北の森から眺めてみれば

北海道に移り住んで十数年。ここから眺めた身近な世界、遠い世界の出来事をつづる日々雑感。

いちご白書 その1

2005-03-31 | My History
 1969年3月に、札幌のとある公立高校を卒業した私は、東京の有名私立W大学の受験に失敗していたにもかかわらず、上京した。学習院下の牛乳販売店に職を得て、W大のすぐ前にある予備校に通いながら、再受験を目指した。当時通った銭湯が、後に神田川に出てくる「横町の風呂屋」こと安兵衛湯だったことは後で知った-蛇足。

 しかし、時はまさに70年前夜。目前のW大紛争が全共闘によるバリスト突入となり、おきまりの機動隊導入、火炎瓶による抵抗、封鎖解除、ロックアウトとめまぐるしい情勢転換を目の当たりにする。私も予備校生の分際で、学生集会を見物し、有志を集めデモの隊列に加わったりした。

 明けて70年、再びW大の受験に失敗した私はこれ以上の足踏みはできず、地下鉄で駅二つ隣のH大学になんとか引っかかった。そして、新学期が始まる前に自治会を訪れ、サークルに入り「学生運動の闘士」となっていた。政治の季節だった70年をあっという間に駆け抜けて、いつしか学部の中核的なメンバーになっていた。

 71年になり、気がつくとアルバイトと学生運動の合間に授業に出るような生活だった私の視野に、ひとりの同学部の女子学生がいた。ショートヘアで丸顔で、目がクリッと愛くるしくて、形の良い厚めの唇で、少し顔を傾けながら早口にしゃべる、ミニスカートの似合うその子がいつも視野のどこかにいた。

 ある時、たまたま学生ホールで二人っきりになったとき、「なんか会議なんかすっぽかして映画でも観たいね」と私が言うと、「ウン、行こうっ」と思いがけなく一致。そのとき二人で観たのが「いちご白書」だった。それはまるで私たちの物語だった。日頃思ったり感じたりしていることを互いに日記で交換するようになった。まだ淡い恋心だった。…つづく

近頃のニュースに思う

2005-03-12 | Weblog
 本当にいいニュースがありませんね。
特に犯罪が際限なく凶悪化し、倫理を無視してると言うか、逸脱してると言うか…、
本来若い者を諫める役の結構な年寄りが、だらしなく分別のない犯罪に駆り立てられているようです。
「近頃の若い者は…」と言える年寄りがすっかり見えなくなってしまいました。
いい加減なベテランの先生が生徒にわいせつ行為をはたらいたり、
国会議員が酒に酔って痴漢行為をはたらいたり。
もう決定的に道徳の崩壊、人間の自制心の崩壊とでも言うべきところに来ているようです。
これでは人間の希求するモノとして、人々がより幸せに暮らせる社会を目指すなど無理ですね。
現実はそれに完全に逆行しているかのように見えます。

 この原因は一体何なのでしょうか。私には少し見えています。一見それほど大きな影響がないところでの出来事が、人々の心を騒がせ、不安にして、ストレスを溜め、刹那的に発散させる方向へ導いている。そんなアブストラクト・センスで私には感ずるところがあるのです。