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ニュースサイト 宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

「3代目参議院の天皇」に脇雅史大先生が就任 所信表明演説は衆院のみ

2012年10月29日 16時08分16秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]参議院自民党国会対策委員長に再任した「3代目参議院の天皇」脇雅史大先生、2012年10月5日(金)、本人公式ホームページから。

 第181回臨時国会(181臨時会)は2012年(平成24年)10月29日(月)召集されました。

 ところで、NHKニュースおはよう日本で「きょう召集されます」と何度も連呼していましたが、召集詔書には「29日、東京に臨時会を召集する」とだけ書いてあり、衆議院・参議院規則第1条に「午前10時に参集する」と書いてあるので、朝の時点ではすでに「召集された」のではないでしょうか。虎ノ門事件の反省から自動的に会期がカウントされるようなしくみなので、ぜひ、NHKも前例踏襲ではなく、確認していただきたく思います。

 会期は、衆議院本会議で採決され、2012年(平成24年)11月30日(金)までの33日間と決まりました。

 先の通常国会で参議院で審議未了廃案になっている「特例公債法案」と「1人別枠方式を廃止し定数是正する法案」(ともに今国会では未提出)の成立が焦点になります。ただ、この2法案は、「日切れ指定」で自動的に成立させておいてしかるべき法案であり、「積み残し宿題処理国会」となりそうな気配です。

 きょうの衆議院本会議から、議事進行係が早川久美子さん(東京17区比例復活)になりました。前任の鷲尾英一郎さんも威厳があって良かったのですが、農水政務官に昇格したので、短い期間で交代したようです。今国会にしろ、次の通常国会にしろ、解散当日の本会議では、内閣不信任案が緊急上程されるパターンが大半なので、歴史的な場面で早川さんが登場することになりそうです。


[画像]議事進行係をつとめる早川久美子さん、2012年10月29日、衆議院本会議、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。

 参議院は8月29日の本会議で野田首相と民自公3党合意を問責する決議を可決していることから、脇雅史・参議院自民党国会対策委員長、鶴保庸介・参議院議院運営委員長(自民党)らが所信表明演説を拒否しました。なお、午前10時からの参議院本会議で、議運委員長は岩城光英さんに交代しました。ジェントルマンの岩城なので、休憩後から急に方針が変わるのではないかと期待しましたが、休憩のまま所信表明なしに散会しそうです。

 衆議院先例484は「会期の始めに内閣総理大臣が施政方針に関して、外務大臣が外交に関して、財務大臣が財政に関して、経済財政政策担当大臣が経済に関して演説する」としています。「臨時会においては、開会式の後に、内閣総理大臣が所信に関して演説するのが例である」としていますが、少なくとも過去20回以上の臨時国会で所信表明演説はされていません。衆議院だけで所信表明演説があり、もう一つの院(参議院、貴族院)でないのは、憲政史上初めてだそうです。

 ただ、国民は、所信表明演説が衆・本会議で行われ、その十数分後に参・本会議でも同じ演説原稿を首相が読み上げていたという事実をどれだけ知っているのか疑問に思います。というのは、NHKの中継はもともと衆本だけだからです。ここは有権者としてメディアを通して国会を知る間接民主制において、非常に大きな本質的な課題があるところです。衆本と参本を両方NHKが中継すれば、NHKや新聞投稿などは「時間のムダ」という意見であふれかえるでしょう。しかし、通常国会冒頭の政府4演説、臨時国会冒頭の所信表明演説の国会中継(ただし衆本だけ)の後には、「首相が下を見て棒読み」、「野次がひどい」という2つの意見が多いように思います。前者について言えば、施政方針・所信表明演説は閣議決定文書なので、その通り朗読するのが筋です。後者について言えば、衆本の最後に、議事進行係の「国務大臣の演説に対する質疑は延期し、来る○○日午後一時から本会議を開きこれを行うこととし、本日はこれにて散会されることを望みます」という動議が可決しており、この日は野党はひと言も演壇に上がる機会がありません。ですから、与党だけが発言している本会議に野党議員が不規則発言をしたとしても、一定の秩序の中に収まっていれば、「野次がひどい」との批判は当たらない。私はそう考えます。

 小泉純一郎首相が衆参で同じ演説をするのはムダだから一本化したらいい、との発言をしたことがかつてあったと思います。今回は所信表明演説とそれに対する代表質問はボイコットしながら、参議院予算委員会での集中審議はするようですから、参議院自民党の戦術はシッチャカメッチャカで訳が分かりません。村上正邦さん、青木幹雄さんにつぐ「三代目参議院の天皇」脇雅史さんは、本人の活動記録の8月28日に 「野田佳彦内閣総理大臣問責決議案提出(8月29日、本会議で可決)」とするpdf文書を挙げていますが、これは、実際に参本で可決されたものとは違います。現時点でも議事録ができあがっていないのですが、実際に可決されたのは「野田首相を問責し、民自公3党合意を問責する決議」です。(参照谷垣さんが落ちた問責落とし穴にちらつく小沢一郎氏の影 やはり可決したのは14号議案だった 参議運議事録)。脇さんは平成研所属のようで、経世会の系譜を継ぐ「自民党にいるお兄さん」のように感じますが、これ以上意地を張っても、小沢氏のぬかるみにはまるだけです。

 
[写真]お花が似合う、脇雅史大先生。本人公式ホームページから。一部トリミングさせていただきました。

 えてして、小泉首相が求めた国会改革の一つが先例として残った格好になります。英議会のエリザベス女王の施政方針演説(内閣執筆)や、米国議会の大統領教書演説や両院合同になっていますので、参院議員が衆院本会議場に集まる体裁でもいいのかもしれません。きょうの衆本では、参院議員の傍聴者は一人もいませんでした。今の参院には能動的な議員は少なく、脇さんのような能力のある人が出てくると、あっという間に会長や幹事長をおしのけて、参院自民党を仕切るようなことになります。昨年秋の臨時国会では、人事の内紛で新しく就任した溝手顕正・参議院自民党幹事長が、第3次補正予算案提出に伴う安住淳財務大臣の財政演説に対する代表質問に登板し、「総額11兆円の補正のうち、基礎年金国庫負担分の穴埋め2・6兆円の歳出がもっとも大きいのは復興予算とはいえない」という趣旨の演説をしました。これは、最後の埋蔵金となった国鉄を継承した法人からの溜まり金の国庫返納分などの税外収入を1次補正で復旧財源に回したことへの穴埋めで、とくに公明党が強く主張していた増額補正だったのですが、溝手さんはまるっきり見当違いな演説をしました。1次補正の時点で、執行部でなかったために経緯を知らず当事者意識に欠ける結果となりました。そのため、脇国対委員長の主導権が高まったのだろうと考えます。3次補正については、衆本で谷垣禎一・自民党総裁も「全国防災対策費とは、公共事業ではないのか」という趣旨の演説をしています。その一方で現場ベースでは復興基本法に全国防災が書き込まれたわけで、自民党が衆参、執行部と執行部外議員がバラバラになっていることが浮き彫りになります。もはや政党とは言えない状況になりつつあると言えそうです。


[写真]ステキなクールビズを着こなし、国土強靭化法案について記者会見する脇雅史大先生、本人公式ホームページから。

 さて、第181臨時国会ですが、正直、あまり重要な法案があるようには、私には思えません。ただ、第45期衆議院では最後の秋の臨時国会ですし、波乱要因はいろいろとあります。ていねいにしっかりと見ていきたいと思います。

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