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ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

「選挙期間中の戸別訪問」に鳩山首相が前向きな答弁

2010年03月10日 23時16分35秒 | 第22回参院選(2010年7月11日)反省の夏
【参院予算委員会・集中審議 2010年3月10日】

 きょうの参院予算委で、公明党の西田実仁さんが、「戸別訪問」の解禁を鳩山由紀夫首相に質しました。鳩山さんは「戸別訪問そのものが悪だという発想では金のかからない選挙はできない。与野党の協議会の中で結論を出していただきたい」と答弁しました。

 公職選挙法の第138条は、選挙運動中(公示・告示~投票前日)に、戸別訪問をして、投票を呼び掛けたり、あるいは投票しないことを呼び掛けることを禁止しています。さらに演説会のお知らせをしたり、候補者や政党の名前だけを連呼することも禁じています。

 「戸別訪問の禁止」を定めた公選法第138条は、1950年から60年間一度も改正されていません。

 しかし、私が知っている限り、欧米先進国を含めて、選挙期間中の戸別訪問を禁止しているのは、日本だけです。

 60年間なぜ改正されなかったのか。自民党長期政権時代には、公明党・創価学会の組織力をおそれていたというのが一つの理由だとされています。ところが、2000年代の自公連立政権になっても改正されませんでした。おそらく「戸別訪問が禁止されたままの方が、与党現職議員にとっては、楽だから」という理由でしょう。

 また、戸別訪問によって、現金を渡したりする「供応買収」の温床になるという理由もありました。

 しかし、1996年以降は、国政選挙は小選挙区が主体となっています。中選挙区(定数3~5の単記方式)では、おおむね「12%の得票率」で当選ラインを超えましたが、小選挙区は、基本的に「50%超の得票率」が必要です。

 ということは、得票率を11%から12%に押し上げる中選挙区は「現金」で勝てても、49%を51%に押し上げる小選挙区では、現金を配っても勝てないし、逆効果になります。実際に、小選挙区導入後は、供応買収で立件された事例は激減しています。

 このようなことから、私も「戸別訪問の解禁」に強く賛同します。戸別訪問をして、投票を依頼したり、説得したり、マニフェストなどを配ったりすることはデモクラシーの基本です。

 念のため。平常時に、議員や総支部長が戸別訪問をして、後援会への入会を働きかけたり、ポスター掲示をお願いしたり、行事への参加を呼び掛けたりすることは公選法にはまったく違反しません。

 せっかく政治への関心が高まっているのですから、60年ぶりに戸別訪問を解禁すべきだと思います。地方議会選に関しては留保したい感じもありますが、小選挙区ではぜひ戸別訪問をすべきです。

時事ドットコム:戸別訪問解禁へ協議を=鳩山首相

 鳩山由紀夫首相は10日午後の参院予算委員会で、公職選挙法で禁止されている戸別訪問について「戸別訪問そのものが悪だという発想では金のかからない選挙はできない。与野党の協議会の中で結論を出していただきたい」と述べ、政治資金の在り方に関する与野党協議機関が設置された場合、戸別訪問の解禁も論議のテーマとなることに期待を示した。公明党の西田実仁氏への答弁。

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