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ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

岡田副総理、「特例公債法が成立しないリスク判断を」と銀行通じて自民党をけん制 会期末、あきらめない。

2012年08月31日 19時52分06秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 岡田克也副総理は2012年8月31日(金)の定例記者会見で、総務省が9月4日付の県庁向け地方交付税交付金を3分の1に削減(残りの交付の延期)するとの報道について「まだ決まっていない」としたうえで、「(交付税の一部先送りにともなう県庁の運転資金の不足分を)借り入れでまかなうというのは、銀行の判断になるが、銀行は特例公債法が絶対に成立するというリスクを含む判断をしなければならない」と述べました。来週火曜日の交付に関して、伝統的に自民党とのつながりが太い全銀協、地銀協や、知事、県庁幹部を通じて、「財政運営のために必要な特例公債法案」(180閣法2号、衆議院可決済み)を参議院で審議入りさせ、9月8日(土)までに、出席議員の半数以上の賛成で、本会議で可決・成立させるために死力を尽くす方針を示したものと思われます。

 これは、当ブログが「自治体の指定金融機関をはじめとする銀行が国政府や自治体に対して、運転資金を貸し出して利息を得るのは、(国・自治体の信用力が高いので)あまりにも楽な仕事ではないか」の趣旨の質問をしたことへの答え。

 岡田さんは「交付税についてどう扱うかということは、まだ決まっておりません。特に極めて影響が大きく出るということがないように、配慮も必要だというふうに思っています。借入れで賄うというのは、それはある意味では銀行の判断ですね。リスク判断も含めて、それは特例公債法が絶対通るという確信に満ちて対応されるかどうかという問題もあるのだというふうに思います。我々はそれを通す責任がありますけれども、本来、とっくに成立していなければならないものが、いまだにこういう状況になっているということです」と記者会見で答えました。

 岡田副総理は、「自民党が特例公債法案をあたかも人質にとるような態度をとっているのは好ましくない」と語り、政権交代ある政治で毎年度の特例公債の発行を可能とする法案を人質にとることは自民党も民主党もすべきでないとしました。 

 岡田さんは2013年3月31日までに特例公債法が絶対成立するとは限らず銀行にとって貸し出しリスクが存在することを政府の幹部としてはおそらく初めて言及しました。これは、私見ですが、仮に特例公債法が成立しなくても、銀行からの借入金、借換債・財投機関債・政府短期証券の発行でキャッシュフローを回すことが技術的には可能であるという見通しが政府内に存在している可能性があります。

 ただ、自治体向け融資は、新発国債の金利より高いと思われ、有力銀行にとっては、利息収入を増やすビジネスチャンスになる可能性もあります。が、ここで甘えると、日本で働き暮らすすべての人にとて、将来のためになりません。そもそも自治体から銀行支払う利息の原資は税金ですから納税者の生活向上にまったく関係ない歳出が水ぶくれしてしまいます。麻薬です。

 来週中の参議院財政金融委員会での審議入りと採決、本会議上程が必要です。なお、8月28日(火)の衆議院での採決では、昨年と異なり公明党が反対しました。しかし、自民党は欠席しており、議場で判断は示していません。

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[お知らせおわり]
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