【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

民主党大阪府連幹事長の尾立源幸さん、「出先機関一つ移せないモタモタ感へのレッドカードだ」

2011年11月28日 23時16分23秒 | 第179臨時国会(2011年10月)議員立法

[画像]防災服姿で衆院総務委で答弁する財務政務官当時の尾立源幸さん、2011年3月26日=衆議院インターネット審議中継から、キャプチャ。

 民主党大阪府連幹事長で、参院財政金融委員長の尾立源幸さんは2011年11月28日のBS11「インサイドアウト」で、「(国の)出先機関ひとつを(自治体や広域連合に)移すにも、(政権交代から)2年、3年経っても一つもできていないモタモタ感に、いい加減にしろというレッドカードを突き付けられた」ことが大阪秋の陣の歴史的完敗につながったとの考えを示しました。

 尾立さんは「大きな維新台風が吹いた。市長選の投票率は前回比17ポイント上がった」として、投票率が上がった分の投票者が大阪維新の会の松井一郎知事、橋下徹・次期大阪市長に投票したとの分析結果を示しました。そして、国会議員の立場から「中央の政治はスピード感がないと言われる。自民党政権で(2007年に)衆参ねじれになって、このところ4~5年間続いている。とくに大阪は閉塞感が強い」「大阪府と大阪市の二重行政(の解消)はずっと前から言われていたんです。そこで、同じ維新の系統の人が、府と市(の首長)に座ると言うことで、(有権者が)スピード感を感じたんだと思う」としました。

 民主党国会議員として「我々がいけなかったのは、地域主権(地方分権)を訴えながら、今ある政令市を大きくしていくのか、小さくしていくのか党の中で議論されていなかった。その中で、大阪都構想が出されたので、対応できなかった」とも指摘しました。

 そして、「地域主権は色とりどりだ」として、大阪らしい自治制度の構築で連携していく考えを示しました。

 政調副会長として、2009マニフェストにかかわった立場から、「マニフェストでは4年間で9兆円を(ムダ削減で)出すと言いながら、現時点で4兆円しか出せていない」として、残りの5兆円は、提出中の国家公務員給与引き下げ法案が成立すれば、かなり埋められるとしました。日本国債や日本株が堅調な11月の経済情勢については、「欧州各国の消費税率は20%台だが、日本は5%なのでまだまだ上げられるとの期待感が国際マーケットにある」としながら、「総理に語ってほしい。自民党政権時代の税法附則104条で消費税増税法案を出すことになっていますでは発信力が弱い」として、古川元久・税と社会保障の一体改革担当大臣に、野田佳彦首相から国民への直接のメッセージを出させるよう話したことを明らかにしました。年末を予定している税・社一体改革大綱などを念頭に、「党内がまとまっていることが大事だ」としんみりとつぶやきました。



 尾立源幸(おだち・もとゆき)さんは民主党の参院大阪選挙区選出(2016年改選)で、参議院財政金融委員長です。逆転の夏の後の「民主党の青春」期では法案の嵐作戦で、「年金流用禁止法案」(筆頭発議者は蓮舫さん)、「農業者戸別所得補償法案」(筆頭発議者は平野達夫さん)といった参法を、官僚の手助けなしに、参院事務局・法制局らと一緒につくりました。徹夜の作業の仲間は、参院民主党政審会長だった福山哲郎さん、筆頭副会長だった大塚耕平さんです。類は友を呼ぶ。この仲間を見ただけでも、尾立さんが優秀な政治家であることが分かります。その証拠に、政権交代後は財務政務官として東日本大震災を経験しました。

 第178臨時国会からは、参議院において財政金融委員長を務めています。この先タイヘンです。実に政治家らしい仕事です。例えば、早ければ3月上旬に平成24年度の特例公債法案が衆院から送られてきてたっぷり議論して、採決して、可決して本会議に上げられればいいでしょう。これには3党合意が前提になります。あるいは、否決して、本会議に委員長報告をして、衆院に送り返すことになるかもしれません。そこで解散かもしれません。この段階で、2010年のねじれ国会後は影をひそめた強行採決となり、尾立さんは殴られながらも涙をこらえてマイクを持って採決して、悠然と委員会室を去る仕事をしなければならないかもしれません。法案が来ないまま、衆院選になる可能性もあります。例えばことしの第177通常国会では、一般質疑の格好で、自民党の林芳正さんが野田佳彦財務大臣に「早く送れ」と迫りながらも、まだ来ない法案の質問をそれとなくしていて、能力の高さを感じました。タイヘンマジメな荒木清寛・公明党財金委理事は、予算委員会にさしかえで登場し、「早く送って下さい」と菅直人総理に迫っていました。

 さらに、尾立さんはタイヘンです。第46回衆院選で、大阪府は、定数是正で平岡案(5増9減)が採用されると、1減で全18選挙区、大阪1区~18区となります。当然にして、区割りは大幅に変わります。ここでも、尾立さんの力が試されます。まさに正念場となる次の通常国会と第46回衆院選。注目度は維新コンビの0・1%以下でもいいですから、尾立さんのいぶし銀の活躍に期待しています。見ている人は必ずいます。



ひとつひとつ、乗り越えていく。

[お知らせ①]

今後の政治日程 by 下町の太陽・宮崎信行
(有料ブログ)
http://regimag.jp/b/sample/list/?blog=65

 こちらのブログは有料ブログで、月840円(税込み)となります。初月度無料ということで試し読みできます。いつでも気軽にご登録ください。

 これまでのクレジット払いに加えて、「ポイント」を、コンビニ払いや銀行振り込みで購入して頂き、そのポイントを今後の政治日程 by 下町の太陽・宮崎信行の購読に充てていただくことができます。ですから、個人だけでなく、法人として購読していただくこともできます。

今後の政治日程 by 下町の太陽・宮崎信行」の購読のしかたは、下のアドレスでご確認ください。
http://regimag.jp/navigation/buy

-----------------------------------------

[お知らせ②]

 確かな取材、情報源に近づけるために、「国会傍聴取材支援基金」にご協力いただきたく存じます。

 アクセス数を稼ぐための「あおり」のない本質にせまった国会傍聴記、政治の実態をブログでお伝えしていきます。

 詳細は、次のリンク先でお読みいただけます。

 「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い

 どうぞご協力ください。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿