けさ朝日新聞が1面トップで(森友文書、財務省が書き換えか 「特例」など文言消える)と、およそ1年前に、森友学園国有地に関する公文書を国会議員に開示していた際、財務省が書き換えていた「疑い」を報じました。
これについて、同日朝9時からの参議院予算委員会の冒頭で、与党の宮本周司さんが取り上げました。
宮本さんは「気になる報道があった」として真偽を聞いたところ、麻生太郎財務大臣は「大阪地検特捜部の捜査にどのような影響があるか予見しがたくコメントしづらい」と答弁しました。
コメントはしていないものの、否定はせず。麻生大臣ら安倍晋三内閣の閣僚は、朝日新聞に対して一貫して厳しい批判を顕在化させており、副総理を兼ねる麻生さんが、否定をしないということは、なんらかの省内での対立があるかもしれません。
与党の宮本さんは「国民の批判があるので、受け止めてほしい」として、次の質疑項目に入りました。
希望の党、民進党は、午前10時半からの国会内でのヒアリングで、急遽、この報道を議題にして、追及の手を強める方針。朝日の昨年2月9日の森友報道、15日からの国会追及スタートから、54週間経っても、炎上が続いています。
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安倍晋三首相(自民党総裁)は衆議院での予算通過直後に、厚労相と、自民党と公明党の幹事長、政調会長の合計5名を呼び、「働き方改革関連法案」(未提出)から、「裁量労働制」の部分を削除するよう、命令しました。
厚労省の「平成25年度調査」で、裁量労働者の方が一般労働者よりも労働時間が短い、という、私はねつ造だと思う誤りにより、野党の攻勢をうけたため。
ゆうべ、平成30年2018年2月28日(水)深夜に首相が発表。これを受けて、けさの新聞各紙は1面トップで「政権に打撃」とまで報じました。
【参議院予算委員会 平成30年2018年3月1日(木)】
「平成30年度予算案」。趣旨説明を既に聴いていますから、きょうは総計2日目になります。基本的質疑1日目。ゆうべ遅くまで、衆本だったので、閣僚もご苦労だなと言ったところです。なお、福井照大臣への質疑はありませんでした。
働き方改革。一夜明けた参議院予算委員会の基本的質疑の冒頭での大塚耕平・民進党代表は、残りの(1)労働時間の罰則付き上限規制(2)同一労働同一賃金(3)高度プロフェッショナルーーの3本柱のうち、高プロの削除も求めました。
大塚さんは「高プロをやめれば、私たちも労働法制の審議をしやすい」とし、加藤勝信厚労相に検討状況を質問。厚労省は、「労政審に示した法案要綱では、平均給与の3倍程度上がる割合を法律成立後に省令で規定する。おおむね年収1075万円以上になるだろう」としました。加藤大臣は「研究職の人などは、2日で繰り返す研究を1日でやった方が効率が良い場合もある」ことなどが現行の高プロの利点だとし強調しました。
ただし、問題があります。高プロは、会社員の弁護士が入っていましたが、その後になってから、会社員の税理士が入りました。これは別の法律、労働者派遣法に後から、製造業が入り、日雇いは外れたことをほうふつとさせる、労働法制改悪の常とう手段。そして、省令とは「労働基準法第14条第1項の厚生労働大臣が定める基準」として、関係分野の六法に載っています。つまり法律に準じるほど大事なルールが、国会ではなく、大臣一人の署名で変えられます。1075万円の年収要件を、500万円に引き下げれば、かなりの人が残業代ゼロになります。法律が成立すると、そのあと、もう1段階の改正で、「大学の商学部を卒業して、経理部に延べ5年いた、年収数百万円の社員」が高度プロフェッショナルになってしまうかもしれません。
ですから、裁量労働だけ削除して、高プロを残したら、高プロで、残業代ゼロの人を増やす方向になることが予想されます。この辺、ゆうべのSNSの反応や、新聞の朝刊1面を見て、どれだけ理解されているか気がかりでしたが、今朝の大塚代表の冒頭の質疑で、やはり私の懸念がだいたい同じ方向性にあることを確信しました。
川合孝典さんは、森友と働き方を質問。
吉川沙織さんは、公文書管理、統計、会計検査院、働き方に加えて、別記事に書いた通り、就職氷河期世代の低賃金による、国と自治体の減収を聞きました。
自民党は、丸川珠代さん、二之湯健史さん。その後、全国商工会青年部の、宮本周治さんが質問。「地元石川で、北陸豪雪を経験して、みんなが驚いたのは、休まず運行した、北陸新幹線の強さだ。早く関西まで開通してほしい」と呼び掛けました。自民党は全体的に緩みまくった雰囲気でした。あすは、いろいろな会派が登場。きょうは午後5時に散会しました。
【衆議院 同日】
空転しました。
首相は、1月4日に伊勢神宮で「働き方改革国会だ」と設定。一方、最大野党の辻元清美さんは1月10日の最初の国対委員長会談後、「立憲主義を守り忖度を決着する国会だ」と設定。予算審議の最後に気を吐き発信力をいかした、辻元さんの設定に近づきながら、中盤国会に突入しました。
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[写真]質問する、吉川沙織参議院議員、2018年3月1日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
いわゆる就職氷河期とされる、現在35歳から44歳の人で、不本意ながら、正規雇用ではなく、非正規雇用を強いられたことにより、国・地方自治体の税収減の試算が拡大していたことが分かりました。
吉川沙織参議院議員が、きょう、平成30年2018年3月1日(木)の参議院予算委員会で取り上げ、麻生太郎財務相と野田聖子総務相が答弁しました。
それによると、2017年時点で、就職氷河期が不本意に非正規を強いられたことによる、国税の所得税の減少幅は、年700億円マイナスと財務省として試算。地方税の個人住民税の減少幅は1200億円マイナスだったと、総務省として試算しました。
5年前の2012年は、国税が400億円マイナス、地方税が700億円マイナスだった、としました。
このため単純合計で、2012年で国・自治体が1100億円マイナスだったのが、2017年には、1900億円マイナスとなっており、国・自治体は税収を失いました。もちろん、その課税客体になる、就職氷河期の所得も減ったことになります。誰も得をしていないことになります。
吉川議員に感想を問われた、安倍晋三首相は、答弁の中で、なぜか、ひきこもり対策にも言及。加藤勝信厚労相は、「生活保護に行く前に手当てをできる取り組みをしたい」としました。
吉川さんは「私も(同志社)大学を卒業する前年に山一証券が倒産していくところを見た」としながらも「私は恵まれていた」と、NTT西日本就職、参議院議員転身を振り返りました。そのうえで、「今なお安い賃金に留め置かれている、同世代のための施策をしたい」と語りました。
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