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ニュースサイト 宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

一か八かの参・議運委員長解任動議で徹底抗戦すべきだ 問責審議は全閣僚が傍聴を

2012年08月29日 06時09分32秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[写真]鶴保庸介・参議院議院運営委員長(自民党)

 どういうわけか、新聞では「首相問責へ」「事実上休会のまま閉会へ」「特例公債法案と定数是正法案は廃案」「永田町は党首選、総選挙モード」という論調になっているが、長くて暑い夏の国会で早く休みたいという記者心理が働いているような気がします。そもそも、定数是正法案は衆議院議員(樽床伸二さんら)が発議者で、参院の特別委員長も民主党です。もちろん、議院運営委員長が自民党の鶴保庸介さんで、理事会の過半数、委員会の過半数とも野党が握っていますから委員会付託も本会議上程も難しいわけですが、審議に大臣の出席は不要です。

 国会法で「12月召集」だった昭和時代の「自然休会」を考慮すれば、事実上過去最長となった第180回国会(常会)。最後だからこそ、最後の最後までしっかり、きっちり仕上げなければいけません!

 きょうにも、内閣総理大臣野田佳彦君問責決議案が参議院本会議で採決されるようですが、これに先立つ議院運営委員会理事会で民主党は徹底抗戦すべし。

 参議院では、議運理事会は本会議の40分前、議運は20分前に開かれます。残り会期も少ないのですから、武闘派路線でやるべきです。定数是正をすることで総理の伝家の宝刀(解散権)を回復した上で、特例公債法は仕上げて、次の臨時国会の召集を11月くらいまで引き延ばせば、民主党も多少は浮上して、次の衆参選挙に望めるでしょう。

 問責決議案は、野党第3会派以降が「増税を理由として」、自民党と公明党がきのう「国家運営能力の欠如を理由として」提出しています。この野党間のまとまりのなさを間隙をつけないでしょうか。

 民主党議員が鶴保委員長解任動議を委員会に提出した場合、鶴保さんが席を退き、仮に自民党理事が委員長代理を務めた場合、民主党から賛成10票が入るでしょう。これに対して、自民党・公明党から反対10票で委員長を守るでしょう。これに、みんなの党の1票、国民の生活が第一の2票が雌雄を決します。しかし、両党の衆議院側の現職議員の地元には、たいてい自民党の現職や支部長がいます。また、みんなの党、国民の生活が第一は増税を問題視しているのに対して、自民党と公明党は増税に賛成しています。この間隙をついて、なんとか棄権や賛成に回ってもらえないでしょうか。とくにみんなの党は11議席あるので、この第21・22期参議院ではたびたび単独で問責決議案を出していますが、一度も本会議に上程されていないのではないでしょうか。これを事実上の衆参両院の国対委員長的存在である水野賢一理事がひとつ存在感を発揮する行動をしてくれるかも知れません。

 さらに本会議では、「野田問責」よりも院の構成に関する議案が先決となりますので、委員長解任決議案を連発し、延会させて、週末まで逃げ切るという手もあるでしょう。たまには参議院議員も長時間拘束されて働いてください。

 これが無理で、問責決議案が上程された場合は、野田内閣の衆議院側の閣僚は、全員が、本会議場向かって左側2階にある衆議院議員傍聴席で傍聴すべきです。この位置はほとんどのテレビ局のテレビで撮れると思います。さらに、民主党は決議案の反対討論に北澤俊美さんを起用すべし。すさまじい野次の中、参議院での問責政局を作り出した張本人である元野党武闘派参院国対委員長の北澤さんが丁重におわびをしながら、参議院のため、日本のために決議(案)を否決することをお願いします。懲罰委員長ですが、本会議での討論登壇は可能だと考えます。仮に可決されても、総理が続投し、参議院で審議できる素地をつくる必要があります。

 政局より政策へ、という人がいますが、会期末前の政局は不可欠だし、世論を反映するための「仕分け」になります。自公とそれ以外の野党の間にくさびを打ち込むチャンスにもなります。攻撃は最大の防御なり。「野田問責」は水際のこと(竹島、尖閣諸島)を国内政治に持ち込むことになりかねません。外患誘致と言っても過言ではありません。

 参議院のイチバン長い一日になります。

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[お知らせおわり]
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