北の森から眺めてみれば

北海道に移り住んで十数年。ここから眺めた身近な世界、遠い世界の出来事をつづる日々雑感。

少子化問題について

2005-05-03 | 生活・文化
 将来の年金制度に関連して、危惧されているのがこの問題です。つまり、団塊の世代が次々と定年を迎え、年金受給者となっていくのに反比例して年金を納める若手労働者が減ってくるため、近いうちに年金制度が破綻するという日本の抱える社会問題。これが一時的な傾向と言うのではなく、ますます拍車がかかっているらしいのです。現象だけ見れば、結婚しない女性が増え、子供を作らない夫婦が増え、一人っ子政策でもないのに一人っ子が増えているという事です。

 日本の人口は、合計特殊出生率(女性が生涯に産む子供の数)2.08で現状維持なのだそうです。しかし今、日本の平均は1.29、私の住む北海道は1.22、さらに限定して函館市だと1.13です。このまま推移すると今後一世紀で日本の人口は半減し、6千万人台になるとのことです。
 さかのぼってみると、戦後のベビーブーム(1946年~51年)頃には4.0位だったのが、それから10年後にはほぼ2.0位になり、一定の水準を保っていました。1974年のオイルショック以降はベビーブーム世代の出産により、人口は増え続けていましたが、出生率はどんどん落ち込み、1980年に1.8、90年には1.5、2000年には1.35と降下する一方だったのです。

 どうしてこうなったのでしょう。色々と意見を聞いていると、どうも政治家の方々は「男に勢いがなくなった」とか「女が身勝手に振る舞いだした」と言うところにその原因を求めたがっているようで、そのために家族とか道徳とかいった教育が大事だという結論を導き出したがっているようです。おそらくこんな意見に同意する人は少ないでしょう。ズバリ言うと、私は日本の国民が自分たちの社会に希望が持てなくなっていることが最大の原因であると思います。敢えて政治が悪いとかは言いません。政治の悪さは国民の悪さそのままだからです。日本のように最大限国民主権が保障されている国で、「政治が悪い」と言うことは、主権者の国民が悪いことなのです。

 このテーマは、突き詰めて行くと奥行きが深いので簡単には結論は出せません。時宜にふれてこれからも述べていこうと思います。