そして、霧が出る時に、わしはその高い山から下りて来るんだよ。』

『それでは、高い山から下りて来た時は、いつもここに来てよ。』
『それがダメなんじゃ。
 いろいろな所から来てほしいと言われているので、順番で行っているのだよ。』

『今度はいつ来るの?』
『いつなのかねぇ、わしにも分からないのだよ。』