
[画像]特定秘密保護法案の強行採決で「可決」を宣言する委員長、2013年11月26日(火)、衆議院インターネット審議中継から。
自民党は、2013年11月26日(火)、特定秘密保護法案について、総理入りの質疑を行い、NHKテレビ・ラジオで中継されました。
委員長が「総理は御退席いただいてけっこうです」と発言し、NHKが中継を終えようとすると、自民党の今津寛さん(元防衛副大臣)が「委員長!」と叫び、質疑の打ち切り動議を提出。委員長は質疑終局を宣言しました。この後、委員長は討論の省略を宣言。民主党は堂々と反対討論で意見表明する用意がありましたが、その機会は奪われました。すぐに、自民党・みんなの党・維新など「平成大政翼賛会」4党による修正案について採決し、可決。引き続き、修正部分を除く政府原案についても、賛成多数で可決しました。散会を宣言。民主党が提出した4法案は採決されませんでした。
民主党は採決・法案に反対しました。維新は採決に反対し、退席しました。共産・生活も反対しました。
[画像]打ち切られた国会中継「終」の画面、NHK、2013年11月26日(火)、テレビ画面から筆者撮影。
NHK国会中継では、今津さんの「委員長!」という声や、理事・委員らが委員長席に殺到する場面が遠巻きに流れながらも、アナウンサーが国会中継終了のアナウンスを継続。この過程で、マイクの音が一瞬絞られる場面があり、NHK放送センターの担当者が早めに幕を引こうとした可能性があります。
自民党議員の子息が多くつとめるNHKと自民党の連係プレーで、国民の目と耳をふさぐ時代がスタートしました。
特定秘密保護法が成立すると、国だけでなく、地方自治体・地方公務員である、県警、警察官も対象になり、テロが起きた後に、「2月3日、パトロール、特に問題なし」という行政文書が、警察庁によって後から特定秘密になる可能性があります。あるいは、東電福島第一原発正門を通るクルマのカーナンバーリストをつくれば、東電が発注している人材派遣会社を割り出せるので、キャリア官僚が弱みにつけ込んで天下ることもできます。また、県警のシュレーダー処理を請け負う会社の従業員も「適性検査」を受けますが、たとえば「いとこの配偶者が中国人」という理由で、「失格」とされ、その後の仕事探しに影響します。キャリア公務員の恣意性を高め、都合の悪いことを隠蔽する法律です。ちなみに、防衛機密は現行のまま移行することになっているので、防衛省・自衛隊は、現行法と大差ありません。やはり、警察庁と47都道府県警察本部の「平成の治安維持法」と言ってよいでしょう。
委員会可決法案が本会議かからなかった事例は過去に1例(2本)しかなく、本会議での可決は確実。しかし、会期末が12月6日(金)に迫っていることから、参議院での審議未了へ追い込むことは十分可能で、国民による安倍自民党への巻き返しが続きそうです。
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