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ニュースサイト 宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

日航、ついに倒産へ

2010年01月12日 09時29分08秒 | その他

 [写真]前原誠司国土交通大臣、私は前原大臣の判断を支持します。

 「倒産」という言葉を使うと驚かれるでしょう。

 日本航空がついに、来週19日に倒産する運びになりました。きょう、国土交通大臣と3大メガバンクの頭取が話し合い、決定するようです。

 倒産とは、「財産を使い尽くすこと」という意味で、「会社更生法適用」は「倒産」です(広辞苑など)。

 新聞は「法的整理」という言葉を使っています。19日にも東京地裁に会社更生法の適用を申請し、認められる運びです。株式を100%減資し、債務を圧縮し、株式上場停止するのですから倒産です。「会社更生法の適用を申請し、事実上倒産しました。事業は継続します」というニュース原稿の耳覚えがあるでしょうが、要するにこれと同じことです。

 新聞が倒産という言葉を使わなくなったのは、①響きがキツイ②事業を終了するような感じがする③マスコミとマーケットの反応が速い時代になった④広告主への配慮--などの理由だと、私は思います。

 しかし、「日航、倒産」。まさに時代を感じます。

 日航という会社は、やはり「123便」のときの情報隠蔽(エンクロージャー)ですべて終わってしまった会社だと思います。これに先立つ「尻もち事故」とその修復作業のミス。これをエンクロージャー(抱え込み、情報隠蔽)してしまったことにより、520人の命の取り返しのつかない大事故となる。ここの関連性についても、情報は隠蔽され資料は廃棄されました。「エアライン安全ランキング」では、アジアワースト3位の航空会社ということで、この先いくら飛んでも、計算上、この汚名は返上できない状態でした。

 経営陣肝いりの御用組合(第二組合)が作られ、合計8つの労働組合に分裂しました。これを労働者側の責任と見る向きが多いですが、私は強い立場にある大企業経営者による働く仲間の分断工作だったんだと思います。そこまで内部には詳しくありませんが。

 「日航」とは、政財官癒着、エンクロージャーの総本山でした。国内線に乗ると、同じ料金の席でも、国会議員は必ず1列目に座っています。私が22年前に国際線に乗った時、客室乗務員がカクテルを作ってくれるという過剰サービス。日本人客より外国人客がいつも優先という外向きの「ナショナル・フラッグ」。

 フライト中に、客室乗務員と外国人客が「成田に着いたら、3連休(スリーホリデーズ)よ」と語らう日航機内の雰囲気に何とも言えない違和感を覚えました。その経験から、私は国際線はアメリカ系の格安航空会社やアジア各国のナショナル・フラッグ・キャリアー、国内線はANAに乗るようにしました。路線の関係などで、JALに乗ることもありましたが、いつも何らかのサービスの一つに首をひねりながら、タラップを降りていました。

 参院選に向けて、民主党が「日航処理成功」とアピールしても票は減るだけだと思います。不況に怒っている有権者は「不況は与党の責任だ」と判断するものです。「不況なので与党になびく」という有権者心理は現代には存在しないと思います。

 日航倒産は、ディスクロージャーしないと破たんする、--という教訓をもたらしました。

 まったく同情の余地がないし、むしろ遅きに失した「倒産」です。

 前原誠司国土交通大臣の判断を私は99%支持します。路線の継続については、まだ見えない部分があるので、1%分は保留しますが、競合路線ではANAへの統合を支持します、路線継続のための減便も支持します。


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