北の森から眺めてみれば

北海道に移り住んで十数年。ここから眺めた身近な世界、遠い世界の出来事をつづる日々雑感。

病院にて

2007-06-23 | 生活・文化
しばらく振りで、本当にしばらく振りで更新します。
この間色々なことがありました。

その1
健康診断の時、以前から時々原因不明の腹痛に襲われ、その度に病院で診察を受けていたのに、その原因がさっぱり分からない事をうち明けました。健康診断の最後にやる「問診」の時です。
一通り私の疑問を聞いた医者は、やはりその原因について何らの所見を述べることなく「それでは大腸の内視検査をしてみましょうか」といって、今までやったことのなかった「ロング」という大腸の中を見る検査を提案しました。
以前に胃カメラは飲んでいるし、血液検査はしているし、虫垂炎の疑いも検査で晴れているし、後は「大腸ポリープ」あるいは「大腸癌」を疑ってみようと言うことなのです。
日程を決め、大腸のカメラを入れました。その結果「異常なし」と言われました。「それではこれを受付に出して会計してお帰り下さい」と言うわけです。

私は少し腹が立ってきました。
「何ですか、それは。私は身体の痛みについて訴えている(愁訴している)のです。お医者さんにその原因を突き止めてこの痛みと不安を取り除いて欲しいのです。検査して異常がなかったから帰れとはどういうことですか。私の痛みは『気のせいだ』とでも言うのですか?」

すると、
「何処が悪いのですか?」と聞いて来るではありませんか。
「何処が悪くてこんな痛みがあるのか、分かれば苦労しませんよ。それが分からないからわざわざ病院に来て診察を受けているのではないですか。お医者さんならもっと患者の話を聞いて、あらゆる可能性を考え、必要なら検査してそれを突き止めて下さい。その処方で薬が必要なら薬を買います。手術が必要なら手術を受けます。検査しても分かりませんでした。ハイさようならはないでしょう」

何だか、ただ検査して金を取ってそれで診察したつもりになっている医者に対して私はかなり腹を立てていました。

するとこの医者は手に負えないと思ったのか、下がって裏の方でいろいろ相談していたようなのですが、変わりにその病院の院長が出てきました。
「もう一度、どこがどう痛いのか聞かせて下さい。」さすが院長先生です。やっと診察らしい診察が受けられました。それから診察台に寝て腹を出し、先生は色々触ったり押したりしながら「ここはどう?こうすると痛い?」と聞いてきます。そして遂に盲腸の下の当たりを触診しながら「チョット腫れがありますね。痛くないですか?もしかして…」と言うなりレントゲン技師を呼んでレントゲンを指示しました。それも普通に撮るのではなく、「この角度とこの角度をこうして撮ってみて下さい」と。

やがてレントゲン写真が出来てきて、それを色々見比べていた院長先生は「小腸の塑形ヘルニアかも知れません。」と結論を出しました。そして「この病院では専門的な処置の出来る医者がいないので、別の病院を紹介しますが、よろしいですか?」

やっと私は二年近く悩まされていた腹痛の原因を知ったのです。つまり「脱腸」だったのです。
つづく

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