
[写真]法務省、2015年10月、筆者撮影。
法務省は少年法の適用年齢を18歳未満に引き下げるなどの法改正について、省内に検討会を設置することにしました。平成27年2015年11月2日(月)に初会合。
改正国民投票法や改正公職選挙法で、18歳・19歳に選挙権が与えられたことをきっかけに見直しの機運が出てきました。
18歳以上でも少年院送致などの保護処分を選択できるしくみも検討することになりそうです。
この検討会の中間とりまとめによっては、少年法改正案が国会に提出されることもありそうです。
岩城法相が2015年10月23日(金)の記者会見で発表しました。
[法務省ウェブサイトから引用はじめ]
法務大臣閣議後記者会見の概要
平成27年10月23日(金)
今朝の閣議では,法務省の案件はありませんでした。
次に,私から「若年者に対する刑事法制の在り方に関する勉強会」について御報告します。
この度,少年法の適用対象年齢を含む若年者に対する刑事法制の在り方全般について検討するため,私の指示により,「若年者に対する刑事法制の在り方に関する勉強会」を実施することとしました。
近時,選挙権年齢が引き下げられたことや民法における成年年齢に関する検討状況等に鑑み,少年法の適用対象年齢についても検討が求められているところです。
この問題は,単に「少年」の範囲を現行法の範囲のまま維持するか,上限年齢を引き下げるかという問題にとどまらず,刑事司法全般において,成長過程にある若年者をいかに取り扱うべきかという大きな問題に関わるものであると考えています。
そこで,法務省においては,関連する多様な分野,例えば,法律,心理,教育,医療等の研究者・実務家や一般有識者からヒアリングを行い,この問題に関して検討を行う上で必要となる基礎的知見を幅広く得るため,本勉強会を行うこととしたものです。
勉強会は,法務省関係部局の幹部により構成しますが,専門的見地から助言を頂くため,刑事政策に関する研究者の方々にアドバイザーとして御参加いただくこととしました。
この勉強会において,若年者に対する処分や処遇の在り方全般につき,十分に研究してまいりたいと考えています。
「若年者に対する刑事法制の在り方に関する勉強会」に関する質疑について
【記者】
ただ今お話のありました「若年者に対する刑事法制の在り方に関する勉強会」についてお尋ねします。
勉強会では,どのような議論を期待されますでしょうか。また,これまでは,全ての少年事件を家庭裁判所に送り,事件の背景や少年の育ってきた環境などについて,家庭裁判所の調査官や少年鑑別所による科学的専門的調査が行われ,その調査結果を踏まえて少年に対する適切な処遇を決定するという方法が採られてきましたが,その意義についてどのようにお考えになっていますでしょうか。
【大臣】
現行少年法上の審判手続の枠組みについては,「少年の健全な育成」という少年法の目的に資する意義あるものと考えています。
次に,勉強会に対する期待ですが,若年者に対する刑事法制の在り方については,様々な御意見があるものと承知をしており,現行少年法が少年の健全育成において果たしている役割などの少年法固有の観点からの検討が必要であるとともに,選挙権年齢の引下げや民法の成年年齢に関する検討状況を踏まえた検討も行う必要があると考えています。
この勉強会においては,こうした問題に対して検討を行う上で必要な基礎的知識を幅広く得られるよう,十分な研究が行われることを期待しています。
【記者】
関連で,現在,家庭裁判所が刑事処分相当と判断した事件について,検察官に送致し,刑事裁判にかけられることになっており,重大事件を犯した少年の多くが公開の法廷で刑事裁判を受け,裁判員事件の対象にもなっています。罪を犯した時に18歳以上であれば,死刑判決でさえも選択できることになっています。こうした状況から考えれば,少年法が甘すぎるという指摘は誤解に基づくものであるという意見が多くの弁護士などから上がっています。
大臣御自身は,少年法は重大事件を犯した少年に対して甘すぎるとお考えでしょうか。
【大臣】
「少年法は重大事件を犯した少年に対して甘すぎる」という指摘がどのような状況を念頭に置いて言われているのかが明確ではありませんが,現行少年法の枠組みは,全体として,個別の事案の罪質や情状,少年の特性に応じて,適切な処分を行うことが可能なものとなっていると考えています。
少年法の適用対象年齢の引下げに関する質疑について
【記者】
少年法の適用対象年齢の引下げに関して,18歳から19歳に対しての保護処分の必要性が現状で失われているとは言えないというお考えでよろしいでしょうか。
【大臣】
はい。そのような考えでよろしいです。
(後略)
[引用おわり]
このエントリー記事の本文は以上です。
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