
【参議院懲罰委員会 2013年11月21日(木)】
参議院懲罰委員会が開かれました。
北澤俊美委員長が開会を宣言。委員長就任のあいさつや理事の選任以外で、一つの国会で参・懲罰委が2回開かれたのは、議事録によると、昭和60年1985年の通常国会以来。ただ、これは冒頭と会期末に1回ずつ、理事の選任をしているので、政府・自民党の人事異動のからみでしょう。
参議院発足後5年間ぐらいは、本会議での不正常採決の「目撃者」に証言をしてもらっている議事録がありますが、昭和30年代以降は委員長あいさつと理事選任だけです。
懲罰委員会はイチバン人数が少ない委員会で委員は10名。そのため、「第185懲罰案件1号」で懲罰動議が本会議で可決され、同2号で懲罰委員会にかかったアントニオ猪木議員の同僚である「日本維新の会」の委員は初めから、いませんでした。
理由は、猪木議員が、議院運営委員会理事会への事前の報告が不十分だとされ、海外渡航の請暇を認められなかったのに、北朝鮮に渡航した件が院の秩序を乱したという件だと思います。
そして、参議院規則第240条では「議員は、自己の懲罰事犯の会議および委員会に出席することができない。ただし、議長または委員長の許可を得て、自ら弁明し、または他の議員をしてかわって弁明させることができる」とあります。
これを補足する、参議院委員会先例159号では「懲罰委員会において本人自ら弁明したいとの申出があるときは、これを許可するのを例とする」とあります。が、この日は、猪木議員からは出席の要望がなかったようです。報道によると、「お沙汰に従う」という趣旨の発言をしているようです。
浅野一郎・河野久編著「新・国会事典 第2版 用語による国会法解説」(有斐閣)の第10章によると、 国会法122条は、(1)公開議場における戒告、(2)公開議場における陳謝、(3)一定期間の登院停止、(4)除名の4種類があります。このうち「除名」は衆参1例ずつあり、裁判で争えませんが、その後の選挙で当選したらそれを院が拒むことはできません。登院停止の期間に関しては衆・参ともそれぞれの規則242条で「30日を超えないこととする」とあります。
また、前掲書によると、「院内とは場所的観念ではなく、組織体としての議院を意味するから、国政調査のための派遣先での行為のように、議事堂外であっても、議院としての活動中の行為で院内の秩序をみだしたと判断されるものは、懲罰の対象となる」と解説されています。
このため、山本太郎参議院議員の秋の園遊会天皇陛下手紙渡しの件も、懲罰の対象になりかねないところでしたが、憲法改正時に、請願法に「天皇への請願は内閣に提出する」との文言が入り、現行法にもあることから、議院運営委員会理事会での協議も踏まえて、山崎正昭議長が注意し、今任期中の参議院事務局が推薦する皇室関連行事への出席禁止を本会議で報告することになったとみられます。
詳しいことは、今後アップロードされる、本会議や懲罰委員会の会議録での、議長(山崎正昭さん)、議院運営委員会理事(水落敏栄議員)、懲罰委員長(北澤俊美さん)の発言などを参照してください。
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