
(写真は田波耕治さん=国際協力銀行ウェブサイト)
自民党政府は18日、日銀総裁に田波耕治元大蔵事務次官(68)、武藤副総裁の後任に西村清彦・審議委員(54)を充てる人事を国会・民主党などに提示しました。
田波さんはかつて大蔵事務次官にリリーフ登板した人です。
今度は日銀総裁へのリリーフを求められています。
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私が首相官邸で総理番をしていた1997年は「山一・拓銀ショック」「アジア通貨危機」「橋本行革」など激動の時代でした。
私は1997年は「日本がグローバリゼーションに抗えなくなった年」として歴史的(エポックメイキング)な年として現代史に位置づけられることになると考えています。
このとき、内閣内政審議室長だったのが、大蔵省出身の田波さん。
旧官邸は手狭だったので、室長室は総理府にあり、総理に呼ばれたときだけ、首相官邸にやってくるのです。
1日3回やってくるときもあり、赤絨毯をのぼってくる田波さんに
「室長、きょうは3回目ですが、何のご用件ですか?」
「はは、何だと思う? あててごらん?」
と言われて、いろいろ予想したことがありました。
当然、大はずれだったでしょうが、そういう生活の中で鍛えられました。
田波さんは人柄がいいダンディ。内政審議室長から大蔵事務次官へと奇跡の復活を果たします。
“ノーパンしゃぶしゃぶ事件”。
三塚大蔵大臣、小村武事務次官が辞職し、武藤敏郎官房長は降格。
日銀では松下康夫総裁、福井俊彦副総裁が辞職。
この危機的な大蔵省を救うため、橋本首相が大蔵事務次官にすえたのが田波さんです。田波さんのリリーフで、大蔵省は立ち直りました。
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さて。
田波さんの経歴を確認しましたが、主計局、主税局と大蔵省の2、3階で仕事をしてきた人です。
福田首相がこの期に及んで、主計局、主税局、理財局出身者しか総裁候補に出してこられないのは、官邸が機能不全になっている証拠です。
財務省(大蔵省)出身者なら、国際金融・通貨行政のトップである、財務官でなければ、意味がない。
「福井総裁の再任」、「田波総裁」案と福田さんは思考停止です。
一連の人事は、坂篤郎内閣官房副長官補が調整しているのでしょうが、福田総理・町村官房長官のリーダーシップはどうなっているのでしょうか?
総理や官房長官が率先しないと、副長官補もかわいそうです。
さて、田波さんの2度目のリリーフ成功なるか?
私はやっぱり「不同意」。
◇
一方で、“有識者枠”(法令上、そんな枠はありませんが)の副総裁には、「実質ゼロ金利時代の金融政策決定会合メンバー」をあてるべき。
というわけで、現審議委員の西村清彦さんに「同意」したいです。
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まあ、白川方明副総裁が3月20日、総裁代行に就任するでしょう。
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政府、日銀総裁に田波元大蔵次官を提示 副総裁は西村氏(朝日新聞) - goo ニュース
政府は18日午前、19日に任期が切れる日本銀行の正副総裁の後任人事について、総裁に元大蔵事務次官で国際協力銀行総裁の田波耕治氏(68)を、副総裁に日銀審議委員の西村清彦氏(54)を充てる人事を国会に提示した。18日中に衆参両院で所信聴取を行い、19日の両院本会議で同意を得たい考えだ。(後略)
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