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宮崎信行の国会傍聴記 ニュースサイト

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

【日銀総裁】田波さん“2度目のリリーフ”なるか? 前回は“パンしゃぶ”後の大蔵事務次官

2008年03月18日 16時39分39秒 | 第169通常会(2008年1月~6月)ガソリン国会

(写真は田波耕治さん=国際協力銀行ウェブサイト)

 自民党政府は18日、日銀総裁に田波耕治元大蔵事務次官(68)、武藤副総裁の後任に西村清彦・審議委員(54)を充てる人事を国会・民主党などに提示しました。

 田波さんはかつて大蔵事務次官にリリーフ登板した人です。
 今度は日銀総裁へのリリーフを求められています。

 ◇

 私が首相官邸で総理番をしていた1997年は「山一・拓銀ショック」「アジア通貨危機」「橋本行革」など激動の時代でした。
 私は1997年は「日本がグローバリゼーションに抗えなくなった年」として歴史的(エポックメイキング)な年として現代史に位置づけられることになると考えています。

 このとき、内閣内政審議室長だったのが、大蔵省出身の田波さん。
 旧官邸は手狭だったので、室長室は総理府にあり、総理に呼ばれたときだけ、首相官邸にやってくるのです。
 1日3回やってくるときもあり、赤絨毯をのぼってくる田波さんに

 「室長、きょうは3回目ですが、何のご用件ですか?」
 「はは、何だと思う? あててごらん?」

 と言われて、いろいろ予想したことがありました。

 当然、大はずれだったでしょうが、そういう生活の中で鍛えられました。

 田波さんは人柄がいいダンディ。内政審議室長から大蔵事務次官へと奇跡の復活を果たします。

 “ノーパンしゃぶしゃぶ事件”。
 三塚大蔵大臣、小村武事務次官が辞職し、武藤敏郎官房長は降格。
 日銀では松下康夫総裁、福井俊彦副総裁が辞職。

 この危機的な大蔵省を救うため、橋本首相が大蔵事務次官にすえたのが田波さんです。田波さんのリリーフで、大蔵省は立ち直りました。

 ◇

 さて。
 田波さんの経歴を確認しましたが、主計局、主税局と大蔵省の2、3階で仕事をしてきた人です。
 福田首相がこの期に及んで、主計局、主税局、理財局出身者しか総裁候補に出してこられないのは、官邸が機能不全になっている証拠です。

 財務省(大蔵省)出身者なら、国際金融・通貨行政のトップである、財務官でなければ、意味がない。

 「福井総裁の再任」、「田波総裁」案と福田さんは思考停止です。

 一連の人事は、坂篤郎内閣官房副長官補が調整しているのでしょうが、福田総理・町村官房長官のリーダーシップはどうなっているのでしょうか?

 総理や官房長官が率先しないと、副長官補もかわいそうです。 

 さて、田波さんの2度目のリリーフ成功なるか?

 私はやっぱり「不同意」。

 ◇

 一方で、“有識者枠”(法令上、そんな枠はありませんが)の副総裁には、「実質ゼロ金利時代の金融政策決定会合メンバー」をあてるべき。

 というわけで、現審議委員の西村清彦さんに「同意」したいです。

 ◇

 まあ、白川方明副総裁が3月20日、総裁代行に就任するでしょう。


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政府、日銀総裁に田波元大蔵次官を提示 副総裁は西村氏(朝日新聞) - goo ニュース

 政府は18日午前、19日に任期が切れる日本銀行の正副総裁の後任人事について、総裁に元大蔵事務次官で国際協力銀行総裁の田波耕治氏(68)を、副総裁に日銀審議委員の西村清彦氏(54)を充てる人事を国会に提示した。18日中に衆参両院で所信聴取を行い、19日の両院本会議で同意を得たい考えだ。(後略)


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