【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

蓮舫さん「STAP細胞はありますか?」野依良治・理化学研究所理事長(ノーベル賞受賞者)と歴史という法廷

2014年05月13日 23時34分52秒 | 第186通常国会(2014年1月)好循環実現国会

【2014年5月13日(火)参議院内閣委員会】

 民主党・新緑風会は第186回通常国会で、3つの第1種常任委員長ポストを持っていますが、その1つ。水岡俊一さん(2010年兵庫選挙区)が委員長の内閣委員会。

 元行政刷新大臣の蓮舫さん(2010年東京選挙区)が登場。

 議題は日本版NIH関連2法案(186閣法21・22号)です。

 衆議院段階では、ノーベル生理学・医学賞受賞者の山中伸弥・京都大学iPS研究所所長が参考人として呼ばれました。

 きょうは理化学研究所の野依良治理事長(ノーベル化学賞)と川合真紀理事と、旧科学技術庁から天下った理事の3人が呼ばれました。

 小保方晴子・理化学研究所研究員が発見した「STAP細胞」に関して論文に不正があったと断定して、理研が処分した問題を取り上げました。

 民主党の第1次与党期の冒頭、政府外議員だった蓮舫さんが事業仕分けをしたところ、野依理事長が自民党本部にかけこみ、部会で、「歴史という法廷に立つ覚悟があるのか」と語ったのが印象に残っています。

 蓮舫さんが理事長の責任を問うと、野依さんは「研究所全体の倫理の問題として、(小保方さんを代表者とする)共同研究の事業は、若者らの意識の変化もあり、経営者(理事長)として非常に重く受け止めています。経営者の責任として、若手の研究者の自立の支援と、外部有識者による委員会の調査結果を待ちたい」と語り、辞任を拒みました。

 蓮舫さんが、かつて理化学研究所研究員のW氏が単独執筆者として「サイエンス」という雑誌に投稿した論文について「切り貼りの疑いがある」と編集部から理研にいるW氏に対してクレームがあり、その数か月後に、小保方さんが「ネーチャー」に投稿した論文にも「切り貼りの疑いがある」と編集部から返答があったと指摘。W氏に対するクレームについて、理研執行部は把握していたのかどうかを問うたところ、川合真紀・理化学研究所理事は「連絡を取ったかどうか、記録が残っていない」とあいまいな答弁をしました。


[画像]蓮舫さん、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

[画像]野依良治参考人、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

[画像]川合真紀参考人、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 蓮舫さんが「野依さんは記者会見で、小保方さんのことを未熟な研究者と呼んだが、若手を育てるというよりも、若手を切り捨てるのが理研ではないか」」と質問。野依さんは「研究不正について世界の研究機関が悩んでいる。また、理研としては今後も女性と外国人の研究者を積極的に登用していきたい」とノーベル賞受賞者にあるまじき不誠実な答弁をしました。水岡委員長が「もっと端的に答えてください」と叱りました。

 小保方さんを調べる、理研の調査委員会の委員長だったI氏が自身の論文に切り貼りがあるとして辞任したことについて、川合理事は「I氏については、第三者委員会が処分中だ。実は、他の調査委員に対しても多量の論文への疑義(ぎぎ)が寄せられており、きょうにも調査結果を発表したい」としました。ここで、蓮舫さんが「なぜ小保方さんは(切り貼りがあるなどの論文の不正について断定され)調査委員よりも先に処分されたのか」と質問すると、川合理事は「私が調べているわけではない」と答え、委員長不在の第三者委員会に責任を丸投げしました。野依さんは「規定に基づいて処分した」と答弁しました。

 蓮舫さんは「野依理事長、STAP細胞はありますか?」 と質問。野依さんは「研究によって明らかにされるべきだ」としました。

 「2位じゃだめなんですか?」という印象的なセリフを残した蓮舫さんが「STAP細胞はありますか?」と印象的なセリフを発しました。

 どちらが正しいかどうか。政権再交代をかけた第47回衆議院議員総選挙と蓮舫さん自身が改選を迎える第24回参院選がある2016年(平成28年)明らかになるでしょう。



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