【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「文句があるなら署名でなくて直接言え」岡田克也幹事長が民主党ガバナンスで苦言

2010年11月25日 21時08分25秒 | 岡田克也、旅の途中
[画像]政治改革実現のために党本部6階の総務会室前で暴れる1年生議員時代の岡田克也さん(日テレ映像からお借りしました)

 民主党幹事長の岡田克也さんは25日の記者会見で、「企業団体献金の全面禁止に向けて」と題した署名活動をした衆参議員が幹事長室を訪れて申し入れたことについて、「民主党は開かれた党なので、幹事長に意見があるのなら、どんどん言ってきていただければいい」として、「この党には昔からこういうところがあるんですね」として、党内のガバナンスにおいては、署名運動でなく、直接幹事長に文句を言ってくれ、との苦言を呈しました。 実はこの件に関しては、地元で叱られた1年生で、とくだん、「幹事長補佐」の肩書きを持っていない人が、岡田幹事長に直談判し、話し合い、お互いが納得しています。

 きょう国会内幹事長室を訪れた署名メンバーは、「企業団体献金の全面禁止に向けて」と題した呼びかけ文に応じた人です。衆院議員15人、参院議員4人が呼びかけ人となっており、この中にはなぜか岡田さんと同期(第39回衆院選初当選)の参院議員、増子輝彦さんから1年生議員まで幅広く名を連ねています。呼びかけ文では、民主党は長年、企業・団体献金の廃止を選挙公約やマニフェストに盛り込んできたとしながらも、「我々は民主党所属の国会議員である前に、一政治家として企業団体献金のあり方に対しては断固方針を崩さない」という、イマイチ要領を得ない内容となっています。一部では、代表選も解散もおそらく2年以上ないという凪の状態で、臨時国会と来年度予算編成でまとまらなければいけない時期なのに、党内政局を仕掛けているのではないか、という疑心暗鬼が生まれ、党内ガバナンスの不安定要素につながりかねない、との指摘が一部に出ていました。

 そこで、岡田さんは国会内幹事長室に申し入れに来た才能あふれる仲間たちに次のペーパーを見せて、懇切ていねいに説明したうえで要望を聞いた、とのことです。
 
[画像]岡田克也幹事長が説明のために用意した「企業団体献金に関する民主党のこれまでの対応について」
↓下の民主党ホームページから取り出すことが出来ます(PDFファイルです)。 
http://www.dpj.or.jp/news/files/kigyodantaikenkintaiou1125.pdf

 この件に関しては、新聞の社説でも明らかに誤解があり、岡田さんの弟が政治部長を務める東京新聞(中日新聞)の1面コラム「筆洗」でも誤解に基づき論を進めており残念でした。そして民主党議員内にも誤解を生じることになってしまいました。なぜ、岡田さんが強く抗議しなかったのか、私としても釈然としないところがあります。

 岡田幹事長になってから、「現金のやりとりを止めた」「特定の個人への組織対策費を止めた」とクリーンでオープンな民主党を目に見える形で推進している岡田さんですから、おそらくこの件は「なんじゃろな?」と思っている方が多いでしょう。

 「真意が間違って伝わっていないことが不本意だ」と繰り返す岡田さん。私は「1月は小沢一郎幹事長が陸山会の強制捜査を受けたので、政治とカネへの批判を交わすために、党本部(国民改革協議会)の献金をやめた(保留した)のではないか?」との問いましたが、小沢さんを政治の父と仰ぐ岡田さんは「仮定の質問にはお答えできません」と答えました。岡田さんのような人間になりたいと僕は感じました。まあ、なれないけどね(^^;) 少しでも近づければ。

時事ドットコム:企業献金再開に反対=142人署名、岡田氏に要請-民主

 民主党の中野譲、城井崇両衆院議員ら若手約20人は25日、国会内で岡田克也幹事長と会い、自粛していた企業・団体献金の受け入れ再開に反対し、全面禁止に向けて早期の取り組みを求めるとした要請書を提出した。
 要請書には衆参議員142人が署名。岡田氏が主導して決めた企業・団体献金の一部再開について「大変遺憾であり、マニフェスト(政権公約)で全面禁止を掲げたわが党に対する国民の期待とは相反するものだ」と批判している。
 これに対し、岡田氏は企業・団体献金への対応の経緯をまとめた文書を渡し、受け入れ再開に理解を求めた。この後の記者会見では、署名による要請について「あまりいいやり方ではない。開かれた党なので、幹事長に意見があるならどんどん言ってきてもらえばいい」と不快感を示した。 
 


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