北の森から眺めてみれば

北海道に移り住んで十数年。ここから眺めた身近な世界、遠い世界の出来事をつづる日々雑感。

総選挙の結果

2012-12-17 | 政治・経済
年末の衆院選、都知事選が終わった。
政党政治に有権者の審判が下された。
ある意味有権者の健全さが示された。
期待に背けば見放されると言うこと。

しかしその一方で有権者の未熟さも示されている。
今回の投票率の異常な低さである。
判断する主体が曖昧なままなのである。
「平等な一票」の意味が理解されていない。

あれほど期待されていた民主党政権が、なぜこんなにももろく瓦解したのか。
あれほど批判しまくっていた自民党の悪政を、なぜそのまま踏襲したのか。
自民党ですらそこまでやれなかった反国民的な「決断」を続けたのか。
「普天間」「消費税」「原発」「TPP」etc.

日本国民が体験した「政権交代」の3年3ヶ月は「期待はずれ」の連続だった。
期待はずれどころか、期待されていない「悪い方」へ政治は動いた。
あれほど「自民の悪政」を批判していた民主党が、なぜそうなってしまったのか。
特に消費増税は最大のバカな判断である。税収はさらに落ち込むだろう。
景気もさらに冷え込むだろう。
「生活難民」の拡大、それも若年層への拡大を招くのは明らかである。
「生活保護制度」も破綻するだろう。

「国民の生活が第一」という標語は、「官僚、財界、米国の意向が第一」という実態にすり替わり、「膨大な借金のツケ」も「米軍への思いやり」も「財界・富裕層への便宜」も、すべて国民、庶民に「犠牲を強いる」形で解決しようとしたのが、民主党政権だった。しかし、その民主党政権に審判を下した結果が、さらに同じ方向を目指す「悪い方へ」流れを導く可能性のある自公・維新の勢力への支持票である。
政治の流れの本質を庶民の有権者がきちんと見抜いていれば、自分の置かれている立場を正しく認識していれば、おそらくこういう結果にはならないのだと思う。

今回の結果を「日本の右傾化」と世界は見ている。つまり、国内政治の行き詰まり=閉塞感を昔のような「富国強兵」策によって打開しようとしている様に見えるのだろう。だが、それを戦前の「大政翼賛会」と同列に見ることはもちろん、拙速である。
当面の自・公新政権となるであろう安部内閣が、この3年あまりの屈辱から学んだものは何であったのか。ある意味、期待がないわけではない。
この新内閣に対して、補完的な働きをするのであろう「維新の会」も含めて、民主党がさらけ出したあからさまな「官僚・財界・米国の言いなり政治」をどのよう打破してくれるのか、打破はあり得ないにしても如何にオブラートにくるんで批判の矛先をかわすのか、が見物なのだと思う。

コメントを投稿