【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

安倍首相、G7協調「財政出動」独首相らに拒まれたもよう、参院選、第2次補正予算案のシナリオにゆらぎか

2016年05月07日 16時54分10秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

 安倍晋三首相は、平成28年2016年5月1日から7日にかけて、イタリア、フランス、ドイツ、イギリスのG7のうちの4カ国を含む、欧州各国を歴訪しました。

 この中で、今月下旬の伊勢志摩サミットについて前さばきをしました。

 これについて、外務省の二国間外交のウェブサイトによると、

 日伊首脳は「世界経済を再活性化させるため,G7には,構造改革の加速化に合わせて,機動的な財政出動が求められているとの認識で一致し,伊勢志摩サミットでG7として明確なメッセージを発出することを確認しました」 。

 日仏首脳は「為替市場の急激な変動は避けるべきであること,構造改革を進めるとともに,機動的な財政政策により効果的に需要を創出する必要があることで一致しました」。

 日英首脳は「G7が世界経済の持続的かつ力強い成長を牽引していくことで一致し,金融政策,機動的な財政出動,構造改革をそれぞれの国の事情を反映しつつ,バランスよく協力して進めていくことが重要であるという点で一致しました」 。

 日独首脳は「為替の安定に向け協力していくことで一致しました」が、ドイツのメルケル首相は「財政出動においては自分はフロントランナーではないが,金融政策,財政政策及び構造改革を同時に進めていくことが重要である旨述べ,特に民間投資喚起の重要性を指摘しました。また,メルケル首相から,為替の急激な変動は望ましくないとの発言があり」ました。

 独首相が「財政出動においては自分はフロントランナーではない」と発言し、英首相が「それぞれの国の事情を反映すべし」としたことから、安倍首相が描いた、G7協調の財政出動のシナリオはゆらいだものと考えられます。

 独首相の「金融政策、財政政策、構造改革を同時に進めていくこと」とは、安倍首相が自民党総裁就任以来4年間目玉にしている3本の矢(1異次元の金融緩和、2機動的な財政出動、3成長戦略)と一致しており、安倍首相の経済政策アベノミクスの「現状維持」を念頭において発言したととらえられます。

 このため、安倍首相が描いていたと想定される、G7共同宣言→財政出動の政策パッケージの閣議決定→第24回参院選(6月下旬から7月上旬)→第2次補正予算案提出ーーという日程感がずれこんだかもしれません。

 安倍首相は、先々月、外国人の有名な経済学者に対して、「ドイツの財政出動」について質問したとされる議事録が一部で明らかにされており、G7協調介入を口実に、参院選での自民党関係団体での「ニンジン」をぶら下げるシナリオが想定されていました。

 このエントリーの本文記事は以上です。 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿