北の森から眺めてみれば

北海道に移り住んで十数年。ここから眺めた身近な世界、遠い世界の出来事をつづる日々雑感。

北朝鮮問題

2007-03-18 | 政治・経済
米朝協議がスムーズに進み、両国の緊張緩和ムードが高まっているのに比べて日朝協議の方は氷河期に入ろうとしているようだ。

日本としては日朝間の最大の課題である『拉致問題の解決つまり拉致被害者の即時返還と消息の徹底糾明、これらの事件の責任の所在と処断がなされない限り、国交回復、経済援助はあり得ない』という立場を一貫して主張し、米国に対してもそのことを「理解」してもらって、共同歩調をとるように働きかけてきたはずである。

しかし、ここまで見ると事態は日本の思惑とは全くかけ離れた推移を示している。アメリカにとっては北朝鮮の問題は「核開発の凍結→放棄」が最大の課題で、拉致問題はその周辺の人道問題のひとつに過ぎない。尊重はするけど最大課題ではないのである。

北朝鮮の狙いはまさにそこで、日米間の利害の違いを徹底的に利用し、核開発を道具とした実利のある外交を展開している。このまま行けばもともと北朝鮮と利害の深いロシア、中国を含めた極東地域において日本だけが孤立した立場に追い込まれていくのは必至である。

日本の味方になりうるのは韓国、台湾であるが、韓国の北朝鮮に対する外交方針は基本的には「太陽政策」で、それは変わっていない。あくまでも人やモノの交流を進める中で北を懐柔(言葉は悪いが)していこうと言うものである。

私は韓国と北朝鮮の国交、中国と台湾の国交には必ず何らかの水面下の深い交流があると見ている。互いに親戚関係も深く、民間の経済交流はかなり深い結びつきがあって、それは政治レベルでの対立や敬遠を全く無視して太いパイプになっているに違いないと思う。

日本が考える経済制裁によって、苦しい北朝鮮に打撃を与えようと言うもくろみも、実は表向きの一政策に過ぎず、ウラでは総連からの送金ルートは台湾や香港・マカオなどのほか荒っぽいやり方を含めて合法・非合法あらゆる手だてで確保されていると見るべきである。

今はストップしている万景望号と海産品の買い付けの細々とした民間チャンネルの他には、表向きの外交チャンネルしか持っていない日本は一面外交しか手がなく、壊れたテープレコーダーのように何時までも同じ事を繰り返すしかないのである。これでは何も解決できないし、何らかの進展を得ることは出来ないだろう。日本の孤立化はやむを得ず、北朝鮮は日本だけを敵にして国民を扇動すればよい。

一歩離れてみると、米国にとってもその方が実利のある「枠組み作り」という気がする。どういうことかというと、この地域に厳然たる「緊張状態」があることの方が、米軍と兵器産業にとって利益があるという意味である。実際に口火を切ることのない緊張は、米軍基地にとっても存在価値がある。

現実に米軍自らが参加しなければならない紛争に比べて、日本が代わりに北朝鮮と厳しい対立をしてくれた方が米国にとっては利用価値があるのである。日本で性急に進められようとしている「憲法改正」もこの脈絡で捉える必要があると思う。

私は北朝鮮に対する日本の外交は根本的に間違っていると思う。これは小泉総理が訪朝し、その時にそれまで「闇の中」だった拉致問題が一気に表面化したために、被害者家族のことが感情的に取り上げられ、集団ヒステリー状態の国民世論におされる形で外務省方針が二転三転したところに原因があると思う。

拉致被害者家族の心痛は察するに余りあるが、だからこそ性急な解決を要求するよりも、より大局的な解決策を考えておくべきだったと思う。

具体的に言うと、まず「国交正常化」を図るべきであったと思う。この国交正常化はただ北朝鮮に燃料や食料を恵んでやるのではない。プライドの高い北朝鮮もそんなモノを欲しがっているのではないと思う。とすれば、

国交が樹立して出来ることは、北朝鮮の産業が自立していけるような知的・人的支援である。例えば例外に強い米作りのノウハウとか、日本市場で受け入れられる朝鮮特産品の栽培技術の共同研究とか、工業生産においても日本が提供できる知的支援は大きいはずである。

こうした交流は、現場の人間同士の理解から始まる。技術移転を媒介として、民主主義思想も自然に北朝鮮に流れる。日本に技術留学生を受け入れれば、彼らの多くは民主主義のシステムをも学び、自国の体制に対する批判の目を養うことが出来る。

アメリカがフルブライト留学生などで多くの日本人を受け入れ、アメリカナイズして日本に戻すことによって協調的な経済システムの担い手を育てた(同時に今日の「ハゲタカ」ファンドの芽も育ててしまったが)ように、日本も北朝鮮が自らの手で体制を変革し、協調していけるような人材を北朝鮮の中に育てることが出来るのである。

そんな絵に描いた様にうまくいくモノではないにしても、国家間の外交というのは、表の決まり事以上にこうしたウラの戦略が大事なのではないだろうか。韓国の太陽政策もそうした考えが根底にあるのだと思う。

だが、あの小泉訪朝は蓮池さん、地村さん、曽我さんご家族の奪還という成果は勝ち取ったが、そのことを日朝間の国交回復の大前提としてしまったためにその後の進展を妨げてしまったと言えると思う。

では、どうすれば良かったのか。やはり二国間の国交正常化は進めながら、もう一方の「人道問題」として拉致問題は扱われるべきであったと思う。今更言うのもタラレバ話ではあるが、今後への教訓としてしっかり精算しておかなければならないだろう。

タミフル疑惑

2007-03-16 | スポーツあれこれ
インフルエンザの特効薬と言われるタミフルに対する疑惑が問題となっている。副作用として自殺的な異常行動を誘発する可能性があると言うことであるが、どうもこのニュースに関連した一連の報道を見ていると「煮え切らない」ものを感ずる。

まず、このクスリを認可し国としての備蓄を進めている厚生労働省は、少しでもこうした疑念を払拭するために全力で再調査(検査)し、国民がタミフル服用に際してどう判断したらよいのか、その正確な情報を開示することである。
 今のところそうした緊急な再検査は行われていないにも関わらず、異常行動との「因果関係なし」という結論を出し、もう一方で「処方に当たっては注意を」と呼びかけている。まるで人ごとのように責任逃れに終始しているように見える。

また、このタミフルについて以前に調査し、因果関係無しと判定した横浜市立大学の横田俊平教授は、同大の小児科講座がタミフルの輸入販売元である中外製薬から1,000万程度の奨学寄付金を受けていたことが分かり、追求されると「研究結果がそれによって左右されることはない」と会見した。
医者の良心を信ずるなら、確かにその通りなのであろうが、普通に考えて何らかの利益供与を受けている会社の製品について、人の命にとって安全であるかどうかと言う判断を含む研究はしてもいいけど、公に発表する立場では出来ないのではないだろうか。

どうも最近の医者は苦痛を訴えて病院へ行くと、診察した後に「このクスリを出しましょうか?」とか「じゃ検査しましょうか?」とやたら聞いてくることが多い。患者としては正しい情報があればそれで判断できるかも知れないが、ろくに説明もしないでやたらに金のかかる検査や多種の薬の処方を勧められているようで、迂闊に返事できないのである。

松岡農水大臣の事務所の水道光熱費

2007-03-15 | 政治・経済
まったく…。

調べてみたら彼の選挙区は熊本3区だそうです。どんな人たちが選挙民なのか想像したくなります。まさか「お金をくれた人に投票する」という選挙風土なのでは?

色々ブログなどを見ると、地元では結構暴力団との関係も深いらしい。「熊本の恥」と言う人も多いようだが、でも現実に選挙をくぐり抜けて国会の赤絨毯を踏んでいる。

私の住む北海道にも「北海道の恥」と言われたムネオさんがいる。あの「ムネオハウス」の一件で大バッシングに遭い、刑務所にまで入った彼は、汚名をそぐために強く逞しく復活し、今も頑張っている。

この人に関しては私は一時恥とは思ったが、その後の彼の活動を見ていて北海道の恥とは思わなくなった。彼はむしろ政治家らしい政治家なのではないかと思っている。

他の政治家との一番の違いは、私腹を肥やすことなど考えず、ひたすら自分の生まれ育った大地を愛し、そこに住む人々のために役立とうと思っているからである。

そのために時には地域エゴをむき出してしまったり、なまくら官吏を怒鳴りつけたりしてしまうために反感を買うことも多い人なのである。しかし、政治家は八方美人では務まらない。

同じ北海道の町村氏とか横道氏などのようにすっかり東京の人になってしまい、お上品ぶって地位保全に走るだけの政治屋とはモノが違うのである。道産子はそんなムネオを好きなのである。

松岡農相はこれとは全く異質である。品骨の卑しさが顔に現れている。どうしてこの様な卑しい人物が国権の最高機関である国会に出てきてしまうのか、解せない。

西武球団の青田刈り

2007-03-15 | スポーツあれこれ
発覚しましたね。社会人野球の選手と、早稲田大学の選手に多額の「汚職時代」いや違った「御食事代」。狙いはもちろんドラフト前の「逆指名」をしてもらうため。

このニュースを聞いたとき、すぐに頭に浮かんだのは巨人の高橋由伸選手でした。彼は慶應時代六大学屈指のスラッガーと呼ばれていて、マスコミでは「逆指名確実」「本人が迷っている」という報道でした。

結果的には巨人を指名したのですが、その時の記者会見が何とも腑に落ちないモノでした。私はテレビに出る人は、じっくり見る方ですが、この時の高橋選手は何とも苦痛の表情に見えました。

「本当は巨人なんかに行きたくないけど、親も学校の監督も先輩も寄ってたかって巨人にしろと言うから仕方なく親孝行だと思って巨人にしました」と顔に書いてありました。きっとこの時もかなり巨額のお金が高橋家に入ったことでしょう。私の勝手な推測ですが。

あくまでもウワサですが、あの時彼は自分を育ててくれそうな球団としてスワローズ(当時野村監督)、ベイスターズなどを考えていたようです。しかし、まず親が大の巨人ファン、そして慶應OBの元藤田監督などから、巨人にしろと言われて従ったらしい。

それ以来、私の中では高橋由伸という選手は、大学生にもなって自分の進路も自分で決められない軟弱男…というイメージが定着し、案の定巨人では伸び悩んでいます。選手会長なんかもやりましたが例のストライキの時も、ナベツネさんに「高橋クンはまだ子供だから分からないだろうけど」などと子供扱いされていました。まだそこから脱皮できていないんですね。良い選手なんだけどね。

彼が本当に大人になるには、そして超一流の選手になるにはFA権を行使して巨人を飛び出すしかないのですが、このままだと一生巨人で埋もれそうです。良い選手なんだけどね。と、あくまでも私の個人的見解でした。