【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

国会嫌いの世耕弘成大臣、望みが叶い、さっそく国会改革、あすも答弁無し!

2018年03月19日 23時12分18秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]参議院本会議場のひな壇、きょねん2017年、宮崎信行撮影。

 国会嫌いで知られる、世耕弘成・経済産業大臣の「国会改革」が早くも成就。あすも一人だけ国会無しとなりました。

 世耕大臣は、今国会召集週の金曜日に「今日で衆参本会議での施政方針演説に対する3日にわたる代表質問が終わります。昨日までは1問も質問されなかったので、じっと座っておりました。今日は午後に1問だけ答弁します」とつぶやきました。

 私は施政方針演説に対する衆参与野党の代表質問に対する総理や財務大臣らの答弁のやりとりを、全閣僚が聞くのは当然だと考えます。仮にひな壇が疲れるにしても、大臣室でネット中継は見るべきでしょう。だったらひな壇に座った方が効率が良い。また衆参予算委員会の総括質疑(基本的質疑)が大変なら、そもそも、安倍内閣は補正を出すな、本予算案だけにしろといったところです。

 その国会嫌いの世耕大臣の国会改革が早くも成就。召集から58日目となる、あすになっても、府省別に設置された委員会のうち、衆参とも経済産業委員会だけ開かれないままとなることが決まりました。

 経産省提出法案は5本ですが、そのうち2本が日切れ法案となっています。

 ちなみに、経済産業委員会が開かれないのは、「委員の予定が合わないから」ということを、関係者の一人からは聞きました。

 参議院野党時代は、委員会で、舌鋒鋭く、徹底的に民主党を追い詰めた世耕参議院議員。ただ、そのえげつなさは、院内の恨みをかったのかもしれません。

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(C)2018年、宮崎信行。

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1年前の記事、ちょうど今日が岡崎トミ子さんの一周忌、和田政宗さんのテレビ入り質疑をどう見るか?

2018年03月19日 18時21分25秒 | その他
 
【訃報】岡崎トミ子さん、元国務大臣、2009年5月の民主党代表選では「岡田克也首相」を推す

 報道(元国家公安委員長の岡崎トミ子さん死去…73歳)によると、 岡崎トミ子さんがお彼岸のきょう、平成29年2017年3月19日(日)、亡くなりました。 享年73。 岡崎さんは、平......
 

 


理財局森友公文書改竄、参予算委で集中審議、衆・地方創生特別委は地方創生・東京23区大学定員上限法案が審議入り

2018年03月19日 17時30分08秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]東京メトロ「国会議事堂前駅」、国会裏の衆議院側、おととし2016年5月、筆者・宮崎信行撮影。

 週末から週明けにかけて、各社の世論調査で、安倍内閣の支持率は前月比10ポイント強急落。

 各社がケータイ電話を入れてから初の3月の調査。固定電話よりも、携帯電話の方が回答率が高いようです。ただし、月10ポイント急落させる国民性もいかがなものか。町で話して、10人中1人が怒っているわけでもないでしょう。公文書改竄が日常的にあったとは言いませんが、1980年代半ばから、官僚が優秀だという官僚神話がはびこっていて、それが崩れたからショックなのではないでしょうか。

【参議院予算委員会 平成30年2018年3月19日(月)】

 「平成30年度予算案」は10日目で、そのうち集中審議は4日目。

 「公文書管理と行政の在り方について」。ことし最も注目が集まった状態での国会中継でした。ただし、特段新しい話はありませんでした。

 質疑終局後に理事が協議して、採決の前提となる委嘱審査(衆での分科会に相当)を、22日(木)、23日(金)に開くことを全会一致で議決。しかし、証人喚問の議決にはいたらず、散会しました。

 質疑。

 自民党の青山繁晴さんは、「昨年私の11回目の質問で、予算委では初めての質問のさい、財務省理財局だけが、全体のイメージと書いた1枚紙を慣れた手つきで出してきた」とし、質問の流れを指図してきたと指摘。安倍晋三首相(自民党総裁)は「公文書の書き換えで、行政全体への信頼を揺るがす事態になってしまっている」と謝罪。週末の世論調査の10ポイント強ダウンを意識しているとみられます。

 自民党・こころの和田政宗さんは「質問の機会を与えてくれた会派に感謝する」としました。5年前の参院選では2人区だった宮城県選挙区でみんなの党公認港として、自民党の次の2位に滑り込みました。その際、民主党公認の岡崎トミ子さん(故人)に対して、かなり辛辣なネット批判を浴びせて滑り込みました。宮城県内の有権者でもその事情はあまりご存じないかもしれません。もちろん、岡崎さんが衆院時代を含めて、従軍慰安婦問題に関して韓国を訪問するなど言語道断の行為で、すべての国会議員は野党でも日本の国益を最優先すべきです。とはいえ、ネットウヨをけしつけるかたちで、2人区の2番手争いを過剰なまでに炎上させる手法は、あまり褒められたことではありません。

 和田さんは「国会に出しても何ら問題のない文書を改竄したことにより、国会審議が空転したことに怒りを覚える」と微妙な情報操作。太田充・財務省理財局長に対しては、「野田内閣の事務秘書官だったから、増税派でアベノミクスをつぶそうと、わざと変な答弁をしているのではないか」と質問。太田さんは「公務員としてお仕えてしているだけで、(そのような言いぶりは)ご容赦ください」と答弁しました。但し、憲法15条は、「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と定めています。この15条はそれを具現化する付属法律がとくになく、空証文となっているとの指摘もあります。この「全体の奉仕者」という憲法15条の理念も、「財務省憲法」のもとで、捻じ曲げられていたのではないでしょうか。情報公開・公文書管理法をなきものとし、税制改正は増税、歳出改革は削減だけを意味してきた、この20年間の失政の根は深いと言わざるを得ません。

 民進党の難波奨二さん(JP)が11時過ぎに、佐川宣寿さんらの証人喚問を求めました。昼の理事会で協議されると思います。

 午後3時頃、共産党も、きょうの委員会での証人喚問議決を要求。委員長は「後刻、理事会で協議します」と語りました。

 無所属クラブは、「みんなの党」の薬師寺みちよさんと渡辺喜美さん2人の会派ですが、予算審議では毎回、来夏改選の薬師寺さんが登場しています。与党寄りの質疑が目立ちますが、きょうは、国立公文書館の加藤館長を参考人として呼びました。加藤館長は、アーキビストの整備を訴えました。安倍首相、麻生副総理がともに、公文書管理に詳しくないと語る場面がありました。

 上述の通り、質疑終局後に理事が協議。委嘱審査だけ決めて散会。あす20日(火)午前9時散会。

【衆議院地方創生に関する特別委員会 同日】

●東京23区大学定員上限法案が審議入り

 「アベノミクス」関連法案が多いので、審議を急いでいます。区域を区切るだけでなく、時間も区切ろうとしています。情報強者が「合法的」に得する経済の継続をめざすようです。
 
 地方創生2法案が審議入り。
 
 一つは法案提出前に話題になり東京都知事も出てきた、東京23区内の大学定員に政令で上限を設ける法案と、東京23区から転出した企業に特別減税を施す法案です。
 「地域における大学振興法案」(196閣法5号)と、
 「地域再生法改正案」(196閣法7号)

 梶山弘志大臣は、2法案を一括して趣旨説明。非常に前置きが長いのですが、要するに政令で東京23区を指定して、大学定員の上限キャップをかぶせる。東京23区から転出した企業に特別減税を施し、その自治体に固定資産税減収の交付税措置をとるというものです。

 案文では施行日は「4月1日か、公布日のいずれか遅い日」としており、日切れ法案が年度内に成立しない場合も見据えて執筆されています。

 直ちに質疑に入りました。与党は第2会派の公明党から。その後、与党の質疑のみで、今日は散会しました。次回は、明日。

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