【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

維新が責任野党転じて草刈り場へ 参委で共産党から「会社法のチッソ救済衆議院修正」で罵声浴びる

2014年05月13日 16時50分53秒 | 第186通常国会(2014年1月)好循環実現国会

【2014年5月13日(火)参議院法務委員会】

 「会社法改正案」。午前中に法案審査、午後には参考人質疑が行われ、採決へ次回以降に持ち越しました。

 政府案は第185閣法22号・23号で、維新の修正が入り、さらに自公による技術的な修正が衆議院で入りました。

 民主党・結いの党などは第186参法10号の対案を出しています。

 後半国会から参議院統一会派を組み、議運委に室井邦彦理事を出したばかりの「維新の会・結いの党」が、政府案修正者(西田譲・維新衆議院議員)と、対案提出者(真山勇一・結いの党参議院議員)にまた裂きになっています。

 これを突いたのが日本共産党の仁比聡平・参議院議員

 主に、修正者の維新、西田譲・衆議院議員に質問しました。私は衆議院段階で、維新の修正の意味が分からなかったのですが、水俣病の原因企業・チッソ株式会社が株式を子会社に譲渡できるようにする修正だったようです。

 仁比さんは水俣病特別措置法の第13条などにより、チッソの株式譲渡はできないとの答弁を政府側(自民党の北川知克環境副大臣)から引き出しました。仁比さんは「5月から、行政不服審査法にもとづく、審判もある。あらたな賠償が必要になるかもしれない。その前の株式譲渡によるチッソの消滅は認められない」と強い口調で迫りました。

 維新の西田衆議院議員は「先生のご指摘はごもっともで、そのような状況は側聞しています。水俣病特別措置法については、私の立場で応えるべき問題ではない」と答弁しました。


[画像]水俣病の原因企業チッソ株式会社を救済することになる維新提出の衆議院修正について追及する共産党の仁比聡平・参議院議員、参議院インタネット審議中継からスクリーンショット。

[画像]衆議院修正について、しどろもどろになりながらも必死に答弁する、西田譲・維新衆議院議員、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。 

これに対して、仁比さんは「政治家としての感想も言えないのか!」と厳しく責めました。

 昨年末の特定秘密保護法の採決でも、激しく、動議提出者をなじった仁比議員。あの法律も、維新が修正者になったら30年後公開が60年後公開へと、より悪い方向に修正しました。今回も同じく悪い方に修正されました。維新は、修正協議で、自民党に利用されているだけではないでしょうか。

 維新はもはや草刈り場になっているのではないかと考えます。

 ただ、一部では、骨があり、政治的にも経済的にも足腰の強い議員はいるようです。



 みんなの党の水野賢一幹事長、山内康一国会対策委員長が民主党の大畠章宏幹事長・松原仁国対委員長と、国会内委員長室で、2014年5月13日(火)昼、2幹2国会談をしました。前日、みんなの党の浅尾慶一郎代表は、「野党再編ではなく政界再編」と日本記者クラブで語っています。さすがは元新進党衆議院神奈川第4区総支部長です。水野さん、山内さんも自民党出身です。もはやイデオロギーではない。野党でもしっかりと、経済的にも、ポスト的にも自立する足腰の強い議員が、政権でも国民の生命と財産を守れる大臣になることは、諸外国の事例を見ても間違いありません。責任野党とは、しっかりと野党時代に臥薪嘗胆できる政党のことである、と広辞苑の次の版に載るようにしたいものです。

【2014年5月13日(火)衆議院本会議】

 「金融商品取引法を改正してクラウドファンディングを規制する法案(186閣法67号)」と「保険業法を改正して外交員・代理店の規制を強化する法案」(閣法68号)が可決し、参院に送られました。これで金融庁提出の法案はすべて成立のめどが立ちました。この後、「特定農林水産物の名称保護法案」(閣法81号)が審議入りしました。農林水産の法案では、今国会2度目の本会議での質疑となりました。

【2014年5月13日(火)衆議院厚生労働委員会】

 地域包括ケアシステムの2法案で参考人質疑をしました。6名の参考人が呼ばれたため、冒頭の意見陳述だけで1時間以上かかりました。当ブログへの検索が増えていますが、参議院先議の「労働安全衛生法を改正してストレスチェックを50名以上の企業に義務付ける法案」(186閣法64号)は審議入りしていません。ただし、これは派遣法改悪法案の審議入りを阻止するための駆け引きと思われます。労働者安全衛生法改正案は今国会で衆議院でも可決し、成立することは確実です。

【2014年5月13日(火)参議院外交防衛委員会】

 「南インド洋漁業協定」と「船舶のバラスト水規制条約」の締結を求める件(186条約8・9号)が審議入りしました。ただ、4条約と1法案(防衛審議官などを設ける防衛省設置法改正法案)の5議案が、衆議院から送付されながら、審議入りできない状態。ことしもまた、外防委が渋滞しています。正直うんざりで、外防委の存在意義を示すためにも、スピード審議を求めたいところです。

【2014年5月13日(火)参議院総務委員会】

 地方自治法改正案(186閣法75号)が審議入りしました。(1)政令指定都市の「総合区」(2)連携協約(3)中核市の人口要件を20万人以上に緩和(特例市を廃止)--する法案です。ところが、衆院ではセットで審議した「第4次地方分権一括法案」は審議入りしませんでした。この委員会には、維新の片山虎之助・参議院議員会長(初代総務大臣)がいるのでていねいな「大阪市などの政令指定都市の改革」に関する審議をしようという思惑なのでしょうか。ただ、いずれにせよ、衆参ねじれ解消で、参院修正はほぼゼロな政治情勢。衆院側にまだ多く法案があることから、会期末にかけた攻防が注目されます。

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